某病院。
激務の合間のわずかな休息時間。勤務医のセイラは何か物思いにふける様子。
コーヒーの香りが彼女の鼻腔を刺激して、セイラは顔を上げた。そこにはテクス医師がいた。
テクス「コーヒーはどうかね?私オリジナルのブレンドだよ」
セイラ「いただくわ」
テクス「…セイラ君、私が踏み込んで良い領域なのかわからないが、何か個人的な悩みを抱えていないかね?」
セイラ「そう?そうかしら」
口で否定したし平静な様子だったが、洞察力のあるテクスは自分の予測は間違いないと踏んだ。
テクス「…たいがいの問題はコーヒー1杯飲んでいる間に解決するものだ。後はそれを実行できるかどうかだ」
セイラ「……」
テクス「悩みを抱えたままにしていると仕事にも影響する。私で良ければ相談に乗ろう」
セイラ「カウンセリングは有料かしら?」
テクス「当病院では副業は禁止でね。こういうのは、私も含めて全員がボランティアだよ」
セイラ「そのうちお願いするわ」
そのうちという機会が来る可能性が低いことは、二人とも承知している。
セイラにとって職場の先輩でしかないテクスは相談相手たりえないし、
テクスも心理学・精神医学を学んだ者として黙っていられなかっただけのことだ。
(テクスの医療の専門分野はX本編では設定されていたのでしょうか?)
最終更新:2018年10月30日 15:06