45 名前:オリヴァーさんの割と普通なデート風景 1/6 :2012/09/29(土) 11:09:22.22 ID:???
マイ「アムロ兄さん、ちょっとお話が…あれ」
ウッソ「マイ兄さん。どうしたんです?」
マイ「アムロ兄さんに用事があったんですけど…いないみたいですね」
ウッソ「なんか今日はみんな忙しいみたいで。家には僕とマイ兄さんだけしかいませんよ」
マイ「そうなんですか。…困ったな」
ウッソ「何かあったんですか?」
マイ「明日モニクさんと会うのですが、どこに行こうか悩んでいまして。兄さんなら何かいい案があるのではないかと思ったのですが」
ウッソ「へえ…僕はよくわかりませんけど、知り合いにわかりそうな人がいますからその人に聞いてみますよ」
ドンストップキャーリオーン!
カテジナ(秘書見習い)「着信メロディ…どこから…」
クロノクル「すまない、私の携帯だ。…クロノクルですが」
ウッソ『クロノクルさんですか? ウッソです』
クロノクル「おお、ウッソ少年! 君から私に電話とは珍しいな。何か用かな?」
ウッソ『マイ兄さん…あ、マイっていうのはうちの兄なんですけど。その人が最近、女の人と付き合いはじめまして。
それで、女の人を誘うのにいいところはないかって相談されたんです。どこかいいところ知りませんか?』
クロノクル「心当たりはないではないが…なぜ私に?」
46 名前:オリヴァーさんの割と普通なデート風景 2/6 :2012/09/29(土) 11:26:59.58 ID:???
代理リリーフ
ウッソ『シャクティに聞いたんですけど、ザンスカール社って社内恋愛を推奨しているって聞きまして。
それならどこかいいところを知ってるんじゃないかと』
クロノクル「なるほどな。しかし、君の兄さんが気に入ってくれるかどうかはわからんぞ」
ウッソ『いいですいいです。どこですか?』
クロノクル「うちの元社員が経営している店で、レンダの家という店があってな。自分で設計した家をそのまま喫茶店として利用しているんだ。
雰囲気的に一人で入るにはつらいだろうが、恋人同士で訪れるならいいんじゃないか」
ウッソ『へえ…』
クロノクル「写真と地図は送っておく。…では、私は仕事があるのでな。ほかに用事がないなら切らせてもらうぞ」
ウッソ『ありがとうございます。お仕事中にすみませんでした』
クロノクル「気にするな。我が社の次期社長の頼みなのだからな」
ウッソ『えっ』ブツッ
カテジナ「…ウッソからですか。仕事中に電話なんて」
クロノクル「そう言うなよ。私の休憩時間を少しばかり削れば問題ないさ」
カテジナ「それが問題だって言うんですよ。体を壊したら…」
クロノクル「マリア社長がいない間の業務を誰がこなしていると思ってるんだ? その程度で壊れるような体ではないよ」
カテジナ「…あまり無理はしないでくださいね」
クロノクル「ありがとう」
カテジナ「ところでそのレンダっていう人の店。いいところみたいですね。今度私も連れて行ってくれませんか?」
クロノクル「いいぞ。じゃあ、それを励みにもうひと頑張りといこうか」
カテジナ「はい!」
47 名前:オリヴァーさんの割と普通なデート風景 3/6 :2012/09/29(土) 11:27:47.37 ID:???
ウッソ「…だそうです」
マイ「写真を見る限り雰囲気もよさそうですね。ありがとう、ウッソくん」
ウッソ「家族のためですからね。がんばってください」
マイ「がんばる? 喫茶店で何をがんばるのでしょうか」
ウッソ「………」
翌日。
喫茶『レンダの家』
キスハール「…私の子供を産んでくれないか、カリンガ」
カリンガ「キスハール…その言葉を待っていたわ…!」
キスハール「カリンガ…!」
カリンガ「キスハール…!」
レノア「ぱとりっくぅぅぅぅぅぅぅ!」
パトリック「れのあぁぁぁぁぁぁ!」
コーラサワー「大好きです! カてぶべっ!?」
カティ「お前が喫茶店なんて洒落た場所を選んだ時点で疑うべきだったよ…!」
48 名前:オリヴァーさんの割と普通なデート風景 4/6 :2012/09/29(土) 11:28:24.65 ID:???
