暮れも押し迫った街角に、フェルトは立っていた。
「ん、
年賀状はこれでよし、後は・・・」
その手には、一通の封筒がある。
(ロックオン、どんな顔するかな?)
「お、フェルトじゃないか?」
「ロックオン!
どうしたの、その格好?」
そこには郵便制服に身を包み、
バイクに跨がったロックオンがいた。
「ああ、これか?昔なじみに頼まれてな。な、デュナメス?」
『ネライウツ!、ネライウツ!』
「バイクが喋った!?
あれ、でもこの声・・・」
「お、判ったか?
ハロをナビに積んでるんだ。
ああ、そうだ。
手紙を出しに来たなら預かろうか?」
「ううん、こ、これは自分で渡したいから・・・」
「?、そうか、判った。それじゃな」
「そうだよ・・・、自分で渡さなきゃ」
遠ざかる背中を、フェルトはいつまでも見詰めていた。
最終更新:2013年09月27日 21:38