夜、ヨーツンヘイム社の一区角に明かりが灯っている。
もう殆どの社員は帰宅しており、今残っているのはオリヴァー・マイとモニク・キャディラックのみであった。
二人は向かい合って、お互いの机に置かれたパソコンで作業をしていた。
「ふう…これで終わりだ……モニク大尉、お疲れ様です」
「ああ…お前もご苦労な事だ…」
当たり障りのない会話を交わす二人。
しかし、この時キャディラックは一つの決意を胸に秘めていた。
「……マイ?」
何時もとは違った、媚びたような声に驚くマイ。
振り返ったその時……
「んんっ!?む、むががが」
「ん……チュッ…クチュクチュ」
「な、なに……んむ…や、やめ……」
強引に押し倒され、椅子と共に倒れ込み背中を打つ。
しかし、それを構いもせずにキャディラックの舌が口内に入ってくる。
お互いの舌がマイの口内で絡み合い、クチャ、クチャと淫靡な音が誰もいないフロアーに響く。
暫くした後、キャディラックは自ら口を離した。唾液が糸のように垂れる。
「マイ…私は…お前の事がずっと、ずっと…好きなんだ……だが、お前は私の気持ちに気付いてくれない…」
意外な展開、意外な告白に茫然とするマイ。
心なしか彼女の声は涙声になっている気がした。
「だから…だから…こんな事を……ッ…うっ……ううっ……」
涙が頬を垂れ、マイの顔にかかる。
それを拭き取りながら、鳴咽を漏らすキャディラックの髪を優しく撫で、優しく微笑んだ。
「全く知りませんでした…これほどまで思いつめていたんですね」
「ぅ…お前が……お前が鈍いから……っ!」
「気付かなくて申し訳ありません。ですが、僕も貴女の事を……」
「マイ…気休めはよしてよ…こんな事をする女を…好きな男がいるはず……ないじゃない…」
「いいえ。僕の殺人級の鈍感さが悪いんです。嫌悪などするはずがありませんよ」
鳴咽を止めるキャディラック。
まだ涙が浮かぶ目でマイをジッと見つめた。
「ほ、本当……か?本当…に私の事を……?」
「始めはきつい上司としか思っていませんでした。しかし…ある日、貴女のキツさは仕事に対して持つ誇りから来るものだと知りました。
そして、いつしか尊敬は好意になり、いつしか貴女を好きになっていたんです。まぁ…こんな事をされるとは思いませんでしたけど。アハハハ」
「マ……マイ…ならば…その……わ、私を…女にしてくれないか…」
「ふふっ、意外と大胆なんですね。こちらこそ…お願いします」
立ち上がってスーツのボタンを外してゆくキャディラック。
マイはそれを眺めながらズボンを……
シーマ「……という展開はどうさね?」
モニク「ただの痴女ではないかっ!!!」
最終更新:2013年09月23日 21:16