2月14日のバレンタインデー、
月の女王であるディアナはソレイユで地球に降下していた。
ディアナ「参りますよ。ミラン執政官」
ミラン「ハハッ……」
リュックサックに大量のチョコを積めたミラン執政官がディアナの後に続く。
月と地球の友好を図る為、バレンタインデーという
黒歴史からの
風習を利用してお世話になっている方々へチョコレートを贈ればよいではないですか……。
そんなディアナの気まぐれな一言から始まったディアナの無作為チョコ配布キャンペーンが始まったのである。
ラーカイラム社にて、
アムロ「え?僕に……ですか?」
ブライト「私にも?……」
アストナージ「こりゃ、珍しい。月製のチョコですか~美味そ~♪」
ディアナ「ディアナの名の元に、月と地球の友好の為にも受け取って頂きたいのです。よしなに」
ケーラ(なにさ!アストナージの奴。デレデレしちゃって)
チェーン(アムロ部長……。私もチョコを持ってきたのに……渡すタイミングが掴めない)
08分署にて、
シロー「月の女王様から貰えるなんて……、有り難う御座います!嬉しいです!」
サンダース「ほ、本官にも?……で、ありますか。誠に幸せであります!」
ミケル「僕にもですかぁ?」
ディアナ「常日頃のご公務、ご苦労様です。ディアナの心ばかりの気持ちを受け取り下さい。よしなに」
GF御用達のトレーニング場にて、
ドモン「トレーニング合間の負荷回復にはチョコの栄養価が有効なんだ!早速戴きます……モグモグ」
アレンビー「わぁ~!!私の分もあるの!?美味そ~……モグモグ……甘いぁ~~い!!(*^v^*)」
チボデー「ありがとうよ!お嬢さん!!……モグモグ……いけるよぉ、このチョコ!!」
ディアナ「みなさんに早速召し上がって貰い、私も遥々来たかいがありました」
レイン(モゥ、ドモンたら……私も用意してたのに……、あげないんだから)
大学ラグビー部部室にて、
コウ「ぼ、僕に?……勿論有り難く貰いますよ!(良かった……忘れられなくて)」
キース「僕にも?……ありがとうございます!!」
モンシア「嬉しぃ~~俺にもくれるんですか!!流石、女王様!!」
ディアナ「皆さんとは特に面識も御座いませんがこれを期に月と地球の…(略)よしなに」
シーマ(チィ、私が渡す前に飛んだ邪魔が入っちまったよぉ……。
余所の金髪女からチョコを貰ってるのを見るのはムカつくねぇ。コウ!!覚えてなぁ)
学園にて、
カミーユ「月の女王様のチョコ。戴きますよ(これで10個目か……今年は思ったより不作だな)」
カツ「ぼ、僕の分は無いんですかぁ!?」
ディアナ「(微笑)フフッ、慌てなくともちゃんと貴方の分もありますよ」
ファ(カミーユ……、毎年一杯貰ってるわね。私のは要らないんじゃ……)
ジェリド「う……ん、悪いけど、このチョコは美味しくないねぇ。俺が本当のチョコの味を……」
マウアー「ジェリドさん!!(又、この人は…食べ物にケチをつける病気が始まった……)」
ディアナ「まぁ!?初対面の者に向かい、なんと無礼な態度!!逝ってよしなに」
シーブック「ナ、ナントォォォォオオオ!!!僕に!?……いいんですか?」
ディアナ「勿論(微笑)」
セシリー(……シーブック、あのチョコを渡してる金髪の人は誰?……私はどうしたらいいの……)
キラ「……有り難う御座います」)ガクガクブルブル
ディアナ「甘いモノはお嫌いでしたか?」
キラ「い、いえ……少し寒気がして……誰かに見られているような……」
ディアナ「それはいけませんね。健康管理は大切な事ですよ。お身体の方、よしなに」
フレイ(キラ!!私というモノがありながら………許せない!!あの金髪女も覚えておきなさい!!)
