935 名前:デシルの出汁 :2012/11/23(金) 00:18:28.59 ID:???
デシル「は?僕にケーキが売れない?何でだよ!」
ギリ「いつも買いに来てくれてるフラムって子から聞いてね。病気の弟さんにいつも土産で買って行ってるんだろ?
生憎、今日のケーキはクリームからスポンジまでGTシュガー使用でね」
デシル「ぅ…な、なら!」
ギリ「前みたいに何か教えろって言うのか?…いいさ、こっちに来いよ」
デシル「い、いやに素直じゃないか!別に僕は教えてなんて頼んでなんか」
ギリ「なに、弟思いの兄貴に手を貸してやりたくなっただけさ」
ギリ「昆布は沸騰前に取り出す…で、間髪いれず鰹節を入れる」
デシル「こ、こう?」
ギリ「昆布の取出しがちょっと遅いがいい線行ってるよ」
デシル「なんか地味な作業だな…」
ギリ「地味なモノか。出汁は料理の基本…美味い料理文化は出汁の文化だ。出汁を馬鹿にする奴は出汁に泣く
それに、丁寧に作ればその分美味しくなるぞ」
デシル「そういうものかな…」
ギリ「そういうものさ」
デシル「…」
ギリ「人間関係も出汁をとるのと一緒さ。丁寧に、相手を思ってやってれば、美味く行く」
デシル「…何の話だよ」
ギリ「なに、出来合いものを買って与えるだけが優しさじゃないってことさ」
デシル「ということで夕飯は僕が作った!」
フラム「これ…は、うどん?」
ゼハート「きつねうどんだな」
デシル「病人には饂飩がいいと聞いたからね。さっさと食べなよ」
フラム「…お、美味しいです!」
ゼハート「…う、美味いよ」
デシル「そうだろそうだろ!お揚げも僕が煮たんだ!」
ゼハート「…その、ありがとう兄さん」
フラム「…ゼハート様」
デシル「れ、礼なんか言ってる暇があったらさっさと治せよ!軟弱な弟を持つとコレだから…」
ルペ「にしてもこのきつね饂飩、良い出汁が出てるねぇ」
デシルフラムゼハート「「「いつの間に!!」」」
ルペ「細かいことは気にしない…さて、デシル。アタシ達は風呂で出汁取りでもしようじゃないか」ズルズルズル
デシル「うわやめ!は、放せ!放せぇぇぇぇぇっ!!!」
最終更新:2015年11月24日 21:23