386 名前:1/5 :2012/07/26(木) 00:03:01.22 ID:???
モニク「んふふふふふ~」
エルヴィン「……」
モニク「エルヴィン、姉さんがこんなご機嫌な理由を知りたいか?知りたいだろう?」
エルヴィン「……明日がマイさんとのデートだからでしょ?」
モニク「何!?私の考えている事が分かるとは……貴様、ニュータイプか!?」
エルヴィン「今日だけで80回も同じ事言われてれば嫌でも分かるよ!」
モニク「そうか、エルヴィンは賢いな」
エルヴィン「(もう会話が成り立ってないよ、助けてよ……)」
モニク「それじゃあ、私は明日の為にゆっくり休んでおく。夕食の後片付けは頼んだぞ」
エルヴィン「後片付けはって作ったのも僕だよ!」
モニク「ああ!でも選んだ服をマイが気に入らなかったらどうしよう……選びなおそうかな……」
エルヴィン「はあ、これじゃ先が思いやられるよ……」
翌日
エルヴィン「という訳でこっそり尾行する事にしたよ。
盗み見た(姉さんゴメン!)予定表によれば待ち合わせは9時だね。今は6時だけど」
モニク「ふふふ、マイの奴、女性を待たせるとは失礼な男だな。ここはお詫びに指輪の1つでも……んふふ~」
エルヴィン「3時間前に来て待たせるなって言う方が失礼だよ!とんだとばっちりだよ!」
そして8時半
マイ「お早うございます、モニクさん」
モニク「マイ、おはよう」
マイ「女性を待たせるな、と言われて30分前に来たのですが……待たせてしまってすみません」
モニク「私も今来たところだから気にするな」
エルヴィン「今!?待ち合わせ業界では2時間半前が今なの!?」
ヒイロ「声を出さずに叫びツッコミを入れるとは、シン兄さんに通じるものがあるな」
エルヴィン「き、君は……マイさんの弟のヒイロ君!?」
ヒイロ「見た所、モニクを尾行している様だな」
エルヴィン「う、うん」
ヒイロ「俺もアムロ兄さんから尾行と危機排除の任務を受けている。ここは手を組もう」
エルヴィン「そうだね。お互い良好な関係のために頑張ろう」
387 名前:2/5 :2012/07/26(木) 00:03:49.19 ID:???
エルヴィン「予定表によるとまずは映画だね」
ヒイロ「『ファクトリー・ラブ』。工場萌えに密かな人気を誇る映画だ」
エルヴィン「でもあれって、客層は限られているし見つかっちゃうかも……」
ヒイロ「変装は基本だ。覚えておいた方が良い。今から俺達は、機械オタクの学生になる」スッ
エルヴィン「さすが!」
マイ「あの排気管のカーブが美しいですね」
モニク「ああ、私もそう思う」
エルヴィン「内容はともかく良い雰囲気ですね」
ヒイロ「ああ。モニクもマイ兄さんとのデートで良い具合に感覚が麻痺している」
ミレイナ「ぶー、もうちょっと工場同士の恋愛とか無いんですかぶー?」
フェルト「ちょ、ちょっとミレイナ……他のお客さんもいるんだから……」
ミレイナ「ラブってからにはラブラブを見せてくださいです。早くしろです」
エルヴィン「最近の女の子は何を考えているのか分からないよ……」
ヒイロ「まずいな、あの女性グループのせいで、ムードが壊れる可能性がある」
エルヴィン「そうだよ。早く何とかしないと」
ヒイロ「安心しろ、優秀なエージェントを用意してある」
劾「標的はあのドリルヘッドの娘だな……」ポチッ
ミレイナ「ん?何かちくっとした……で……すぅzzz」
劾「騒がれずに静かに出来るよう、全座席に睡眠薬発射の準備をしておいた。任務完了」
ヒイロ「何とか映画を無事にこなす事が出来たな」
エルヴィン「次は……おしゃれなレストランで昼食だね」
ヒイロ「俺達も服装を変えよう。この格好であのレストランは目立つ」
ヒイロ「む?」
エルヴィン「どうしたの?」
ヒイロ「大変だ。ゼロの予測では、ウエイターの足がもつれて転び、2人に水が掛かってしまう」
エルヴィン「なら任せてよ。ここはジオン系のお店だから……頼んだよ」
フロンタル(素顔+髪縛り)「あの席は私が担当しよう」
イザーク(アルバイト)「あ!?き、貴様……誰だ?」
388 名前:3/5 :2012/07/26(木) 00:04:33.24 ID:???
