889 名前:恋とはどんなものかしら 1 :2008/11/20(木) 00:28:51 ID:???
エルヴィン「姉さん、その資料なら僕が取るよ!」
モニク「大丈夫よ、これくらい」

エルヴィンが心配そうに見ている前で脚立の上で爪先立ちになり、モニクは棚の一番上に
積み上げられた資料に手を伸ばす。

モニク「まったく、なんで今更こんな資料が必要なのかっ・・・!?」
エルヴィン「姉さん!!」

 手にした資料の意外な重さにバランスを崩し、脚立から落ちるモニク。

ホルバイン「・・・・・・弟にあまり心配かけんなよ」

 背中から床に落ちようとしていたモニクを間一髪で受け止めたのは、珍しく社内にいた
 ホルバインだった。
エルヴィンは安堵のため息とともにへたり込む。

モニク「海兵!・・・す、すまんな」
ホルバイン「へっ、どうってこたぁねえ」
マイ「キャディラックさん、この書類ですが・・・っっ!?!」

 丁度そこにやってきたマイが目にしたものは、ホルバインに抱きとめられ頬を染めている
 モニクの姿だった。
その場にはエルヴィンもアッガイたんもいたのだが、座り込んでいたためデスクに隠れて
 マイからは見えず、経緯を知らないマイからすればいわゆるオフィスラブの現場ように
見えた。

マイ「す、すすすすスミマセン、僕は何も見てませんからっ!!」

 慌てて駆け去るマイ。
モニクの顔からみるみるうちに血の気が引いて行く。

モニク「誤解だ!誤解なのよマイ!!!!!!」

 今まで身体を支えてくれていたホルバインを突き飛ばしマイを追いかけるモニク。

エルヴィン「・・・・・・なんていうかすみません、ホルバインさん」
ホルバイン「・・・気にすんな・・・」

がっくりと肩を落としたエルヴィンをアッガイたんがよしよし、と慰めていた。

890 名前:恋とはどんなものかしら 2 :2008/11/20(木) 00:29:28 ID:???
ジュドー「あれ、マイ兄、早いじゃん。もう仕事終わったの?」
マイ「・・・いや・・・うん。ちょっと今、会社に戻りたくないんだ・・・」
ジュドー「仕事命のマイ兄が!?大変だー!!みんなー、マイ兄がおかしくなったー!!」


ロラン「一体なにがあったんですかマイ兄さん」
マイ「・・・個人のプライベートに関することだから、それはちょっと・・・」
アムロ「だが、原因がわからなければ相談にも乗れないぞ」

いつになく覇気の無い顔をしたマイを兄弟が揃って心配そうに見つめている。

シロー「デュバル氏がザクに乗り換えようとでもしたのか?」
マイ「世界が滅びようともそれはない」
セレーネ「じゃあ何よ。カスペンさんがジーク・・・でもしたの?」
マイ「いえ、カスペン部長は今日も元気でした」
ドモン「ならば何だ!はっきり言ってくれ兄さん!!」

ダン!とちゃぶ台を叩くドモンにビクリと肩を震わせ、マイはしぶしぶといった具合に口を開く。

マイ「実は、今日、会社で・・・キャディラックさんとホルバインさんが、その・・・」
シーブック「その二人が?」
マイ「・・・だ、抱き合っていたんです・・・」
全員(マイを除く)「「「「「「「ねーよ」」」」」」」 
マイ「な、なんだい皆して!?僕はこの目でしっかりと見たんだ!!」
アル「あのさぁ、それって・・・」
ガロード「転びそうになったモニクさんを漁師の兄ちゃんが助けたってだけなんじゃない?」
シン「そうそう。たぶんそうだね、絶対」
マイ「違う!?それならなんでキャディラックさんはホルバインさんを見つめて赤くなっていたんだ!」
アムロ「ほう、お前、モニクさんの様子をしっかりチェックしていたんだな」
マイ「えっ・・・い、いや、それは・・・」
セレーネ「ふぅーん、ほほぉーう」(ニヤニヤ
カミーユ「なんだかんだ言って、彼女のこと気にしてたんじゃないですか」(ニヨニヨ
キラ「マイ兄さんの早とちりだよ。やめてよね、そんなことで落ち込むの」
シュウト「大丈夫だよ、マイ兄ちゃん!」
キャプテン「キャディラック嬢とホルバイン氏との恋愛関係は100%無いと断言する」
マイ「だけど!」
アムロ「いやいや、兄さんは嬉しいぞ。お前がそんな風にモニクさんを気にかけていたというのはな」
マイ「ち、違いますよっ、僕はっ・・・」
シーブック「隠さなくってもいいって」
ロラン「自制も大切ですが、たまには自分の気持ちに素直になるのもいいことですよ」
ウッソ「照れなくっても大丈夫ですよ、誰かを好きなことって素敵なことじゃあないですか」
マイ「だ、だから・・・」
ジュドー「ここまで来て意地張るなって!」

 兄弟から暖かく笑顔で詰め寄られ、追い詰められたマイが大声を上げる。

マイ「僕はっ、僕は・・・あの時キャディラックさんに嫉妬していたんだ!!!!会社で業務中に私情を
   挟んで社内の仲間にそんな感情をもつなんて、僕は、なんて情けない男なんだ!」


891 名前:恋とはどんなものかしら 3 :2008/11/20(木) 00:30:54 ID:???
その声に、一家全員が静まり返った。

アムロ「・・・はい?」
シロー「・・・今、なんつった?」
マイ「ですから、嫉妬していたと・・・」
セレーネ「・・・誰に」
マイ「・・・え?ですから、キャディラックさんを抱きしめてたホルb」

はた、とマイは自分の言い間違いに気づく。
  × → キャディラックさんに嫉妬していた
 ○ → ホルバインさんに嫉妬していた。


ギンガナム「今日もご飯をいただきに来たのであーる!!だが、ついさっき、ヨーツンヘイム社
      ツンデレ嬢が玄関から勢いよく飛び出していったが何かあったのであるか?」
ジュドー「ちょ、ええええええええええええええええ!?タイミング悪っ!!!」
ガロード「絶対さっきの聞いたよね聞いたから飛び出してったんだよね!?」
マイ「待って!!キャディラックさん、待って!!!」
シーブック「なんていうか・・・」
ウッソ「道のりが余計遠くなっていった気がします・・・」
アムロ「まあ、マイもモニクさんのことを気にかけているってことがわかっただけでもよしとしよう」



モニク「このうじむしぃぃぃぃぃーーーー!!!」
ホルバイン「じ、じいさんは・・・何も言ってくれない・・・海が波立っていやがるっ・・・」

その後、ヅダに追い掛け回されるゼーゴックの姿があったとさ。

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最終更新:2013年09月23日 22:07