850 名前:通常の名無しさんの3倍 :2012/09/26(水) 03:56:37.79 ID:???
『怖い人は嫌イ。私に近づカないデ!!』

エイガー「ちっ…闇市場に流通したEXAMの暴走かよ。シャレにならねぇぞ!!」

『私を苛めル怖い人……私をここに閉じこメた人……』

エイガー「くそっ…援軍はまだかよ」

『こコからいナくなれぇぇぇぇーー!!』

ドドドドド!!!

エイガー「がっはっ……ちっ…ちょっとシャレになんねぇな。
      おい傭兵、手が足りなくて雇ったが、ここまででいいぜ。逃げろ」
イライジャ「何を言っている!」
エイガー「警官が一般市民巻き込んで殉職しましたじゃ、お話にならねぇんだよ!!」
イライジャ「傭兵が雇い主を見殺しにして逃げたんじゃ、商売あがったりだろう!」
エイガー「馬鹿野郎が。相手はNTだぞ」
イライジャ「いつだって俺は格上と戦ってきたさ……それにNTっていったて向こうにはファンネルの類はない」
エイガー「二人でならやれるってか……」
イライジャ「連携はお互いの信頼関係が大事だ」
エイガー「はっ!即席もいいとこのコンビだぜ」
イライジャ「………」
エイガー「……死ぬなよ」
イライジャ「お前もな」

『アアア゛あぁ゛アあ゛アァ阿あ゛亜゛ぁぁあアーーーーー!!!!』



―― ・ ・ ・



851 名前:通常の名無しさんの3倍 :2012/09/26(水) 03:57:15.24 ID:???
エイガー「よう、生き残りやがって。お陰で金払わないといけねえじゃねえか」
イライジャ「ふん。依頼料を受け取るまでが傭兵だ」
エイガー「たっく……しかしやばかったな。こんなのが出回るなんざ、どうかしてるぜ」
イライジャ「近接戦闘タイプのアヘッド・サキガケに搭載されてたのは幸いだったな。
       機動力は想像を絶していたが、遠距離から攻撃することができた」
エイガー「腕の良い砲撃手が味方で良かったろ?」
イライジャ「ふん……」
エイガー「だがよ、まぁ、よく言ったモンだよな……ゴキブリは一匹みたら百匹いると思えって」
イライジャ「今度はしっかりファンネル付きだ。量産型キュベレイ7体だからな」
エイガー「……依頼はサキガケ一機までだぜ」
イライジャ「アフターサービスだ。どうせここを切り抜けなきゃ、帰りようもない……っ!」



―― ・ ・ ・

イライジャ「うおおぉおおおぉぉぉ!!!」
ガガガガ…
『どうシて? どうして戦ウの? 戦いが好キな人は嫌イ!』
イライジャ(俺はスーパーコーディネーターでも戦闘用コーディネーターでもない。
       ただのコーディネーターって言えるだけの力もない。ナチュラルと変わらない!!)
イライジャ「それでも、俺は傭兵だ!!サーペントテールだ!!」
ジャキン!
エイガー「傭兵、腕が!」
イライジャ「NTを模した機械なんかに負けてたまるか!!」
ボンッ!
イライジャ「まずは一機…ッ!」
エイガー「だが、もうお前の機体は……」

???『ここから先は任せろ』
???『俺達海賊にな!!』

エイガー「クロスボーンガンダム!?」
イライジャ「それに最近現れたダークハウンドってヤツまで!!」

キンケドゥ「兄さ…キャプテンアッシュ、相手はファンネルを搭載したNT専用MSだ」
アッシュ「ふっ…そうか」
キンケドゥ(兄さん、海賊やってる時はちょっと性格変わるなぁ……)
アッシュ「心配するな、俺はスーパーパイロットだ。Xラウンダーだろうと、NTだろうと遅れはとらん!」





戦場に乱入したクロスボーンガンダムとダークハウンドはそれぞれEXAMによって暴走した量産型キュベレイを三機ずつ破壊
その後、他の暴走機体が存在しないか周囲を確認すると姿を消した      (エドガー刑事の報告書より)





852 名前:通常の名無しさんの3倍 :2012/09/26(水) 03:57:58.72 ID:???
―― ・ ・ ・

カミーユ「このフランの記事だと、EXAM相手とはいえNT専用機を倒せるのんだから
      キンケドゥとキャプテンアッシュはニュータイプか、あるいはスーパーコーディネーター、
      イノベーター、Xラウンダーの類じゃないかって意見だけど、どう思う?」
イライジャ「俺もそのNT専用機を一機落としてるんだ。それが答えだろ」
カミーユ「だよな。NTって戦争の道具じゃないんだし」
イライジャ「……お前の兄弟にもいたよな、ナチュラルなのにNTに勝ったヤツ」
カミーユ「ガロードの事か?」
イライジャ「そいつが案外海賊だったりしてな」