ヒイロ「………確かに貰った」
ディアナ、無反応さに戸惑い「 (;゚ -゚) あ、あの…………………………、と、兎に角、よしなに」
ガロード「お!これ全部くれるのを!?」ディアナの持ってるチョコの沢山入った紙袋をみて
ディアナ「え?違いますよ…………ああ、そんなに一杯掴んでは………やれやれしかないのない人ですね」
ガロード、チョコを手掴みで取れるだけ手にし、口の中に放り込む「モグモグモグ……(ありがとうね!)」
ディアナ「鼻血にお気をつけて、よしなに」
ティファ(……ガロード、駄目よ………、そんなに……一度に食べては………糖分過剰摂取で倒れてしまう……)
ウッソ「僕にくれるんですかぁ!?わぁ~ありがとうございます!!」
ディアナ「(この子は多少、マトモそうですね)フフッ、喜んで貰えると私も……」
ファラ「ウッソ、アタシの前で他の女に気を取られるのかい。それは目の前の女に対して無礼であろうが!」
ウッソ「(;゚Д゚) ……フ、ファラ先ぇ生!?うわぁぁぁああ~~ああ!!ぐぶっ…ぐわぁ」
ファラはスイカ大の大きさの鈴形チョコをウッソの口に無理やり押し込む
「そら、そら、そら、そら……アタシが丹精こめて作った手作りチョコをたぁ~~んと味わいな!!」
ジュンコ「そこ!抜け駆けはさせないよ!!」
チョコを渡す為、学園に来ていた趣楽隊の面々とファラとで、ウッソを巡るつかみ合いの喧嘩が始まる。
その混乱を尻目に……
ディアナ「( #・∀・)ミ、ミラン執政官……今のウチです!離れましょう……」
ミラン「( #・∀・)そうですな……」
学園を出て、
近所の商店街を歩く際中も、様々な人達へのチョコ配布は欠かせなかった。
カロッゾ「ふはははははは!私にチョコをくれる異性は娘を除き、ナディア以来だがなあ!!(∩Д`)゚。」
ディアナ「貴方のパンの評判は月まで響いてきています。これからもお仕事の方、よしなに」
記者フラン「ディアナ様が!!私にチョコを下さるのですか!?ス、スクープモノだわ!!」
ディアナ「これからも月と地球の掛け橋を勤めて下さいね、よしなに」
ギレン「ほう……、面識が無い人からでもチョコが貰えるのは嬉しいぞぉ!!国民!!」
ディアナ「私は貴方の治める国の民ではありませんが……、よしなに」
グエン「私に渡すチョコは無いと仰る!?それがディアナ=ソレルのやり方か!!」
ディアナ「貴方はロランから貰えればそれでいいのでしょうに……
ホモセクシャルに配るチョコなど、このディアナ=ソレルは持ち合わせていませんよ」
グエン「なぁ!?………」
ミラン「姫様……お言葉が過ぎますぞ!!」
ディアナ「あら!?」
ミラン「どうしました?」
ディアナ「ハリーがそこに居ました。ハリー!!ハリー=オード大尉!!」
ハリー「( ゚д゚)ハッ!…… デ、ディアナ様ぁ!!お久しゅう御座います!!」思わず、方膝を付き、頭を垂れる。
ディアナ「久し振りです………。ハリーよ。地球での暮らし振りはどうか?」
ハリー「ハ、ハッ……………そ、それは(まさか、ここで
ロラン君を追いまわしているとは言えまい)
もう、日夜、月と地球の友好の為に粉骨砕身、尽しております」
ディアナ「そうですか……そうそう、丁度良かった。序ですが貴方にもチョコをあげましょう」
ハリー「(;゚Д゚) ほ、本当ですかぁ!?身に余る光栄です……」
ディアナは少し意地悪な顔付きになり
「ところで…………、私とキエルさんのチョコでは、どちらが欲しいのですか?  ̄ー ̄)ニヤニヤ」
ハリー「ぐぅ………、そ、それは当然……、ディアナ様から戴けるモノに決まっています!!」
ディアナ「ホゥ……………そうですか(少し優越感に浸り)それでは……………、
ロランのチョコと、私のチョコではどちらが宜しいんでしょうね  ̄ー ̄)ニヤニヤ」
ハリー「ぐぅ…………………、そ、それは…………その………………」大量の脂汗が噴出し、固まってしまう。
ディアナ「さぁ、ドチラです?………答えなさい!ハリー=オード!!」
ハリー「…………………………そ……、その…………ですね……」
ディアナ「さぁ!!ドチラか?」(ハリーをからかうのは毎度の事ながら面白いです  ̄ー ̄)ニヤニヤ )