エルヴィン「これでフラグは回避したね」
ヒイロ「素顔のフロンタルならマイ兄さんでも気が付かない、良いアイデアだ」
エルヴィン「会話も弾んでいるようだね、良かった良かった」
ヒイロ「だが、次は最難関のイベントだ……!」
エルヴィン「買い物、だね……!」
マイ「(買い物に誘ったのは良いのですが……何を買えばモニクさんは喜ぶのだろう……)」
モニク「マイ、どうしたんだ?」
マイ「あ、いえ。モニクさんに似合うアクセサリーはどれだろう、と思いまして」
モニク「ふふ、私はマイの選ぶものならば何でも似合うぞ」
エルヴィン(変装)「(一番困る答えだよ姉さん!)」
ヒイロ(変装)「(なら、誘導作戦開始だ)」
ヒイロ「妹の誕生日に、何を買えば良いんだろうな?」
エルヴィン「確かクール系だったよね?ならこれなんか良いんじゃないか?」
ヒイロ「おお、良いかも!ってこれペアものじゃん!冗談きついぜ」
エルヴィン「うわホントだ。ゴメンな、じゃあこれ以外で、っと」
マイ「……折角なので、ペアで何か買いませんか?(あれは似合いそうですね。リストに入れておきましょう)」チラッ
モニク「ふふ、そうしようか(あれ良いな……)」チラッ
ヒイロ「2人の反応から見て成功といって良いだろう。次は……」
モニク「私もペアで何か買いたいな。マイは何が良い?」
マイ「モニクさんの選んだものなら、何でも嬉しいですよ」
ヒイロ「(何でもはNGだとアムロ兄さんに言われただろう!)」
エルヴィン「(こっちも誘導が必要だね)」
エルヴィン(更に変装)「アネキが彼氏とペアのアクセサリーを買いたいから探せって言ってんだけどさ、何かある?
アネキ、疎いから全然知らねーんだよね」
ヒイロ「理系って感じのカップルでしたよね?なら、これなんか良くないですか?」
エルヴィン「おー、いーじゃんいーじゃん……うわ、予算オーバーだ」
ヒイロ「うーん……なら、他の店に行って探しましょうか」
モニク「うーん、悩むなー(あれ付けたらマイはもっと格好良くなるな。第1候補だ)」チラッ
マイ「そうですね……(あれ贈られたら凄く嬉しいですね……)」チラッ
389 名前:4/5 :2012/07/26(木) 00:06:15.77 ID:???
エルヴィン「結局、2人とも僕達の誘導したものを買いましたね。何か悪いな……」
ヒイロ「今の2人は、買ったという結果が大事だとアムロ兄さんは言っていた。問題無い」
エルヴィン「それで、そろそろ夕食ですけど……」
ヒイロ「予定の記載が無い。人通りが多いから、はぐれないよう進むしかないな」
エルヴィン「そうですね……あっ!」
どんっ
マイ「すいません」
ミケロ「おいおい兄ちゃん、女連れだからって調子乗って肩ぶつけてんなよ?」
モニク「そちらからぶつかって来てその言い方は無いだろう!」
ミケロ「かーっ、威勢の良い姉ちゃんだねえ。おい貧弱男。この女の勇気に免じて、コイツを差し出せば見逃してやるよ」
モニク「何を意味の分からない事を……」
マイ「その交渉は受け付けません」ズイッ
モニク「マイ……?」
ミケロ「あんだぁ、俺とやろうってのか?俺はガンダムファイターだぜ?」
マイ「勝てる見込みはありませんが、引き下がるわけにもいきませんから」
ミケロ「ヒャヒャヒャ、泣けるねえ。ま、泣くのはテメエの方……」
どんっ
ミケロ「痛っ!テメエ、どこに目ぇ付けてんだよ!」
サンダース(タンクトップ)「すまないな、肩に眼が無いものでな」
ダリル(タンクトップ)「あまりに動きが大きかったもんでな、ぶつかってしまった」
ミケロ「え、いや……俺こそすいません……」
サンダース「是非お詫びがしたい。こちらに来てくれないか?」グイッ
ダリル「大丈夫、少し裏道に入るだけだ」グイッ
ミケロ「ちょ……助け……おまわりさーん!」ズルズル
エルヴィン「ヒヤッとしたけど何とかなったね」
ヒイロ「ああ、俺は関与していないがシロー兄さんの手回しだろう。それより、問題が発生した」
エルヴィン「問題?」
ヒイロ「2人を見失った」
エルヴィン「……えーっ!?」
390 名前:5/5 :2012/07/26(木) 00:06:58.59 ID:???
とある隠れ家的レストラン
マイ「今日は楽しかったですね」
モニク「それにしても……こんな高級そうなお店で食事なんて良いのか?」
マイ「ええ。お金は先に払ってありますから、気にしないでください」
モニク「ふふ、マイは気が利くな」
マイ「そう言われると照れますけど……実は兄さんが良くやる方法を借りたんです」
モニク「そうなのか?そう言えば、手回しが良いとはよく聞くな」
マイ「ええ。今日にしたって、ヒイロとエルヴィンに頼んで僕達をサポートしてもらったみたいですし」
モニク「エルヴィンも!?」
マイ「朝からずっといましたよ。僕もずっと、気付かないふりをしていましたけど」
モニク「そうだったのか……という事は!」キョロキョロ
マイ「大丈夫です、ここにはいませんよ。ちゃんと、2人きりで楽しみましょう」
モニク「そ、そうだな」
マイ「じゃあ……」
マイ・モニク「「乾杯♪」」
エルヴィン「……で、食事だけしてそのまま帰ってきたの?」
モニク「も~あの時のマイったら格好良すぎる!惚れ直したー!」
エルヴィン「なんでそれだけで満足しちゃうんだよ!?せっかく撒いたんだから行くとこまで行こうよ!」
モニク「そんな事したら姉さん幸せすぎて死んじゃうぞー?お化けだぞー?うらめしやー」
エルヴィン「しかも酔ってるよ!酒の勢いって言うけどむしろストッパーだよ!」
モニク「うふふ、明日からマイとお揃いのアクセサリーで出勤するんだ。
恥ずかしいなー楽しみだなー」
エルヴィン「(母さん、僕の苦労はまだまだ続きそうです……)」
おわり
最終更新:2015年10月18日 13:26