743 名前:通常の名無しさんの3倍 :2012/05/14(月) 21:54:30.46 ID:???
モニク「マイは居るか?実は弁当を作りすぎてしまってな・・・い、一緒に食べないか?」
ヒデト「マイさんなら外に食べにいきましたよ」
モニク「」




会社から歩いて数分。大通りから外れ、小道に入ったところにある食堂『榊原』
こじまんまりした店だが、昼時になると満員で座る場所がなくなる
その為、僕がこの店に来るのは早めに昼休みになる日だけだった
暖簾を潜り、カウンターに座ればすぐに店主の女性が此方を向いて水を出してくれる

トップ「いらっしゃい!ご注文は?」
マイ「えっと、アレをお願いします」
指を指した先にあるのは小さな黒板に白チョークで書かれた『昼定食 380円』の文字
この店では、その日築地で一番安い魚が、この昼定食のメインとなる
仕入れが安かった日はその分、値段も安くなるが味は落ちない。何の魚が出てくるかは不明だが

トップ「はい、お待ちどうさん!今日は鰯の煮付けだよ」
マイ「ありがとうございます。では、いただきます・・・」
鰯の煮付けが二匹に出汁巻き卵、ほうれん草の御浸しにじゃが芋とワカメの味噌汁、ナスの漬物
そして、しっかりと焚かれたご飯。しかも大盛り
あの値段でこの量は嬉しい。
煮付けは大量の魚を一つの鍋で煮るためか、煮汁の旨みが素晴らしい
魚の身は丁度良い具合に柔らかく、食べた瞬間に口中分解し煮汁と魚の旨みが広がる
そしてご飯を口に含めば、妙な口福感に包まれつつも次のおかづに箸が伸びる
煮付けとご飯の間に挟む漬物はあっさり目だが、主菜を邪魔せず、それでいて完成された味
出汁巻き玉子もほのかな甘味が食欲をさらに増させてくれる
味噌汁のほっとする味に一息つき、全て食べ終えたところで周りの客が増えてきたことに気づき、僕は席を立つ

マイ「お勘定、お願いします」
トップ「はいよ。えっと・・・380円ね!」
マイ「じゃあ、これで・・・ご馳走様でした」
店主の笑顔に返すように僕も笑顔になりながら店を出れば、入れ違いに数人が店に入っていく
満員になった店を背に、会社に戻るとしよう・・・

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最終更新:2015年07月24日 23:34