このごろヒイロの様子がおかしい……と気づいたのはロランだった。

家に居る時はほとんど地下の自室に篭っている。
夕食後もテレビを見ることもなく、自室へ戻ってしまう。

ロラン 「この頃ヒイロの様子、変じゃないですか?」
アムロ 「ん?どんな風に変なんだ」
ロラン 「それが…はっきりとは判らないんですが…
     ドモン兄さん、同じ部屋にいて気がつきませんか?」
ドモン 「俺にも良く分からん。第一あいつは無口過ぎて普段から何を考えているのか…」
ロラン 「確かにそうですね」
シーブック「おかしいといえば…今日バイトの帰りにペットショップでヒイロを見ましたよ」
アムロ 「ペットショップ?」
アル  「さっき、ごはんが出来たってヒイロ兄ちゃんを呼びに行ったら部屋の中から
     『ゼロ、ゼロ』って言う声が聞こえたけど…」
ロラン 「アル、ヒイロの部屋の中には入ったんですか?」
アル  「ううん。そういえば入れてくれなかった」
シーブック「怪しいなー」
アムロ 「よし、俺が行って様子を見てこよう。隠れてコソコソやるのは良くないからな」
ドモン 「いかがわしい事をしているようだったら、ゴッドフィンガーをくれてやろう」

こうしてアムロがヒイロの様子を見に来たのだが、その場にいた兄弟は皆ゾロゾロとついて来た。

ヒイロ 「よしゼロ、うまいぞ!」「ゼロ、こっちだ!!」「こら、ゼロ!やめろ!!」
兄弟達 「……(あのヒイロが嬉しそうに喋っている!)」

アムロは軽く深呼吸すると、ドアをノックした。

アムロ 「ヒイロ俺だ、入るぞ…ん?開かない」
部屋の中「…(無言)…」
アムロ 「ヒイロ、どうしたんだ?ここを開けろ」
ヒイロ 「……何の用だ」
アムロ 「お前の様子がおかしいと聞いたので、様子を見に来た」
ヒイロ 「……別におかしい所などない」
アムロ 「しかし、お前をペットショップで見たという者がいる。隠れて何か飼ってるのか?」
シーブック「ヒイロ、兄弟間で隠し事はいけないぞ」
ドモン 「さっさと開けないと、こんなドアは俺が吹き飛ばしてやるぞ」

カチャ…

開いたドアの目の前に立つヒイロの肩に乗っていたのは…「シマリス」だった。
まだ子どもらしいそのリスは、ヒイロの肩の上でシッポの手入れをしていた。

アル  「うわぁーーリスだ!可愛いーー」
ロラン 「リスだったんですか…」
ヒイロ 「騒ぐな!ゼロが怖がる!!」

アムロ 「どうしたんだ、このリス?」
ヒイロ 「リリーナの所から貰った、というか貰わされた」
ドモン 「なぜ隠す?男らしくないではないか!!」
ヒイロ 「このリスはまだ赤ん坊だ。手乗りにするなら今仕込まねばいけないと言われた。それに…」
ロラン 「…何ですか?」
ヒイロ 「家はペットを飼う余裕がないと…常日頃…」
アムロ 「まあ…確かにな」

アル  「おいでーゼロ!」
アルが手を差し出すと、ゼロはそちらへ行こうとした。
ヒイロは「アル、これを手に乗せるんだ」と、ひまわりの種を手渡す。
ひまわりの種を手に乗せてアルがもう一度ゼロを呼ぶと、ゼロはアルの手に飛び乗った。
アルの手の上で種を食べるゼロの仕草はとても愛らしかった。

ロラン 「可愛いですね…」
シーブック「本当だー」
アル  「アムロ兄さん、ちゃんと家で飼ってあげようよーー」
ドモン 「アルもこう言ってる事だ、よいではないか、兄さん!」
アムロ 「うぅーむ…まぁ、たまには…」
ヒイロ 「元々はゼロは俺が貰った。餌代などは俺が出す」
アムロ 「そういう事ならいいか」
アル  「ヒイロ兄ちゃん、僕にも世話させてよ!」
ヒイロ 「ああ。俺が居ない時の世話はお前に頼もう」
アル  「やったぁー!」
ロラン 「良かったですね、ヒイロ、アル」
ゼロも喜んだのか、みんなの肩に次々と飛び乗った。

こうして一家に新しい家族(?)が増えた。
『ゼロ』シマリス♂ 

終わり

※設定上、マズイようでしたらパラレルにして下さい。



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最終更新:2018年10月29日 14:50