161 名前:Brothers or Sisters? (1)投稿日:04/05/25 00:18 ID:???
ある日、食卓のヒイロの指定席に、いつもと違う顔がいた。
ロラン「エーと、お客さん?」
シーブック「ヒイロの友達だってさ」
カトル「はじめまして、カトルといいます」
アル「ヒイロ兄ちゃんの友達が来るなんて珍しいね」
家族にも隠し事が多いらしいヒイロ、友達を家に連れてきたことはほとんど全くない。
デュオとトロワは来たことがあるが、このカトルという少年は初めてだ。
カトル「ヒイロが僕の家を見てみたいって言ってたんで、彼を僕の実家に招待してるんです」
(シーン再現)
カトル「ヒイロの家って、男兄弟ばっかりなんでしょ?男ばっかりで楽しい?」
ヒイロ「……悪くない」
カトル「僕、来週から実家に帰らないといけないんだ」
ヒイロ「……」
カトル「たまには交代しない?僕がヒイロの家に行ってヒイロが僕の家に行くんだ」
ヒイロ「……」
カトル「頼むよ。いや、これは神聖な任務なんだ。ジハードなんだ」
ヒイロ「任務了解」
カトル「本当、良かったー。僕の家、姉さんばっかりで居辛いんだよ。相手頼むね」
ヒイロは脊髄反射的に「任務了解」と言ってしまったことを激しく後悔した。
断ろうにも、カトルはヒイロが反論しないうちにさっさと姿をくらませてしまっていた。
カトル「代わりにしばらくこっちに泊めてもらえませんか?」
シロー「良いんじゃないか?なあ」
発言権暫定2位のシローがそう言い、暫定3位のドモンも同意した。暫定1位のロランも反対する理由は無く、
カトルはそのままヒイロの席で食事を始めた。
不動の発言権1位のアムロは出張中で居なかった。
(つづく)
162 名前:Brothers or Sisters? (2)投稿日:04/05/25 00:19 ID:???
ジュドーの両隣は空席だった。
ロラン「ジュドー、ガロードとウッソは一緒じゃなかったの?」
ジュドー「ヒイロ兄貴についてったよ」
(シーン再現)
観念してカトルの実家へ向かうヒイロはうかつにも両サイドから肩と腕を抑えられてしまった。
ガロード「ヒイロ~、黙ってどこへ行く気かな?」
ウッソ「きれいなお姉さんの楽園に一人で行こうなんて水臭いですよ、ヒイロ兄さん!」
ガロード「兄弟仲よくこの機会を分け合うのが筋だよな。というわけで俺たちも行くからな」
ヒイロ「……好きにしろ」
ジュドー「あのさ、俺はいいよ。遠慮しとくわ」
ウッソ「もったいない。後で来てもハブですよ」
カミーユ「どうして行かなかったんだよ、いい機会じゃないか」
むっつりスケベで「お姉さん」という言葉にウッソの次に弱いカミーユは、自分なら絶対行くという顔で言った。
ジュドー「あいつらは「お姉さん」って言葉に幻想抱き過ぎなんだよ」
コウ「幻想ねえ。わかる気がするよ…」
一回り以上年上で「おばさん」に片足突っ込んでいる女性に貞操を狙われるという、
幻想を通り越した悲惨な現実に直面している産地直送チェリーボーイはしみじみと言う。
が、次兄はあっさりとその話題をかなたに蹴りやり、
シロー「ま、それはさておき、カトル君はヒイロと友達ってことは、同じ学校なのか?えーと、聖アズラエル学園?」
キラ「兄さん、弟の行ってる学校ぐらい覚えたら?ヒイロはリリーナさんと同じ聖ガブリエル学園だよ」
ドモン「そうだ。恥を知れ」
「聖マッスル学園」だと思い込んでいたドモンもここぞとばかりにシローに畳み掛けた。
カトル「アハハ…聖ガブリエル学園ですね。もうやめましたけど」
ジュドー「やめた?何で。俺らが行ってる学校に転校してきたわけでもないよな」
カトル「明日になればわかりますよ」
(つづきは後日)
170 名前:Brothers or Sisters? (3)投稿日:04/05/27 01:29 ID:???
,, .,.,.ヽv,,..
'⌒⌒ヽ / ヽ〆⌒⌒`ゝ
.〈 _l」ハ_l」)/W〈 W从|λノヽ)ヽ)
(*・∀・) ,リリ ゚∀゚リ( ‐"‐)
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◎-ヽJ┴◎-ヽJ┴◎-ヽJ┴◎ キーコキーコ
カトルの実家まで30キロ。
少々遠いが、ヒイロ・ガロード・ウッソには自転車なら散歩程度の距離だ。
ガロード「なあ、カトルってどれぐらい金持ちなんだ?」
ヒイロ「……」
ウッソ「コロニー・タイクーンってやつだよ。代々の石油成金が投資をしてもっと金持ちになって、
その金でいくつかのコロニーを買収して私営してるんだ」
ガロード「じゃあ大金持ちだな、よしよし」
ウッソ「金目当てなんて不純だなあ」
ガロード「俺のダチは金無いのばっかりだから、こういうコネも要るんだよ。
お前こそ、お姉さん目当てなんてシャクティが泣くぞ」
ウッソ「そこでなんでシャクティが」
連れ2人の不毛な言い争いは無視していくヒイロ。この程度はいつものことだ。
田園地帯を走り抜けると、長くて高い塀がずーっと続いていた。
ヒイロ「カトルの家の塀だ」
塀はどこまでも続く。いったいどれだけ走れば入り口に着くのか、3人には見当もつかない。
(続く)
orz
Xは一度見ただけだし、その頃は
ガノタじゃなかったので話も全然覚えてないです。
ガロードは金目当てということで勘弁してやってください。
182 名前:Brothers or Sisters? (4)投稿日:04/06/01 23:16 ID:???
ガロード「そうだ、俺たちこんな服で行っても大丈夫かな?たぶん失礼だぞ」
ガロードが珍しく分別のあることを言った。
彼の服装はいつもの赤いジャンパーだったし、ウッソも畑仕事向きの服装だったし、
ヒイロに至ってはタンクトップに短パンだ。
ヒイロ「…ゼロは何も教えてくれなかった。……ここで待ってろ」
そう言ってヒイロは道路の向かいの雑木林の中に消えていったが、
しばらくして妙に金モールやらの装飾だらけの軍服みたいなのをまとって戻って来ると、
ヒイロ「着ろ」
と手に持った同じデザインの服をガロードとウッソに投げてよこした。
どうやって手に入れたのか、ヒイロだけに何をやらかしたかわからない。いやわかりたくない。
ウッソ「強奪したとか盗んだとか言わないでよ?」
ヒイロ「……」
何はともあれ、3人はとりあえず元の服よりは礼服らしい格好になったので、ガードマンにも咎められず、
首尾よくカトルの実家のウィナー家の豪邸に入ることが出来た。
(つづく)
(おまけ)
3人組がウィナー邸に入った頃。
ゼクス「アレックスやミュラーが時間通り
来ないとは。
認めたくないものだな。若さ故の過ちというものを」
レディ・アン「あやまれ!!トレーズ様にあやまれ!!」
トレーズの草野球チーム「ヴィクトリア・エレガンツ」は選手がそろわず、遠征して来たのに不戦敗を宣告されていた。
来なかった選手の行方を探ると、彼らは身ぐるみ剥がされた状態で木に吊るされていたという。
最終更新:2018年12月11日 13:22