アムロ「お、今日は目玉焼きか。五飛、醤油を取ってくれ」
五飛「それくらい自分で取れ」
シロー「反抗期ってやつかな……はい、兄さん」
アムロ「ん、ありがとう。やっぱり目玉焼きには醤油だな」
ドモン「醤油か……旅先には醤油なんて無いから、海水を蒸発させて作った塩を卵にかけたりしてたな」
ロラン「ドモン兄さんの目玉焼きにはちゃんとお塩が適量かけてありますよ」
キラ「目玉焼きにソースどばどば」
シン「あんたの味覚はいったい何なんだー!」
キラ「これが美味しいんだよ」
五飛「待て、目玉焼きにソースは正しいのか?」
キラ「へ?」
五飛「目玉焼きにソースは正しいのかと聞いている!!」
キラ「正しいもなにも、単に好みの問題でしょ?」
五飛「人類が皆自分の好みを優先していては、世は乱れる。すなわち悪だ!!」
キラ「たかがソースで大袈裟な……」
五飛「もう一度聞く。目玉焼きにソースは正しいのか!?」
アムロ「ん……関東は醤油で、関西はソースって聞いた事あるぞ」
五飛「ではソースは正しいんだな!?」
シロー「関東でソースの人も、関西で醤油の人もいるでしょう?」
五飛「では正しくないのか!?」
ドモン「なあ、塩は?」
ロラン「醤油やソースが作られる前から存在するものですから、目玉焼きにかける調味料として最初に選ばれたのは塩では?」
五飛「ならばアムロ兄さん(醤油)とキラ兄さん(ソース)は悪で、ドモン兄さんが正義か!」
アムロ「どうでもいいから五飛も早く食え、冷めるぞ」
五飛「俺は正義だ……目玉焼きには何をかければいい……? 教えてくれナタク……俺は……」
キラ「五飛の目玉焼きにソースどばどば。これでソース派が増えると嬉しいな」
五飛「正義は俺が決める! キラ兄さんは悪だぁ!!」ガシッ ギュウギュウ
ロラン「今度からオムレツにしましょうか……あれならみんなケチャップだから、もめないでしょうし」
アムロ「そうしてくれ」
ギンガナム「否! 断じて否! 小生、オムレツより目玉焼きが好きである!!」
五飛「お前は正しいのか? 人の家の朝食を勝手に食べるお前は正しいのかと聞いている!!」
ギンガナム「正しい!」
五飛「……そうか……?」(誰も否定しない……? た、正しいという事か)
ロラン(間違ってるって言うとまた騒ぎになりそうだしなぁ……五飛にギンガナムさんを追い出せるとは思えないし)
キラ(間違ってるって言いたいけど五飛に首を絞められてて言えない……あ、何か頭がボーっと……して……き……)

628 名前:もしもヒイロの代わりに五飛が兄弟だったら 2/3投稿日:2006/03/12(日) 22:26:11 ID:???
ロラン「さて、買い物に行かないと……買う物が多いな。誰か手伝ってくれない?」
コウ「ガンプラの発売日だから行かなきゃ」
シーブック「グライダーの部品の安売りやってるから行かなきゃ」
ガロード「さてジャンク漁りに行こうか」
ジュドー「おう。行ってきまーす」
アムロ「わざとらしい連中だな。おい五飛、行ってやれ」
五飛「分かった。ロラン兄さん、俺が行く」

ロラン「ありがとう五飛、荷物持ちをしてくれて」
五飛「気にするな。俺は正しい」
ロラン「お礼に今日は五飛の大好きなチャーハンにしよう」
五飛「それはありがたい」
ロラン「いえいえ。……あ、ヒイロ君だ。こんにちは」
ヒイロ「ロランと五飛か」
五飛「貴様、こんな所で何をしている?」
ヒイロ「リリーナが来週商店街をお忍びで視察に来る。護衛のため下見をしている。お前達は?」
ロラン「見ての通り、夕飯の買出しですよ。他にもトイレットペーパーとか色々」
ヒイロ「兄の手伝いか、立派な事だ」
五飛「当然だ、俺はつねに正しい」
ロラン「お礼に今日はチャーハンにしようって、今話してたとこなんですよ」
ヒイロ「……買出しを手伝う見返りという訳か」
五飛「見返りだと……? も、もしやこれは賄賂になるのでは……」
ロラン「なりませんよ」
ヒイロ「兄弟全員が等しく晩御飯のメニューに期待を寄せる中、お前だけが贔屓されるという事は、賄賂と考えていい」
五飛「お、俺は正義だ……だが、過ちを犯してしまった。今の俺は悪以外の何者でもない……」
ロラン「五飛、賄賂じゃないってば!」
五飛「俺にはナタクに乗る資格は無い。うおおっ!!」
ロラン「ああっ! ……走って行っちゃった……一人じゃ持ちきれない量の物を買う予定なのに、どうしよう……」
ヒイロ「……それは、すまない事をした。俺のミスだ、自爆する」
ロラン「うわあぁぁぁっ!!」

629 名前:もしもヒイロの代わりに五飛が兄弟だったら 3/3投稿日:2006/03/12(日) 22:26:57 ID:???
ロラン「ああぁぁぁっ!! ……あ、あれ? 夢……かぁ……。最近変な夢をよく見る……」

ロラン「今日は晩御飯の材料だけじゃなく、トイレットペーパーとかも買わないとな……一人じゃ持ちきれない」
アムロ「誰か、荷物持ちやってやれ」
コウ「ガンプラの発売日だから行かなきゃ」
シーブック「グライダーの部品の安売りやってるから行かなきゃ」
ガロード「さてジャンク漁りに行こうか」
ジュドー「おう。行ってきまーす」
ロラン(こ、この展開は……)
アムロ「わざとらしい連中だな。おいヒイロ、行ってやれ」
ヒイロ「分かった。ロラン兄さん、俺が行く」
ロラン「い、いえ。一人で大丈夫、工夫すれば一人で持って帰れると思うから……。じゃ、行ってきます!」
ヒイロ「………………アムロ兄さん」
アムロ「ン?」
ヒイロ「ロラン兄さんが俺を避けたように思えた……何故だ?」
アムロ「確かにそういう風にも見えたな……」
ヒイロ「…………」

ロラン「えっと、これとこれを買って……ううっ、何で今日に限って特売日が重なってるんだ……」
ヒイロ「ロラン兄さん」
ロラン「わっ! ひ、ヒイロ?」
ヒイロ「……半分持とう。渡してくれ」
ロラン「あ、ああ……ありがとう」
ヒイロ「………………ロラン兄さん。俺は、何かミスをしたか?」
ロラン「えっ!?」ビクッ
ヒイロ「さっき……ロラン兄さんは俺を避けていたように見えた。嫌われるような事を、俺はしてしまったのだろうか」
ロラン「……ごめん、誤解させて。あれはそういうんじゃないだ、ヒイロは何も悪くないよ」
ヒイロ「…………了解した」
ロラン「ありがとう、来てくれて。ヒイロが僕の弟でいてくれて嬉しいよ」
ヒイロ「…………」

仏頂面で荷物持ちをしているヒイロだが、長年付き添ってる兄弟のロランだけは、
彼が小さく微笑んでいる事に気づいていた。


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最終更新:2019年02月19日 21:08