マイ「さすがに、カップルが多いですね」
モニク「そ、そうだな」(私もやって…いや、人前でそんなことは…)
マイ「大丈夫ですか? 顔が赤いようですが」
モニク「き、気のせいだ! ええと、席は空いているところなら自由に座っていいらしいな。どこに座る?」
マイ「そうですね。あのあたりに座りましょうか」
モニク「よし。行こうか」
モニク(しかし、羨ましいな…私もいつか…いかん、想像したら鼻血が)「す、すまない。少し席を外す」
マイ「わかりました」
レンダ「いらっしゃい。メニューを届けに来たよ」
マイ「ありがとうございます」
レンダ「あんたたち、ここは初めて?」
マイ「はい」
レンダ「さっきから見てたけど…お連れさんにはちょっと刺激が強かったみたいだね」
マイ「? MSの工廠よりは静かだと思うのですが」
レンダ「そういう意味じゃなくて――あら、ドゥカー!」
ドゥカー「やあ、レンダ」
レンダ「仕事中だったんじゃないの?」
ドゥカー「ちょうと近くを通りかかったんだ。そうしたら、君の顔が見たくてたまらなくなってな」
レンダ「ドゥカー…!」
ドゥカー「レンダ…!」
49 名前:オリヴァーさんの割と普通なデート風景 5/6 :2012/09/29(土) 11:29:01.31 ID:???
マイ「あの」
ドゥカー「おおっと、失礼。お客人の前で。では、私は仕事があるので、これで」
マイ「仲がよろしいのですね」
レンダ「まあね。あんたも頑張りなよ」
マイ「頑張る、ですか。弟にも言われましたが…」
レンダ「ほっといても勝手に寄ってくるなんてのはさ、男の傲慢だよ。愛する人は自分から捕まえに行く努力をしないとね」
マイ「…はあ」
レンダ「別に好きじゃないってんなら、構わないけど」
マイ「そ、そんなことは!」
レンダ「なら、頑張らなきゃいけないね」
マイ「はい」
レンダ「いい殺し文句、教えてやるよ。『私の子供を産んでくれ』ってね。必要だと思ったら使ってみな」
マイ「ありがとうございます。…しかし、使う機会があるかどうか」
レンダ「なーにビビッてんのさ。いい? 女からそういう告白をするってのは男の何倍も恥ずかしいもんなのよ。
男から言い出すのを待ってることもある。だからさ、あんたの方から言ってやるんだ。いいね?」
マイ「わ、わかりました」
モニク「す、すまない。時間がかかってしまって」
マイ「気にしないでください。興味深いお話が聞けました」
モニク「?」
レンダ「さあさ、初めてのお客には自慢のコーヒーか紅茶を一杯だけ無料で提供することにしてるんだよ。ゆっくり飲んで、語らっていきな」
マイ「はい。ありがとうございます」
モニク(…何やら嬉しそうな顔をしている気がする。…気のせいか? 私が嬉しいからそう見えているだけか? むむむ…)
その後、美味しいコーヒーや紅茶を嗜みながら、他愛もない会話を楽しんだ。
50 名前:オリヴァーさんの割と普通なデート風景 6/6 :2012/09/29(土) 11:29:38.25 ID:???
その夜。
マイ「ただいま帰りました」
アムロ「ま た 夜 帰 り か」
ロラン「そう露骨に落ち込まなくても…」
アムロ「いい加減、朝帰りしてもいいだろうに…」
シロー「ここまで進展するのにだってあんなに時間かかったんですから。気長に待てばいいじゃないですか」
アムロ「ぐぬぬ…」
マイ「あ、ウッソくん」
ウッソ「なんですか?」
マイ「いい場所を教えてくれてありがとう」
ウッソ「あ、はい。楽しかったですか?」
マイ「はい。とても」
ウッソ「よかったです」
マイ「私の子供を産んでくれ…か」
アムロ「何か言ったか?」
マイ「いえ。いつか言える日がくればいいな、と思いまして」
アムロ「?」
意外とまんざらでもない様子で、マイは部屋を後にした
最終更新:2015年11月08日 19:37