65 名前:2月1×日の景色・後編1/3 :2011/02/09(水) 21:36:35 ID:???
ガロード「ひの、ふの、み… おっけー、これで注文分は全部終わったぜー」
アル「やったー!」
シュウト「やっと終わった…」
ロラン「二人ともお疲れ様」
ガロード「いやほんと、助かったぜ。 んじゃ、俺、これ届けてくるから」
ロラン「届けてって…ガロードだってラッピング作業にかかりきりだったんでしょう?
少し休んだほうが…」
ガロード「だいじょぶだいじょぶ。 ジュドーも昨日から走り回ってるしさ。
ちったぁ年長者としての責任ってもんを果たさないとね」
シン「だってさ」
キラ「ん? な~に~? なんか言った~?」
ガロード「んじゃ、行ってくんぜー! ひょっとしたら晩飯いらないかもー!」
アル「あー」
シュウト「行っちゃったねー」
ジュドー「ちうちうたこかいな…と」
エル「えーっと、材料費がこれで、ラッピングの材料に…」カチャカチャ
ビーチャ「手間がかかった割には、大した儲けじゃないみたいだな」
ルー「何言ってるのよ。 ロランが3分でいいって言ってくれたからプラスがあったんでしょ?」
エル「ホントは上がりの半分要求されてもおかしくない所だよね」カチャカチャ
デュオ「…お前らなら、明日世界が滅んでも生きていけるよ」
ジュドー「当然」
ガロード「うぉーっす! 配達も全部終わったぜー」
イーノ「あ、お疲れ様」
ルー「ご苦労さん。 ホットチョコ飲む? ヒルデのお手製よ」
ガロード「おー、飲む飲む♪」
ヒルデ「はい、熱いから気を付けてね」
ガロード「さんきゅー」
ヒルデ「…そう言えば、今日はティファと一緒じゃないのね」
ガロード「ああ、なんかフェルトたちと用事があるって言ってたぜ」
ルー「ほう…」キラリン☆
ヒルデ「彼女もがんばるわね」
ジュドー「ん? 何が?」
66 名前:2月1×日の景色・後編2/3 :2011/02/09(水) 21:38:10 ID:???
フェルト「ん…しょ」
ティファ「そう、手早く、丁寧に…温度にムラがあると、綺麗に固まらないから…」
ソーマ「…手伝おうか?」
フェルト「ううん、これ、は、私が…」
額に汗を浮かべて、懸命にヘラでチョコレートをかき混ぜるフェルト。
凝固点の違いから、チョコレートの脂肪分は分離しやすい。
ただ溶かして固めただけでは表面が白く濁ったり、最悪、砕けてしまったりするのだ。
それを避けるには、一度全てが解ける温度まで熱し、しかる後に
温度差ができないよう、
ゆっくりと温度を下げつつ、均等にかき混ぜ続ける必要がある。
これが、テンパリングと呼ばれる作業である。
ソーマ「単純だが、重労働だな」
ティファ「プロのパティシエには男性の方が多いんです。
毎日テンパリングやメレンゲ作りをするのは、
男性でないとつらいみたいです。
パティシエールが居ないわけではないそうですが…」
ソーマ「ふむ…それなら、ウチ連中でも…」
軍人さんは甘党が多いそうです―予断ですが。
フェルト「ソーマさん、は、何を、作って、るんですか?」
ティファ「…豚肉?」
ソーマ「お客さんから『チョコとん』と言うメニューを聞いたんだ。
フレンチでは肉料理に甘いソースを使うこともあると、
副店長が言うので試してみようと思ってな」
ティファ「…でも、普通のチョコだと甘みが強すぎると思います。
こっちのチョコを使ったほうが…」
ソーマ「どう違うんだ?」
ティファ「こちらは砂糖をほとんど添加してないチョコなんです。
そのまま食べるには苦すぎますけど、砂糖の加減ができます」
ソーマ「なるほど…よし、試してみよう」
荒熊従業員A「厨房に立つ女の子っていいッスね~」
ミン「…まぁ、否定はしないが」
セルゲイ「ちょっと、多すぎはしないかね?」
キエル?「こちらはお酒、ですか?」
エリシャ「それは匂い付けに…って、入れすぎですよキエルさん!」
マルチナ「なんか、コゲ臭くない?」
67 名前:2月1×日の景色・後編3/3 :2011/02/09(水) 21:39:27 ID:???
リリーナ「どう…でしょうか?」
パーガン「………」
リリーナ「パーガン?」
パーガン「大変…」
リリーナ「えっ?」
パーガン「大変、美味しゅうございます…リリーナ様」
リリーナ「本当? 本当に、上手にできましたの?」
パーガン「はい、リリーナ様! チョコの舌触り、スポンジのふわふわ感など完・璧!
で、ございます」
リリーナ「そう、良かった…」
パーガン「ただ…」
リリーナ「何かしら。 言って頂戴な」
パーガン「僭越ながら。 だんな様もヒイロ様も、あまり甘いものはお好きでは無いかと…」
リリーナ「あ…そうね、ヒイロにはちょっと甘すぎたかしら」
パーガン「砂糖を減らすとなると、今度はカカオの苦味が強くなることになります」
リリーナ「パウダーを減らすと、今度はオレンジ・リキュールの香りが強くなりすぎますわね」
パーガン「左様でございます。 何事もバランス、でございますよ」
リリーナ「ええ、そうね。 もう少し、手伝ってもらえるかしら?」
パーガン「もちろんでございます、リリーナ様」
ドーリアン夫人「まぁ、いい香り…あら、貴方、どうかなさいましたの?」
ドーリアン「! や、やぁハニー。 何でもないよ」
ドーリアン夫人「?」
ドーリアン「そう、なんでも
ないんだよ…何でも、ね」ゴゴゴゴゴゴ…
ロラン「さて、本番は来月のホワイトデーですが…」
ガロード「クッキー? マシュマロ?」
ロラン「マシュマロは苦手な方もいらっしゃいますから、クッキーでしょうねぇ」
ジュドー「んじゃ、小麦粉にバター、ミルク、砂糖に…あとはチョコとか食用染料とか?」
ロラン「アレルギーをお持ちの方もいらっしゃるでしょうから、
おからクッキーにも挑戦してみましょうか」
ジュドー「おっけー、手配しとくよ」
ロラン「抜き用の型はお願いしていいですか?」
ガロード「まかされて! おーい、シュウトー!」
シロー「兄さん…今更ですが、弟たちがやり手のブローカーみたいなんですけど…」
アムロ「いろいろと、不自由させすぎたのか…」
マイ「いえ、あれは単なる性格だと思いますがw」
セレーネ「Zzz…」
おわり
最終更新:2015年01月01日 20:27