175 名前:ロラン・ローラで大騒ぎ投稿日:03/07/20 21:42 ID:BQuVmMYV
シャア「人体の基本構造プログラムにサンプリングで適合しなければナノマシンにデータは
送られない。だから例えばエイリアンみたいな
ロラン君、腕が6本のロラン君や
男性器を持つ女性のロラン君を作り上げる事は無いから安心したまえ。」
アムロ「当然だ。そんな事されてたまるか」
シャア「だが細かい身体の特徴、背丈、肩幅、肉付きや顔の造詣などはオリジナルと異なる
部位が出てくる可能性がある。多少は背が低かったりなで方でやや太り気味のロラン君
になってしまうかもしれない。見たくはないがな。」
ロラン「あの、そうなった場合にやりなおしはきかないんですか?」
ナナイ「大丈夫、再構築は何度でも行えるから心配しないで。」
シャア「だが再構築は体力の消耗が多いから日に何度も行えるものではない。実際人体へのダメージ
はどのくらい掛かるのか解っていないのでやり直しはなるべくさせたくない。」
ディアナ「そうなると、ここでサイコフレームを持つもの全員がイメージ統一をする必要がありますわね。
ロランの元の姿を…」
ナナイ「これから機材の調整と、ロランさんの体内にナノマシンを注入して全身に浸透するのを
待つ事で3時間ほど掛かりますから、その間に皆さんで良く話し合って意見を統一して
ください。」
その頃、ハイム家、ソシエの部屋。一人ベッドにこもるソシエ。そしてその横でソシエを見つめる
シャクティ。
ソシエ「あんた、いつまでそこにいる気?あたし行かないから、説得しても無駄よ。」
シャクティ「行くべきですよ、ロランさんを治したいなら。」
ソシエ「…あんたの方が向いてんじゃないの?」
シャクティ「いえ、前回あたし誤ってロランさんをデカ乳ね-ちゃんにしてしまいましたから」
179 名前:ロラン・ローラで大騒ぎ投稿日:03/07/21 21:58 ID:Ygd2D7FX
ソシエ「…あたしその胸握りつぶしちゃったのよね。ロラン、よっぽど痛かったみたいで
そのまま気絶しちゃうし、それであたし悪い事したなって思って介抱してたら
弟のアルに、あたしがエッチな事してるって誤解されちゃうし…なによ、最低!」
シャクティ「自業自得ですね。」
ソシエ「少しは自分にも責任があるって自覚しなさいよ!…ふん、どうせあたしはロランの
いじめっ子ですよーだ、きっとロランだってディアナ様やお姉様を引き合いにして
優しさのないひどい女だとか思ってるんだわ。そうよきっと…」
シャクティ「全くその通りですね、って言ってやりたいところですけど、それは違います。
人の心の色が見える私には、彼がソシエさんに対してどのような想いを寄せているかを
その色彩で知りました。それによりますと…」
ソシエ「え、どうなのどうなの!?」
包まった布団から這い出てシャクティに詰め寄るソシエ。
シャクティ「・・・知りたいですか?」
ソシエ「っえ、別に…そんなに気になるわけじゃないけど、やっぱり使用人の事は雇い主として
知っておく必要はあるし・・でもそこまで必要性があるかなって思うし・…」
シャクティ「じゃ止めます。」
ソシエ「・・・・・教えてくれないの?」
シャクティ「・・・・・・・・ただでですか?」
ソシエ「・・・・・・・・・たかる気?」
シャクティ「悪いですか?」
ソシエ「開き直らないでよ!あんた大体ねぇ・・・」
このようなやり取りが続く中、ジオニック社ラボでは・・・
372 名前:ロラン・ローラで大騒ぎ投稿日:03/08/24 00:02 ID:???
ロラン「あ、お嬢様、ロランです。お体の具合はどうですか?」
ソシエ「あんたの声聞いてたった今悪くなった。」
ロラン「モ、申し訳ありません、すぐ切りますので!」
ソシエ「自分からかけといて主人より先に受話器を置くなんて大した使用人だわね。」
ロラン「・・・あ、あの、ほんとに大丈夫なんですか?」
ソシエ「・・・・・あたしより自分のほうはどうなのよ、ちゃんと元に戻れそう?」
ロラン「はい、僕は元より皆さんが一生懸命ですからうまくいくと思います。実験の説明を受けて、僕はあまり
良くわからなったんですけど、間違って怪獣に変身する事はないそうです。ちゃんと人間として・・・」
ソシエ「当然よ、しっかり元のロランに戻ってきなさい。中途半端な戻り方とかしたら、、赦さないんだから。」
ロラン「それは、僕の兄弟たちやディアナ様たちのお力添えで、今まで通りの体に治せるはずですから・・・」
ソシエ「あんたねぇ、自分の体なんだから、他人にいちいち頼ってないで自力で治すくらいの気概がなくて
どうすんのよ!自らの記憶だけで治しなさい!」
ロラン「はぁ、ですがそれは・・・」
ソシエ「いいこと、以前と寸分違わぬ姿に戻ってらっしゃい。もし、あたしが見て少しでも違いがあったり
違和感を感じたりしたら、ロラン、あんたなんかうちの使用人じゃないわ。絶対赦さないから。」
ロラン「は、はい、お嬢様・・・」
ソシエ「ディアナ様やお姉様が何と言ったって構わない、本当のロランになるようにあたしが物理的修正を
加えてやるからそう思いなさい、いいわね!」
そう言うと受話器を思いきりよく置いて会話を切るソシエ。すごく未練と後悔が心にわだかまるのを
感じながら、ふと傍らのシャクティが自分をジト目で見つめているのに気づく。
シャクティ「電話をかけてもらって嬉しいはずなのに、つれない仕種なんですね。」
ソシエ「うっ・・・・・・」
シャクティ「励まそうと思っていても突き放すんですね。」
ソシエ「それは、・・・その・・・」
シャクティ「あんな啖呵切ったら、いざロランさんを助けに行こうにも、もう行けませんね。」
ソシエ「・・・・・・・」
シャクティ「どうしてそう天邪鬼なんですか?」
さすがにシャクティもその場にいる気分ではなくなり、気を使ってソシエの寝室を後にする。
暫くして廊下に「ばかーっ!!」という怒声が響いたが、一体誰に向けて放った言葉なのか、
シャクティにはわからなかった。
374 名前:ロラン・ローラで大騒ぎ投稿日:03/08/24 09:31 ID:???
