バレンタイン前日…。
二コル「はぁ…。」
イザーク「どうした?二コル。」
ディアッカ「もっとグゥレイトに行こうぜ。」
二コル「…はぁ…。」
イザーク「まさか、去年のアレ思い出してるのか?」
ディアッカ「アレは…ジーザス!!」
二コル「そっちじゃなくて…。毎年、もらえるチョコの量が常識を超えてるから
困ってるんですよ。去年なんか、学校であんな事件があったすぐ後なのに家の前の
ポストがチョコで埋まっていて、更にポスト前にも山積み…。更にそれが続いて、
三日経つとそれこそ冗談抜きに洒落にならない量が…。ホワイトデーにお返しをするにも、
住所が全国範囲だから洒落にならないし…。仕方なく近所だけ返しましたが…。それでも100万は…。」
今年はポストは封鎖、宅配便類は11日から16日まで完全拒否、深夜0時前にある家に
逃げ込ませてもらって、家ごとミラージュコロイドで隠蔽…するつもりですが、それでも
学校の靴箱が恐ろしい事になりそうで…。」
イザーク「贅沢な悩みだな…全く。俺なんて前回は…。」
ディアッカ「グゥレイト、羨ましいぜ…。」
アスラン「…カガリもラクスもいない…。ラクスは芸能活動関連なのは重々承知してるけど…
カガリは…一体…。」
キラ「はぁ…二月になって急にラクスがいなくなっちゃって寂しいな…。メールでのやり取りはしてるけど…。」
トール「ミリィもいないしな…。」
サイ「今年は前と違ってフレイからもチョコもらえるかな…。」
キラ「去年はごめん…。僕…。」
サイ「気にすることはないさ。もう良いんだよ。」
キラ「ありがとう…。」
クライン邸
ラクス「アスラン用とキラ様用は手作りチョコ、後一部の熱狂的ファンが集まってくる可能性
も示唆して義理チョコを…。」
カガリ「まだアスランの事好きだったのか?私のせいで…すまないな。」
ラクス「…そういうわけではございませんわ。今はアスランのことはあくまで友達として…ですもの。
それに…元々政略的婚約でしたから…。」
カガリ「…そうか…。そう言ってくれると気が休まるよ…。ところでこの金のと藍色のは…。」
ラクス「金箔とブルーベリーですわ。アスランの方に入れるための…。」(お二人の髪の色…ですもの。)
カガリ「…そうか…。ところで…。そこの木箱…」
ラクス「…これに関しては秘密ですわ。」
カガリ「…分かった。」
…バレンタイン当日前夜…二コルが来た。
二コル「こんばんわ。」
キラ「二コル…。どうしたの?」
二コル「…自分の家にいると来るチョコの量が尋常じゃないから…。」
キラ「…なるほど…。泊まって行く?」
二コル「お願いします。」
因みに、キラはネット上で金髪少年として実名は知られてないとはいえ、
名を馳せている事をすっかり忘れていた。明日…悪夢がおとずれる。
ガロード、ジュドー、ウッソと共に二コルのミラージュコロイド関連の話を聞き、そのまま爆睡して
明日になる。
…朝、1階に下りてくると…地下にダンボールが二種類、3箱位あるのが見えた。
二コル「…まさか…。」
キラ「いや、ヒイロだよ。多分。」
二コル「…だと良いんですが…。」
アムロ「そうでもないぞ。」
キラ「…え?」
アムロ「妙に企業名を強調する連中が大量にキラに送ってきた。それだけならいいのだが…
金髪美少年へ…という意味不明なのが数名いて、ウッソとSモードドモン
の写真を見せても違うといっていたので恐らくお前だろう。その証拠に
カガリ嬢に似た人物の写真を逆に見せられたときもあった。ちなみに今の所
ヒイロと良い勝負だぞ。」
二コル「…僕の時並ですね…このペースは…。」
キラ「…そ・・・そんな…。」
アムロ「ちなみにお前ら二人以外のはまだとどいていない。取り合えず朝食…だな。
ヒイロとお前はあのチョコをできる限り早めに食べきってくれ。」
