202 名前:ギリを萌えキャラに仕立て上げようと思ったらこの始末である :2010/09/05(日) 00:40:48 ID:???
「新しいメニューだ。特別にお前達に食べさせてやる」
「おお、美味そう!」
「流石ギリだな」
「当然だ。僕はお前らとは違う」
天才も不滅ではないということほど、凡人にとって慰めになることはない。
そう言ったのはゲーテだ。まったく、これは真理だろう。
凡人が天才に対抗しようと思えば、道はふたつ用意されている。
ひとつは、彼我の才能と能力の差を早々に認め、諦めて戦いの場を辞すること。
もうひとつは、己の全てを投げ打って、自分自身を損なってでも戦うこと。
そして多くの人間は前者を選び、後者を選ぶ者はその純粋さ故に傷つくことになる。
凡人に天才の心は理解できないが、天才は凡人の心を推測することができる。
大多数の人間は、自分が取るに足らないつまらない人間だと
思い知らされることを恐れているものだ。
そしてそれを最も手っ取り早く示すのは天才の存在に他ならない。
だが、一握りの選ばれた人間であるということは、孤独であることと不可分だ。
なるほど、天才の周りには常に多くの人間が集まるものだが、
孤独とは、大勢の人に囲まれていてなお、独りであるということだ。
「そういえばさ、来週みんなで遊びに行くんだよ。お前も来るか?」
「ん……まあ、どうせそこまで忙しくはないからな。行ってやってもいいぞ」
「素直じゃないな、お前は」
黙れ、凡人ども。
仕方なくお前達の尺度に合わせてやってるだけだ。
そうでなければ付き合ってやれないからな。
天才もただの人間であるということは、凡人にとって周知のことではないのだから。
最終更新:2014年11月03日 22:15