ハリーは結局、答えを出せず、ディアナとのヤリトリは30分超、続いたとか……
そうこうしている内に日も落ちて、夕方に。
ディアナ「ふぅ……、少し疲れました。ロランの家で休みましょうか」
ミラン「(リストをチェックしながら)大体の方々には配り終えましたし、一息つきますか」
兄弟宅にて、
ガラガラガラ~~ッ
ディアナ「ロラン!居るのでしょう?勝手に上がらせて貰いますよ!」
ロラン「わぁ~~ディアナ!?どうして急に………」
と、ロランが言い終わらない内にズカズカと玄関に入り、ブーツを脱ぎ出しているディアナ
ミラン「お邪魔しますよ。ロラン君」
ロラン「ミラン執政官まで?」
居間、ちゃぶ台でロランの淹れてくれたお茶を啜るディアナとミラン執政官
ミラン「(略)…という訳で、ディアナ様と私は一日中、チョコを配り歩いていたのです」
ロラン「はぁ~~~……大変ですね。お勤めご苦労様です」
ディアナ「あ、そうそう。ロランの分もあるのですよ。さぁ、どうぞ……、
あ、コチラの小さい方はアル君に渡してください」
ロラン「……デ、ディアナ様からチョコを貰えるなんてぇ……、夢みたいですよ!! (*´∀`*) 」
ディアナ「それ程までに喜んで貰えるとは……渡し涯があります。宜しければ早速召し上がって下さい」
ロラン「ハ、ハイ!!……モグモグ……ディアナ様の下さったチョコ……お、美味しいですぅ 。゚(´Д⊂ヽ゚。 」
感激の余り、泣きながらチョコを頬張る。
ディアナ「あらあら、ロランたら、口の回りにチョコのお髭がついてますよ(微笑)」
ディアナの気まぐれで始まったチョコ配布キャンペーンは
若干のトラブルの種を撒き散らしながらも、成功したかに思えた。が………
翌日、
08分署に『商店街で独りの暴漢が激しく暴れ回っている』との通報が入り、
所轄であるシロー達が現場へ急行していた。
08分署、署長室内。
マリガン刑事「リリ署長!!た、大変ですぅ!!街に暴漢が現れて……」
リリ署長「分っています……。どうせ、ギンガナムでしょう?シロー達を向かわせましたよ
ムーンレィスってなんでもかんでも暴れれば済むと思ってるのよね」
マリガン刑事「噂によると昨日のバレンタインデー。
ギンガナムはチョコを貰えなかったからヤケになって暴れているとか……」
リリ署長「ギンガナムがそんなに可愛い訳ないでしょう ┐(´ー`)┌ 」
しかし、マリガン刑事の推測は正しかった事が後で分る事に
ギンガナムが暴れ回っている商店街周辺、
看板も壊され、ウインドウも割られ、ロス暴動さながらの甚大な被害を受けていた。
ミケル「うわぁ……こりゃ酷いやぁ……」
サンダース「隊長!!奴を止め為には警棒では無理です。発砲許可を願います!!」
シロー「取り敢えず、俺が説得してみる……。ギンガナム!!もう暴れるのは止めろ!!何がそこまでお前を駆り立てる……」
ギンガナム「あああ!?貴様等はいいよなぁぁぁああ!?ディアナからチョコを貰えたんだろうぉぉぉおおがぁああ!!!」
シロー「ま、まあなぁ……。けど、ディアナさんは歩き回ってそこいら中の人達にチョコを配ってたぞ?ナア?」
サンダース「その通りだ。ディアナさんのチョコは美味しかったぞ!ギンガナム!!」
ミケル「僕も貰えたけど……。(゚Д゚;) あ!?もしかして…………」
ギンガナム「その通りだよぉぉおお!! 。゚(´Д⊂ヽ゚。
お前等にチョコを配ったのがディアナなら、私にチョコをくれないのもディアナなのだ!!
ディアナ=ソレルは私に労いの言葉ひとつ無くぅぅう、月へ帰っていたんだよぉぉおお!! 。゚(゚´Д`゚)゚。。 」
その頃、月の都市。冬の宮殿にて、
ディアナ「…………」
ミラン「ディアナ様、どうなされました?」
ディアナ「何か…、一瞬……、思い出しかけましたが…………や、気のせいでしょう。ミラン執政官。今日のおやつは何か?」
地球で暴れているギンガナムの原因が自分に有るとは露とも知らず、
おやつはアンミツが食べたいです。よしなに……と。思いを馳せるディアナ様だったのです。(終)
最終更新:2018年10月26日 09:22