兄弟には許可を得ず、鳥人間コンテストに出場したシーブック。
司会「赤い彗星チームが記録を伸ばしています。どこまでグライダーで飛べるでしょうか。
皆さま、ご覧下さい。500メートル先に赤い線が引いてあります。それが合格ラインです。果たして、越えられるか?」

会場のスピーカーからパイロットの悲痛な声が聞こえる。
スピーカーの声「少佐ー、助けてください!!減速できません!ブツッ!」
司会「おおっと!墜落した!!固いコンクリートの地面にたたきつけられた模様です。パイロットは間違いなく死んだでしょう。しかし、これで、赤い彗星チームは合格ラインを超えたので10万円獲得。このまま優勝すれば、さらに1000万円だ!!」
シャア「おまえの犠牲は無駄ではなかったぞ」
司会「次はシーブック選手です」
シーブック「……やめとこうかな」
そこに現われたのは兄弟たちだった。

アムロ「あきらめるな。シーブック」
シーブック「みんなには秘密にしていたのに、どうしてここに?」
ドモン「おまえのやることはお見通しだ」
ロラン「最近家計が厳しくて……。優勝の1000万円が頼りなんです」


アムロ「おまえが寝ている間にな、おまえのグライダーは俺達が改造しておいたから」
シーブック「どんな改造を?」
アムロ「カミーユの発案で飛行中に人型の形態に変形できるようにした」
シーブック「それにどんな意味が?MS(人型)は無意味なんじゃ?」
アムロ「MSは伊達じゃない!!」
シーブック「いや、伊達でしょ」

アムロ「それから、この服を着てくれ。」
シーブック「この服、なんだか、分厚くて、まるで宇宙服のような……」
アムロ「そう、うちの会社が開発したノーマルスーツだ。」
シーブック「宇宙に行くわけじゃないのに(と言いながらも、服を着る)」

操縦席に乗り込むシーブック。
シーブック「まあ、途中で逃げればいいや。……兄さん達には悪いけど」
ドモン「シートベルトをしっかり付けろ。それが命綱だ」
シーブック「ドモン兄さん、なんで、フロントガラスに紙を貼り付けてるの?」
ドモン「この紙に書いてあるのは師匠直伝のだ。怖くなったら、これを読んで、心を落ち着かせろよ。」
シーブック「いや、そんなんじゃなくて。前が見えなくて、操縦できなくなるんだけど」
ロラン「操縦する必要はないんです。むしろ、できないんです。」
シーブック「あれ?このシートベルト、外せないような?それに、なんで、みんな涙ぐんでんの?」
アル「今のうちに、ビデオにメッセージ遺しておく?」
ドモン「そこのトランシーバーで連絡を取り合えるからな。兄ちゃん達を許せ」
がちゃん
シーブック「どうして、外からカギをかけるのさ?」

司会「それでは、シーブック選手、行ってもらいましょう!」
アムロ「やれ、ヒイロ」
ヒイロ「任務了解。点火」
ゴゴゴォォ!!
司会「すごい勢いです。とてもグライダーとは思えません!!!」

シーブック(無線)「う、ぐぐごご、なんとぉーージェットエンジンか!!」
ドモン「今こそ、目の前の紙を読むんだ!!!シーブック。」
シーブック「なんでさ?」
ドモン「明鏡止水!心が落ち着くからだ。いいから読め!」
シーブック「りゅ、流派! 東方不敗は」
ドモン「王者の風よ!」
シーブック「全新」
ドモン「系裂!」
シーブック ドモン「天破侠乱!」
ドモン「見よ! 東方は紅く燃えているぅ~っ!!」
ドモン「シーブック?シーブック?シィーーブックゥゥーーーー!!!」

司会「ユニヴァーース!!シーブック選手、山に激突して炎上!!東の空が赤く染まっています。が、優勝は確実です!!」
アムロ「ジェット燃料に引火したな」
司会「今入ってきた情報によりますと、なんと、シーブック選手は無傷、無傷です!」
アムロ、おもむろに携帯電話を取り出してかける。
アムロ「ああ、もしもし?チェーンか?今から会社に戻るよ。
新型のノーマルスーツのテストは合格だ。うん、耐熱性、耐ショック性ともに。人体実験したからね」
(完)


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シーブック・アノー

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最終更新:2018年11月27日 15:38