< コーヒーのお客様

カミーユ「あ、俺です。……海賊やってるガロードって結構想像がつくな。でもアリバイがあるから違うって」
イライジャ「そうか。いい推理だと思ったんだけどな」
カミーユ「そういえばアセム兄さんもXラウンダーに勝ったことがあるな」
イライジャ「お前の兄弟戦闘力高すぎ。
       っていうか、そうか。じゃあガロードがNTに挑んだのだって兄貴の前例があったから無謀って思わなかったのかもな」
カミーユ「ん……まあ、ちょっと色々」
イライジャ「色々?」
カミーユ「先に挫折したのはアセム兄さんなんだけどさ。ああ見えて兄さん結構繊細で」
イライジャ「お前にナイーブって言われるぐらいだと、相当だな」
カミーユ「殴るぞ」
ズズズ…
カミーユ「自分がオールドタイプなの気にしてたみたいでさ。なんか友達もXラウンダーだったみたいで」
イライジャ「……そういうのって結構辛いよな」
カミーユ「俺から見ても、結構追いつめられてた時期があったんだ、アセム兄さん。
      Xラウンダー領域を無理矢理広げる装置とかに手を出そうとした時もあって……
      もちろん、アムロ兄さんとかは止めたんだけど」
イライジャ「アムロさんか……アセムの立場からだと、ちょっと難しいよな。
       他でもないNTであるアムロさんが特別な力に頼るなっていっても、素直には聞けない。
       俺もそうだったよ。劾に傭兵として認めて貰ったことは嬉しかった。でも認めて貰うって
       そう考えること自体が、相手の方が上だって思ってる証拠なんだ。
       それはそれで別に否定する感情じゃない。けど、対等な相手からの言葉じゃないと心に入らない事ってあるからな」
カミーユ「そういう事なのかもな。まあ、そういう訳でアセム兄さんが情緒不安定でさ。
      環境を変えた方がいいんじゃないかってブライトさんからアドバイスがあって
      ブライトさんの息子さんのハサウェイとかも、環境変えることで精神的に良くなったっていうし
      アセム兄さんはウルフって人の所に預けられることになったんだ」
イライジャ「ふーん」
カミーユ「ウチの兄弟って結構性格が過激なの多いだろ?」
イライジャ「お前とかな」
カミーユ「五月蠅いな。まあ、そんな訳で結構家出とかするヤツも多かったりするんだけど
      なんていうか、アセム兄さんってそういうの無くてさ」
イライジャ「お前の兄弟の中じゃ珍しい優等生タイプか」
カミーユ「だから余計に溜め込んじゃうのかもな」
ズズズ…


853 名前:通常の名無しさんの3倍 :2012/09/26(水) 03:59:11.89 ID:???
カミーユ「……前にちょっと、アセム兄さんにその時の話を聞いたことがある。
      別に秘密って訳じゃないから話すけどさ……」


ウルフ『いいじゃねぇじゃ、Xラウンダーになれないなら、お前はスーパーパイロット、アセム=アスノになればいいんだよ』
アセム『スーパーパイロット……?』


イライジャ(スーパーパイロットだって?あの時海賊達の会話の中でそんな単語が入ってなかったか?)
カミーユ「そう、言われたんだってさ」
イライジャ「それでお前のお兄さんは立ち直ったのか?」
カミーユ「いや、全然。ウルフさんの言うことを信じることができなかったってさ」


アセム『でもウルフさんの言うことも分からなくもないし、居候して迷惑もかけてるし
     それで納得したフリをして、それで家に帰ることにしたんだ。
     それで家に帰ったらビックリしたよ。あんなに家の空気が暗いことってあるんだな』
カミーユ(兄さんが情緒不安定の時も大分暗かったよ……)
アセム『ガロードに何があったんだ?』


イライジャ「え?そこでガロード?」
カミーユ「最初にお前が言ったろ?ガロードはNTに勝ったって。正確には人工NTだけど。
      でもそれはリベンジなんだ。つまりガロードは最初NTに……カリスに負けてるんだ」
イライジャ「そうだったのか」
カミーユ「カリスもああいうヤツだから、自分が一度ガロードに勝ってることを言いふらしたりしないからな。
      結果として最初っからガロードがカリスに勝ったみたいに言われることが多いけど、違うのさ。
      あの時は大変だったんだぜ。悪いことは重なるってこういうことなのかわからないけどさ、
      アセム兄さんに続いて今度はガロードだ。しかもどっちも能力がらみ。
      こうなると自分がNTだったりする事に無意味に責任感じる兄弟だって出てくるし」
イライジャ「お前とか?」
カミーユ「お、俺は別に落ち込んじゃいなかったからな!」


