800 名前:饂飩のゲリラ屋の釜玉ネギ多め310円 :2012/05/16(水) 18:38:01.99 ID:???
取引先との打合せも終わり、ふと時計を見る
予想ではもっと遅くなると思っていたが、時間は20:00
社に帰っては無駄な残業代が発生してしまうし、ロランには
今夜は遅くなるので夕飯はいらないと言ってしまっている
そうなると、どこかで食べていこう
マイ「・・・もしもし、あ、はい。無事に商談は成立です
いえ、今日はこのまま直帰しますので・・・はい、お疲れ様です」
モニクさんに連絡をし、ふと周りを見回す
ビジネス街だけあって飲食店も多く、駅の近くには酒屋も多い
しかし、酒はいらない。呑むのと食べるのは別物だ
本当の空腹の時、酒は食事には合わないと僕は思う
マイ「何にしようか・・・ん、うどん?それも手打ち・・・」
不意に視覚に入った『手打ち饂飩』と書かれた暖簾
今日はここに入ることにした
クランプ「えらっしゃーい!ステッチ、お客さんに水!・・・注文は何にしましょう?」
マイ「えっと・・・釜玉、ネギ多めで」
こういう時間帯の時は僕は迷わずにはっきりと注文を言う
店側も丁度書き入れ時、無駄話や注文の聞き間違い等は迷惑になるだろうからだ
しかし、饂飩屋というのはサイクルが早い
特に茹でたての饂飩に卵を載せただけの釜玉は待ち時間が極端に少なく嬉しい
クランプ「お待ち!釜玉ネギ大目ね!」
マイ「・・・いただきます」
湯気が昇る角が立った饂飩に生卵と大量のクジョウねぎ
饂飩の熱で次第に熱が通り始めている白身と湯気でしんなりとしていくねぎ
香りを楽しみながらも僕は生醤油を手に取り卵に垂らす
あまり垂らしすぎては醤油味の饂飩になってしまう。ここは少量だ
箸で饂飩と卵、クジョウねぎを混ぜれば饂飩が黄色い黄身に混ざり合い
白、黄色、青の食欲をそそるトリコロールカラーとなる。ねぎは緑だが青と呼ぼう
饂飩を口に運べばまろやかな卵の旨みとネギの風味が合わさる
単純な見栄えではあるが、これほど美味いものもないとすら覚える
丼に盛られた饂飩が心地よい喉越しの下、全て腹に収まれば
この満足感に満たされたまま僕は席を立つ
マイ「お勘定、お願いします」
ステッチ「あいよ。へへ・・・釜玉ネギ多めで310円だ」
お勘定をしながら回りを見れば、様々なお客さんが様々な饂飩を食べている
冷かけ納豆、そういうのもあるのか
次はコレを食べようと思いながら、僕は帰路についた
十数分前
モニク「ん、マイか?商談は・・・そうか!ど、どうだろうか、商談成立のお祝いに
一緒にディナーでも・・・ぅ、そ、そうか・・・気をつけてな・・・」
ワシヤ「・・・ん?モニクさんまだ残ってるんですか?俺は先に上がりますね」
モニク「・・・・・・呑んで帰ろう」
最終更新:2015年07月24日 23:45