キラ「…はい…。」
学校へ向かう途中はミラージュコロイドを使っていた為、二コルもキラも
チョコは受け取らずにすんだ。そしてかなり早い時間帯、学校で…。
イザーク「早めに登校はしてみたけどどうせチョコなんて……一つだけあった~」
ディアッカ「お前にあるなら俺にも…一つだけあった~グゥレイト!」
イザーク「早速開けてみようぜ。」
ディアッカ「そうだな。」
…あけたと同時に与圧してあった箱の中から豚の血が吹き出し、イザークとディアッカ
の服などにかかる。
イザーク「…にゃにぃ?」
ディアッカ「ジーザス!…まだ時間はある、家に戻って着替えてこようぜ。」
イザーク「血のバレンタインの再来…か。…そうだな。」
カズィ「…報告するよ。二人引っかかったよ。放課後用にもう一度セットしておくから。じゃぁ。」
フレイ「二人…。ラスティとミゲルに続き四人目ね。調子は上々ね…。メインの計画の引っ掛け文書作戦はどうなるかしら?」
二コル「…この下駄箱が怖いんですよ…。…これは!」
キラ「…うわっ…。」
二コルの下駄箱内は5円チョコで埋め尽くされていた。
二コル「どう見ても義理チョコ…こんな悔しい思いをしたのは初めてですよ…。」
キラ「…僕の所は………ラクス!?…じゃないな。」
アスラン「…どう見てもラクスっぽいが…。…俺の下駄箱はなし…と。」
キラ「…見た目は普通の箱に、≪キラ様へ…Lacus Crain≫とあるけど、
明らかにラクスのサインと違うんだよ。」
アスラン「…サイン会の時のサインと同じだぞ。」
キラ「…今年に入ってからラクスがサインの書き方変えたらしいんだ。で、これが昔のサインだから…」
アスラン「あの女の偽装…か。」
キラ「そういう事。でも家で頂くけどね。貰って捨てるのは失礼だし。」
アスラン「…そうだな。変な混ぜ物がしてあるかもしれないから気をつけろよ。」
キラ「…わかってるよ…。」
カズィ「二コルは引っかかって、キラは蓋を開けずに気がついたけど受け取った。アスランは黙殺してた。」
フレイ「…わかったわ、ありがとう。」(蓋を開けずに気がついた?…それで受け取ったって事は…。)
㍉アリア「トール、これ…。」
トール「お、さんきゅ。…ん…おいし~」
㍉アリア「もう…一口で食べちゃって…デリカシーがないんだから…。美味しかった?」
トール「…ああ。…これ、手作りでしょ。程よくとろけて最高だったよ。」
㍉アリア「ありがと。」
サイ「…(´@ω,)」
フレイ「…サ~イ、これ。」
サイ「…(キター━━━(@∀@)━━━) ありがと、フレイ。」
フレイ「…じゃ、食べてね。じゃね。」
サイ(我が世の春がキター━━━(@∀@)━━━)」
夕方4時頃
アスラン「…はぁ…。」
キラ「…今日も…」
アスラン「2人とも来なかったな…。」
キラ「他の人達からはもらえたけど…。」
アスラン「やっぱり…ね。」
キラ「…帰ろうか…アスラン。」
アスラン「…ああ…。」
帰宅中…。偶然アスランはラクスに出会う。
アスラン「…ラクス?今日は学校に来なかったみたいだけど…。」
ラクス「お二人の為にチョコを用意していたら時間が間に合わなくなってしまって…。」
アスラン「お二人…って僕にも?ありがと……。」
ラクス「これですわ。…あ、私はこれから行く所がありますので…。」
アスラン「…キラの所に…行くんだろうな。俺がカガリに傾いたのが悪いのに全然怒ってない…。
ラクスは優しいな…やっぱり。…中身は…。」
中身には、人型のチョコ二人が並ぶ形のチョコが入れてあった。片方は頭髪部に金箔、
もう片方はブルーベリーである。
アスラン「…なるほど、そういう意味…か。2人の仲を祝福…。後でカガリに見せてあげよ。」
アスラン(カガリ…どうしたんだろう…ってあれ?家の前に…車が?)
