204 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:2008/07/05(土) 02:11:53 ID:???
兄弟達が寝静まっている夜。
屋根裏で眠っていた刹那は体に違和感を感じ目を覚ました。
「・・・何だか視界が高い様な。まぁいい、刹那・F・セイエイ喉の渇きに介入する」
刹那は寝ぼけ気味のまま目標の飲み物を飲みにキッチンを目指した。


「色々アドバイス有難う御座いました兄さん」
「いや、オレも技術者には多少の無茶も必要だと気付けた。有難う」
こちらはアムロ自室。マイが技術者の在り方についての相談が終わった所だった。
「もうこんな時間ですか。じゃあ明日もありますし僕はコレで」
「ああ、他の奴らは寝てる筈だから静かにな。」
アムロの部屋を出たマイ。
ドアを閉めた直後彼は遠くリビング上に幻影を見た。
「なんだ。まだ起きてた奴がいるのか。」
しかしマイは直ぐに違和感を感じた。
(・・・おかしい。僕と兄さん以外の年長組は今日はいない筈・・・じゃああの背の高い人影は誰だ)
ドモンやシロー達年長組は仕事でこの日出払っていた。
兄弟中体力で最低辺クラスに入る彼はしかし、アムロの部屋の入り口に
転がっていたハンマーを掴むと勇気を振り絞ってキッチンに向かう背の高い人影に迫っていった。


いつもより天井の低い我が家に違和感を感じながらも刹那は目的地であるキッチンにたどり着いていた。
「・・・こんなにこの冷蔵庫は小さかっただろうか」
兄弟+御大将+変態兄弟の食を賄う業務用の巨大な砦はしかし、今は二周り程小さく見える。
訝しみながらも扉をあけて目標を取り出し蓋を開ける。
この開けた時のカポッという音が鳴る時が彼にとって至福の時であった。
刹那は早速腰に左手を当てると目をつむり一気にビンに入った白い液体を飲み干した。


背の高い影はキッチンの方へいった。マイは気付かれぬ様にキッチンへ歩を進める。
耳を澄ますとどうやら飲み物を飲んでいるらしい。
(ケンカなんて一度もした事無いのに勝てるだろうか・・・)
不安になりながらもマイは手元のハンマーを見る。
拭っても拭いきれない変態の血がこびり付いたハンマー。アムロは学生時代これと警棒で無数の不良をなぎ倒し、
その白ランも相まって『白い悪魔』と呼ばれていた。『赤い優等生』、『黒い三年生』と共にこの町の伝説の1人である。
(そうだ。これがあれば勝てる。兄さん僕に力を!)
勇気を振り絞って飛び出したマイだったが目の前にいたのは拍子抜けするぐらい背の小さい少年だった。

206 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:2008/07/05(土) 02:14:44 ID:???
「んっ、やはりミルクはガンダムだ。・・・なんだか視界が低くなった様な」
喉の渇きへの介入に成功した刹那は目の前で呆然としている兄に気付き声をかけた。
「何かあったのかマイ兄さん。アムロ兄さんのハンマーなんて持って」
その声にマイは我に帰る。
「刹那、ここに背の高い人が来なかったかい?」
「いや、オレはずっと1人だったが」
「そっそうか、それならおやすみ。ちゃんと寝るんだぞ」
「ガンダムだ」
そう言ってマイは寝室に戻っていった。

後日マイは刹那の背丈伸縮自在説を論文にまとめるが誰も信じてくれなかったそうな。

おわり

刹那2期バレ記念。分かりにくくてすまん。

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最終更新:2013年09月17日 20:56