学園祭F91(前スレ165-171)の続きです。

(学園祭三日前の夜、学園の駐輪場)
シーブック「疲れた…。早く家に帰ろう…」
セシリー「シーブック!」
シーブック「セシリー?」
セシリー「よかった。なんか会うのって久しぶりね!」
シーブック「(小声で)僕だって…」
セシリー「シーブック?」
シーブック「いや、なんでもない。演劇部のほうは順調?」
セシリー「おかげさまでなんとかね。今度はクラスのほうにあまり顔出していないし、
    結局ミスコンもなくなったから、劇のほうに集中できてその点は楽ね」
シーブック「そっか。楽しみにしているよ。ところで、劇って何やるの?」
セシリー「パンフレット読んでないの?相変わらずこういう行事には疎いのね」
シーブック「え?そうかな?」
セシリー「そうよ。まあ、当日のお楽しみというのもいいかもね」
シーブック「ははは、御免」
セシリー「気にしないでいいのに。かえって知らない分いいかもしれないでしょ?とに
    かく、今度は見に来てね」
シーブック「何とか屋台の当番の合間を見て。必要とあればさぼってでも」
セシリー「さぼっちゃだめよ。それじゃあ、私そろそろ…」
シーブック「あ、送ってくよ」
セシリー「ありがとう」

シーブック「ただいま」
アムロ「ああ、遅かったな」
シーブック「学園祭もうすぐだからね。ロラン、まだ夕食食べられる?」
ロラン「あ、暖めるからちょっと待って」
コウ「少しは明るくなったな、シーブック。今朝までと別人みたいだ」
シロー「問題解決かな」

(学園祭当日)
級長「というわけで学園祭当日なわけであるが矢張りくれぐれも事故を起こさないよう
   にした方がよいのであろうが。まあ当番は火の元にはよく注意してシフト表の通
   りに交代していかないといけないわけであるが」
シーブック「(シフトは何とかセシリーの劇を見れるな。最初はちょっと間に合いそう
   もないけど)」
級長「まあ矢張りそろそろ始める必要があるわけだが」
シーブック「よっしゃ、準備始めますかね」

(二時間後)
シーブック「ありがとうございましたーっ(うわ、ちょっと間に合わないかも)」
ジョージ「シーブック、ハンバーガー3個入った!」
シーブック「わかった!ジョージ、交替はまだか?」
ジョージ「まだみたいだね。どうしてもだめなら抜けてもいいぞ?」
シーブック「いや、まだ何とかなる」
ジョージ「じゃ、手を動かして」

シーブック「(流石にまずい。これじゃ半分も見れないかも…)」
サム「シーブック、代わってやる。行ってこい」
シーブック「サム?お前の番まだじゃないか?」
サム「なんかせっぱ詰まってるってジョージが言ってたからさ、ほら行け」
シーブック「サム、ジョージ、サンキュ!」(エプロンを放り投げて走っていく)

キラ「あれ、シーブック兄さん。あんなに慌てて…。あ、演劇部か」

(体育館・演劇部舞台)
シーブック「ハァハァ、着いた…けど場所が…」
ジュドー「(小声で)兄さん、こっちこっち」
シーブック「ジュドー?何でこんなところで?」
ジュドー「いや、たまには劇を見てみようと思ったんだけど、やっぱ合わなくてさ。で
    出ようとしたらちょうどいいところに来たから。はい交替」
シーブック「(意図を察して)そうか、ありがとな」
ジュドー「へへっ、あ、これ案内ね。それじゃ、うまくやりなよ」

シーブック「『ラーマーヤナ』の一節…。セシリーはシーター役か」
シーブック「セシリー、やっぱりこういうの好きなんだろうな。綺麗だし」

(終了後、楽屋裏)
シーブック「セシリー、お疲れ様」
セシリー「シーブック!見ていてくれたの?」
シーブック「何とか間に合ったし、約束したからね。面白かった。それに綺麗だったし」
セシリー「え…、ありがとう(真っ赤)」
シーブック「ええっと、その、疲れただろうし、何か食べないか?」
セシリー「そうね…。行きましょう」
シーブック「セシリーのこれからの予定は?」
セシリー「午後最初に午後の部ね。その後はクラスの出し物にも顔を出さないと…。特
    に当番とかではないんだけど、全く任せっぱなしも悪い気がして…」
シーブック「そうかぁ」
セシリー「一緒に見て回れないのは残念だけど…」

(昼食後、中庭のベンチ)
シーブック「ふわぁ…。なんか暇になった…」
シロー「なんだ一人か、寂しい奴だな(笑)」
シーブック「兄さん…」
シロー「学祭なんて今のうちだけなんだから、もっと何かしろよ。セシリーさんとどこ
    か見て回るとかさ」
シーブック「僕は屋台の当番があるし、セシリーも演劇部の公演の後クラスに顔を出す
    って言っていたから駄目かなぁ」
シロー「さぼっちゃえよ。たまにはいいんじゃないか?」
シーブック「いや、そうもいかないよ。さて、屋台に戻るかな。それじゃ」
シロー「堅いなぁ…。誰に似たことやら」

(午後の公演の終了する頃、屋台)
アムロ「シーブック!」
シーブック「兄さん?どうしたの?」
アムロ「ちょっといいか?」
シーブック「ああ、いいけど」
アムロ「お前も少しは息を抜いたらどうだ?」
シーブック「けど…」
アムロ「ほら行くぞ!すいません、ちょっとうちの都合でこいつ借ります。ほら来た来
    た!」
ジョージ「あ、ハイ。シーブック、何かあるみたいだから、終わらせるまでここは任し
    てよ」(察してがんばれよとサムアップ)

アムロ「いい友達じゃないか。ああいった好意を見せてくれるのはこれまでのお前さん
    の人徳ってやつだ。そういった好意にはたまには甘えるのも必要だよ」
シーブック「…」
アムロ「セシリーさんも同じだよ。たまには人の好意に甘えることも大切だよ」

(体育館前、午後の公演がちょうど終了したらしい)
アムロ「そら、行って、セシリーさんと羽を伸ばしてこい」
シーブック「…ああ、わかったよ。ありがとう、兄さん。じゃ!セシリー!!」
セシリー「シーブック?!」
(少し何か話していたけど、二人でどこかに立ち去る)
コウ「シーブックは行った?」
アムロ「ああ、やっとこさ、ね」
コウ「今日は妙に甘いね(笑)」
アムロ「そうか?まあ、学園祭の時くらいはね」

(帰宅)
シーブック「ただいま」
ジュドー「お帰り。首尾はどうだった?」
シーブック「うるさいな~。けど、ありがとうな」

-終-


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最終更新:2017年05月28日 21:34