アムロ 「また来たぞ・・」
コウ  「・・ヒイロになんでしょうね・・また・・(ゲッソリ)」

女の子1「あの・・ヒイロ様はいらっしゃいますか?」
アムロ 「出かけてて、今いませんよ」
女の子2「そんなー!せっかくじかに手渡せると思ったのに!!」
女の子3「私たちヒイロ様にチョコレートを作ってきたんです。渡して頂けますか?」
コウ  「あーー分かりましたから、お帰りください(フゥ・・・)」

女の子達から預ったチョコレートを側のダンボールに入れるアムロ。
玄関の脇には「ヒイロ」と名前が書かれたダンボールがすでに山と積まれている。
それは全て『宅配』『押しかけ』等でヒイロに来たチョコレートが入ったものである。

アムロ 「なんで俺たちがこんな事をしてるんだ?」
コウ  「さぁ・・・今日は出かけた方が良かったですよ」
アムロ 「俺はそろそろ出かけるぞ、後は頼んだからな」
コウ  「そんな!アムロ兄さん!!」

配達員 「こんにちはーヒイロ・ユイさんにお届け物ですー」
コウ  「あぁ・・・・」

リリーナ「あの・・ヒイロ、これ受け取って下さいますか?」

リリーナの手には、綺麗にラッピングされた小さな箱があった。

ヒイロ 「(分かってるけど)なんだ?」
リリーナ「もちろんチョコレートですわ、わたくし一生懸命作りましたのよ!!」
ヒイロ 「・・・お前が作ったのか・・・??」
リリーナ「ええ。色々失敗してしまって、本とは違った出来上がりになってしまいました」
ヒイロ 「(イヤーな予感)」

リリーナは料理が下手である。
今まで「お手製」と名のつく物をいくつか食べさせられたが、一度としておいしい物はなかった。
しかもヒイロは何度か中毒を起こして入院しかけた事もあった。

ヒイロ 「わざわざ作らなくても、俺は買ったもので十分なんだが・・」
リリーナ「そんな、遠慮しないで下さい!手作りはヒイロだけなんですのよ」
ヒイロ 「・・・という事は・・・?」
リリーナ「お兄さまにも差し上げようと思ったのですが、アイナさんとデパートへ行った時に
     偶然会ったセイラさんに『本命の人にだけ上げればいいのよ』とおっしゃっていたものですから・・・」
ヒイロ 「ゼクスにはないのか・・・?」
リリーナ「ええ、カードだけ送りました」

そこまで言われて食べない訳にはいかなくなったヒイロ。

ヒイロ 「とりあえず開けさせてもらう・・」

箱を開けると丸いトリュフが4つ、外見上は異常がないように見える。

リリーナ「さっ召し上がってください!」
ヒイロ 「(これは任務だ、任務だ・・任務了解・・)」

とりあえず1つ手にとって勢いよく口に放り込んだヒイロ。

ヒイロ 「!!!!」
リリーナ「どうかしましたか、ヒイロ?」
ヒイロ 「・・・聞かせてくれ、チョコに何を入れた・・・?」
リリーナ「えっと・・・今のには『蜂の子とキムチ』ですわ。おいしくありませんでした?」
ヒイロ 「・・・参考までに聞いておく。あと3つの中身はなんだ?」
リリーナ「『熊の手とハラペーニョ』『サルの脳みそとココナッツミルク』
      『マグロの目玉にメープルシロップ』ですわ」
ヒイロ 「・・・お前はどうしてもこれを食べろと言うんだな・・・」
リリーナ「勿論ですわ、ヒイロの為に心をこめて作ったんですもの!」

それを聞いたヒイロは目を閉じて心の中で10数え、おもむろに3つまとめて口に放り込んだ。

ヒイロ 「!!任務完了!!帰らせてもらう!!!さようなら、リリーナ!」
リリーナ「??ヒイロ??ちょっ・・待ってください!」

アムロ 「ヒイロは帰ってきてから部屋から出てこないのか?」
ドモン 「なんか布団を被って唸っているが・・・」
ロラン 「リリーナさんのチョコ、手作りだったんですね・・・」
アムロ 「あまり様子が変だったら、病院へ連れて行け」

終わり


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最終更新:2018年10月26日 09:13