ある晩の食卓でジュドーがこぼした。
ジュドー「最近、ハマーン先生が俺の行く先々に現れるんだ。俺のこと見張ってるのかなぁ」
カミーユ「お前は学校じゃ問題児だからな」
カミーユはにべもない。
アムロ「あの人はまだ教師一年目だろう?職務の責任に真面目過ぎるのさ」
カミーユ「そりゃ初っ端から問題児を出したら、査定に響くでしょうね」
ロラン「カミーユ兄さん、何もそこまで言うことはないでしょう…?」
ガロード「実は、ジュドーに惚れてんのかもよ?」
しかしガロードの入れた茶々に対する兄弟の反応は、
カミーユ「……ハァ?」
アムロ「それはないだろう」
アル「先生と生徒でしょ?変だよ」
ウッソ「おかしいですよガロード兄さん!」
冷淡なものだった。
次の休日、洗濯をしていたロランがアムロに服のボタンを差し出した。
ロラン「アムロ兄さん。これ、ジュドーのジャケットのボタンについてたんですけど、何だかわかりますか?」
アムロ「これは…小型の発信機だな。何でこんなものが…?」
ロラン「産業スパイっていうやつですか?」
その線は十分ありえた。アムロは業界に敵が多い。
この前もハロの開発データを盗もうとしたザラ・カンパニーに手ひどいしっぺ返しを食らわせたばかりだ。
他に発信機が仕掛けられている可能性を考え、アムロとロランは家中ひっくり返して調べた。
収穫はなかった。
副産物としてウッソの部屋から盗品らしき女性の下着、ジュドーの部屋からチャイナドレスが見つかったぐらいだ。
家捜しが終わったところへ、油まみれになったジュドーが帰ってきた。
ジュドー「そのチャイナドレス!いやこれは違うんだ、誤解だよ」
ロラン「何が?」
ジュドー「そんなことより兄さん達よ。今日はついに俺の秘密基地までハマーン先生に暴かれたんです。これじゃ(以下略)」
しかし深刻な表情のアムロとロランには、ジュドーの話もこの先のことは覚えていない。
アムロは発信機の発信先を突き止めようとしたが、失敗した。
発信機が自爆したのだ。証拠隠滅の機能があったらしい。
ロラン「アムロ兄さん、本当に産業スパイだと思いますか?
兄さんのことを「白い悪魔」だって言うような人なら、こんなあからさまな手段は取らないでしょう?」
業界ではアムロを「白い悪魔」と呼ぶのがいるらしい。
産業スパイへのしっぺ返しの辛辣さと強烈さからついた異名だ。
アムロ「ジュドー自身に確認するか?」
ロラン「僕がそれとなく聞いて見ます」
その日の夕食時、ロランは何気ない様子でジュドーに話を振った。
ロラン「ジュドー、僕がつけたジャケットのボタンの糸の色が変わってたけど、ボタン取れたの?」
ジュドー「あれ、違ってた?確かに外れたよ」
アムロの表情がこわばる。
ロラン「じゃあ誰かにつけてもらったのかい」
ジュドー「ハマーン先生がつけてくれたんだ、俺のこと、だらしがないってさ。いやになるよ、もう」
ガロード「ハマーン先生に?やるね、この色男ぉ」
ロラン アムロ
,,-==-、 r'⌒⌒^'、
〃/ヾヽヽi ( rνyy'ソ
川;´∀`)……。 ヾ;゚Д゚ノ……。
アムロ(もしかして、あの先生はこれでジュドーの居場所を突き止めてたのか?)
ロラン(ジュドーの話も、そう考えればつじつまが合いますよ)
アムロ(ガロードが一番真実に近かったのかもな)
ロラン(だとしたら、ジュドーも大変な人に見込まれましたね…)
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ジュドー・アーシタ ハマーン・カーン
最終更新:2018年10月23日 10:05