2時間後、ロランの実験治療が開始された。モニタールームで、ナナイは
ロランのいる身体再構成カプセルと、その隣に設けられた、兄弟sやディアナ、キエルのいる
サイコフレームルームから送られる様々なデータをチェックしていた。現在の状況を確認して
シャアとアムロのいる中央指揮所に連絡するナナイ。因みに、今実験の総指揮者と
テクニカルオブザーバーの必要性の観点から、ロランの体のイメージを行う、通称”祈り子”の
役を外れ、二人はそこにいた。
ナナイ「ロラン君のヴァイタル、祈り子達のイメージングのシンパシィ共に異常なし、治療は
順調に行われています。マシーンの故障なども、その兆候は見受けられません。」
シャア「了解、こちらのデータリンクも異状はない。現状の維持に努めてくれ。」
受話器を置くとシャアは側のアムロを振向いて尋ねた。
シャア「カプセルに入る前に、ロラン君はかなり元気がなかったが、何かあったのか?
ナナイも気にしていた。」
アムロ「ソシエ・ハイムに電話していたらしい。おそらくその時に何かあったのだろう。」
シャア「あのお嬢さんか。活発で激しい感情の持ち主だ。私は嫌われている。」
アムロ「当然の成り行きだ。これまでの行いもあるし、あの御曹司とお前は義兄弟だ。」
シャア「なんとでも。だがこれは好ましい状況ではないな。この治療は本人の気持ちも
大事な要素になる。」
アムロ「メンタルはヴァイタルと違ってグラフに表せない事くらい知ってる。」
シャア「この前ローラの胸を握りつぶしたとか・・・うらやま、いや、うらやま、いや、
ゆるせん。」
その事には言及せず、アムロはロランの今を案じた。
アムロ『何を言われたか知らないが気にするな。お前はお前の思うようにしていろ。』
だが、その祈りはサイコフレームのペンダントを外している為、直接ロランには
届かない。
その時カプセルの羊水の中で、ロランは一人ごちた。
ロラン「ソシエお嬢様・・・」
398 名前:ロラン・ローラで大騒ぎ投稿日:03/08/31 12:13 ID:???
実験治療は事のほか順調に進行し、開始後20分で身体に兆候が現れた。
一人だけ羊水内の状況をモニターで確認できるナナイは、成功の確信を得た。
ナナイ「肩幅が広がり始めて乳房が少しづつ縮小している。ヴァイタルにも全く影響ないわ。」
シャア「しかもロラン本来の中性的魅力が損なわれていない。喜ぶべき成果だ。」
ナナイ「いつから私の背後にいたんですか?出歯亀厳禁です、元の席に戻ってください!」
ロラン、治療順調の報がサイコフレームルームに伝えられると、祈り子達の間に
安堵と喜びの空気がひろがった。
シロー「このままいけば間違いなく元に戻るそうだ。」
キラ「
うあ゛ぁあ ・゚・(´Д⊂ヽ・゚・ あ゛ぁあぁ゛ああぁぁうあ゛ぁあ゛ぁぁ」
カミーユ「おい、その涙はロランが台所に立つまでとっとけ。」
キエル「ロランが居ないと我が家の執務が一切滞ってしまいますの。これでやっと
普段の生活が戻ってきますわ。」
ウッソ「(ロラン兄さんから聞いてたけど、コップ一つも洗えないのは如何なものだろう)」
アル「早くロラン兄ちゃんの手料理食べたいな。」
ガロート「ロラン兄(にい)の復活パーティしなくちゃな。」
シーブック「これが終わったらケーキを焼きに行ってくるよ。」
ヒイロ「待て。まだ治療の途中だぞ、楽観は禁物だ。」
ジュドー「いいジャンいいジャン、めでた事だし。」
ディアナ「そうです、喜ばしい事ですわ。」
コウ「「これで鼻血の懸念もなくなる・・・・喜ばしい)」
こんな楽勝ムードが急転直下、とんでもない出来事が約40分後に勃発する。
10分前、小用でナナイは席を離れた。その際、モニターは代わりの監視を置かず、パスワードを掛けて
電源を切った。他の者に任せると、シャアが社長特権で覗きを強行すると思われたからだ。
だがその行為が裏目に出た。ナナイが戻って、カプセル羊水内のモニターに電源を入れると、
画面に無人の内部を映し出した。そして羊水の色が濃いオレンジ色に変わっているのが確認できた。
消えた!?そんな馬鹿な!中から勝手にカプセルを出る事は出来ない構造になっているし、他の者が
出した形跡はおろか、誰も彼が外に出てくる姿を見てはいないと言う事だった。
ナナイ「大佐、大佐、緊急事態です、ロラン君が消えました!」
焦りのあまり、昔の呼称でシャアを呼ぶナナイには、その誤りを訂正する余裕はなかった。
最終更新:2018年11月27日 14:58