そして、車から金髪の何者かが顔を出し、ポストに何かを入れる。
アスラン「…??」
アスランは急いで駆けて行った。
カガリ(ばれちゃった…?参ったな…。)
アスラン「…やっぱり…カガリか。」
カガリ「……。」
アスランはポスト内を探りながら
アスラン「そんな恥ずかしがらなくてもいいよ…。これかい?」
中を覗くと、少し形が歪なハート型で、真ん中に金色の文字を入れようとして大失敗
したようなチョコが見えた。アスランは少し齧ってみる。
カガリ「…すまない。これでも私なりに…。」
アスラン「…美味しいよ。…気持ちが篭ってて。」
カガリ「…え?そうか?」
アスラン「…ありがとう…。カガリ。後、ちょっと見て欲しい物があるんだけど…。」
そう言ってラクスに先程渡されたチョコを見せる。
カガリ「…これは?」
アスラン「ラクスに渡された物なんだけど…多分、俺たちをイメージした物だと思ってね。
もしそうなら二人で半分ずつ食べたほうがいいかと思ったから」
カガリ(…あいつ…。それで秘密って…)「…分かった。頂くよ。」
…キラは取り合えずチョコから逃げているにこると共にミラコロ展開で家に戻る。
コウ「…やっと来たか・・・キラ…。」
キラ「…え?」
コウ「お前のとヒイロのチョコが多すぎて既に地下の収納庫はMS収納庫を覗いては一杯一杯なんだよ。」
キラ「…ええええ…!所でラクスのチョコはきた?」
コウ「来てないぞ。一応。所で、チョコをアルが欲しがってるんだけど、あげていいか?」
キラ「うん。別にいいよ。後、この鞄の中の(注=フレイの含む)もいいよ。…メール?…じゃ、僕行ってくるね。
二コル、今日も泊まると思うけどよろしく。」
コウ「…分かった。」
二コル「…キラも大変ですね…。」
コウ「羨ましい限りだよ…。」
キラ「確か指定されたのはここのベンチだけど…。」
ラクス「…キラ。」
キラ「…ラクス?声だけは聞こえるけど…。」
ラクス「…このままキラの家に…行っていいでしょうか?外でやると危険かもしれませんから。」
キラ「うん…いいけど…。」
ラクス「嬉しいですわ。では家でお渡ししますわね。」
そのころ家では
コウ「何でキラやヒイロばっかりあんなにもてるんだよぉぉぉ!!」
ヒイロにも許可を貰い、キラとヒイロの貰ったダンボール内のチョコを猛スピードで食べ尽くしていく
コウの姿が見られたがそれは又別の話。
そして、恒例の如く3階の窓から入り、キラの部屋で…。
ラクス「これですわ。キラ。」
キラ「あ…僕も、誕生日にこれ渡せなかったから今…。」
ラクス「これは…?」
キラ「ネットオークションで落札した指輪なんだ。破格の安値で落とせそうだったから…頑張ってみて、
成功したんだ。ちょっと大変だったけどね。」(サーバーにハッキングかけて超高級品を不正に値下げしたんだけどね。)
ラクス「…嬉しいですわ…キラ。」
キラ「…こっち…開けてみて…いい?」
ラクス「勿論ですわ。」
中からは木彫り細工が出てきた。
(尚表面には某OPで、下と上にキラとラクスが流れているシーンの)
キラ「…この木箱…もしかして…。」
ラクス「彫ってみたんですの。仕上げは人に頼みましたが…途中までは…。
因みに中のたくさんの小型チョコも手作りですわ。」
キラ「…ありがとう…。この箱は大事にするよ…。後チョコ…美味しいね・・。」
ラクス「…私も、これ…大事にしますわ。」
因みにこの日、二コルがミラージュコロイドでこの場面を見ていて、遠慮してアスランの家に泊まりに行ったのは別の話。
尚コウはダンボール積めのチョコを殆ど食べ尽くして鼻血を出してぶっ倒れた。
裏エピソード
フレイ「…私のところにチョコ…?誰かが間違えて入れたのかしら?取り合えず開けて…って豚の血?
…なんで私のところにはいってるのよ、カァァァァァズィイイイイ?」
カズィ「僕はそこには入れてないよ。」
フレイ「嘘おっしゃい、お仕置きよ。」
アスラン(俺を引っ掛けようとした罰だ。)
最終更新:2018年10月26日 09:12