アセム『カミーユ、スーパーパイロットって知ってるか?』
カミーユ『え?』
アセム『NTでもXラウンダーにも負けない凄い強いパイロットの事さ』
カミーユ『………』
アセム『オールドタイプの俺がソレになれたら、ガロードだってなれるよな?』
カミーユ『アセム兄さん……』


イライジャ「くっ……いい話だな。……チーン……
       それでアセムさんの活躍をみてガロードも立ち直ったのか」
カミーユ「いや、それが違うんだな」
イライジャ「え?」
カミーユ「アセム兄さんが一人で修行してる間に、ガロードはガロードでジャミルさんにスパルタされて立ち直った」
イライジャ「え?」
カミーユ「ガロードがカリスにリベンジした後だな、アセム兄さんが戻ってきたの」
イライジャ「えー…」


アセム『そっか、ガロードに先越されちゃったか』
カミーユ『なんていうか……気を落とすなよ、兄さん』
アセム『気を落とすことなんてないだろ。順番がちょっと変わっただけだ。次は俺の番だ』
カミーユ『え?』
アセム『これからゼハートに挑んでくる。絶対勝ってくるからな』




854 名前:通常の名無しさんの3倍 :2012/09/26(水) 04:00:31.19 ID:???
カミーユ「………」


アセム『あの時……ガロードの姿を見たとき、俺は気づいたんだ。
     俺は弟のあんな姿を見たくないって。その為になら自分がNTじゃなくても
     Xラウンダーじゃなくても、戦えると思った。強くなれると思ったんだ。
     俺は大切な誰かの為に強くなりたいんだって。いや、強くあり続けたいんだ。
     そこに自分の生まれ持った能力だとか、時間だとかは関係ないんだよ』


カミーユ「ウチの兄弟でMSの操縦が上手い奴は多いけど、パイロットであるために努力してるのは
      ドモン兄さんとアセム兄さんが双璧って気がするな」
イライジャ「………」
カミーユ「ま、パイロットって言っても今の世の中じゃ中々ガチの戦闘なんて起きないけどな
      あ、でもシロー兄さんみたいに警察に入れば役に立つかも」
イライジャ「あとは海賊とか、な」
カミーユ「アセム兄さんが海賊?ないない、全然想像できないって
      シーブックとアセム兄さんだけは絶対ない。一番遠いだろ、この二人は」
イライジャ「そうだな。けどやっぱり、NTってヤツは万能でもないらしい」
カミーユ「そうだって言ってるだろ。万能ならお前みたいな皮肉屋と友達付き合いなんかしたりしないよ」
イライジャ「可愛く無い奴だな」
カミーユ「俺に可愛いとか言うな」




















デシル「聞いて驚け、ゼハート。イゼルカント様の書き置きによると、今日のオヤツはプッチンプリンだ」
ゼハート「デシル兄さん、それは本当か!?」
デシル「ああ、これが書き置きだ。そして冷蔵庫の中もすでに確認済みだぜ」
ゼハート「そうか。じゃあ私はスプーンを用意するよ」
デシル「待てよゼハート。プッチンプリンは一セット3個なのを忘れちゃいないか?」
ゼハート「確かにその通りだ。ここは戦士として兄さんと私が一個ずつ、残りの一個を半分こして食べよう」
デシル「ああ?お前何言ってるんだ!!」
ゼハート「私が何か間違って……ハッ!そうか、残った一個はイゼルカント様に残しておけと、そういう事なのか兄さん!
      デシル兄さん、私は自分が恥ずかしい。私は私がプリンを食べたいばかりに、イゼルカント様をないがしろにしていた!
      私は戦士として失格だっ!!」
デシル「馬鹿か、お前は。イゼルカント様はもう歳だろうが!プリンなんて甘いもん食わせられるかよ」
ゼハート「兄さん……そこまで考えていたとは。正直私は今のいままで兄さんを見損なっていた。ただのDQNだと……」
デシル「俺の偉大さが分かったようだな、ゼハート。そうだ、俺は兄でお前は弟だ。
     だから俺が二個プリンを食べる!!お前は1個だけだ、ゼハートォォォ!!」
ゼハート「兄さん、一瞬でも兄さんを信じた私が愚かだった!!!
      いつもそうだ。理想の兄弟関係はいつも私の手から零れてしまう!!私は掴みたかったのに……
      私は……私は……アセムが羨ましかった。兄弟との胸温まるエピソードがあるアイツがっ!!
      アセムゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

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最終更新:2015年11月05日 19:03