758 名前:通常の名無しさんの3倍 :2014/02/09(日) 04:36:13.76 ID:???
ピンポーン

ユノア「こんにちわー」
カトル「やぁ、いらっしゃい。あれ?その手に持ってるのは……」
キオ「」グデーン
ユノア「キオ君。この天気なのに雪だるまの首狩ってたから、ちょっと麻酔うって連れてきちゃった」
カトル「そうですか。皆さんすでにきてますよ。さ、どうぞ中へ」
ユノア「おじゃましまーす」
ウィッツ「お、きたか」
アンドレイ「これで全員ですか?」
トロワ「……カトル、やはり俺は帰ろうか?」
カトル「この天気ですよ?今日はウチに泊まっていってください」
トロワ「しかし他の人間がこんなにカトルの家に遊びにくるとは知らなかったんだ……
    これでは迷惑だろう。というより、なぜこの天気でみんな集まったんだ?」
アスラン「家に居づらいからに決まってるだろ!!」ダン!!
アンドレイ「そうだそうだ!!」
カテジナ「ジョナサン会の意味も知らないで!」
ユノア「うふふ……こうして髪形変えるとキオくんお兄ちゃんそっくり……」ヤミヤミ
カトル「お正月の残りですがお餅食べますか?」
ウィッツ「俺、海苔と醤油な」
ユノア「私きなこー」
アスラン「チリソースじゃなければなんでもいい」
アンドレイ「カトル君の家のコタツは大きくていいな」
ユノア「あ、アンドレイさん蜜柑とって」
カテジナ「コタツっていいわよね……アットホームで」
ウィッツ「わかる」
トロワ「……」ミカンムキムキ
アスラン「そうなんだよな。コタツって四面に座ってみんなで囲むもんなんだよな」
アンドレイ「アスラン……まさか君は……」
アスラン「なんでだろうな。ウチの両親は同じ面に一緒に座るのは。三人家族なんだけどな。詰める必要ないんだけどな」
カテジナ「まぁ家族全員でコタツに入るだけマシなんじゃないかしら?」
アスラン「そもそもコンセント抜いたコタツに入る意味があるのか……」
ウィッツ「は?」
アスラン「ウチの両親はコンセントを抜いたコタツに並んで入ってたんだよ!!」ダン!!
カトル「網焼きにするんで、お餅はセルフでどうぞ」
アスラン「このクソ寒い日にどうしてコンセントを抜いてるんだ!」
ユノア「抱きしめあって温め合うからヒーターなんて要らないという理屈」ハイッ
アスラン「正解!!」ビシッ
ウィッツ「なんかもうそのままおっぱじめちまいそうだな」
アンドレイ「おい、下品だぞ」
アスラン「………」
アンドレイ「ア、アスラン君?反論してもいいんだぞ?」
アスラン「今日、俺、家に、居づらくて……」
カトル「………」
カテジナ「………」
ウィッツ「あ、そのよ……ご、ごめんな?」
ユノア「あーこのお餅美味しナー!!」
カトル「ラシード達がついてくれたお餅ですからね!!」
アンドレイ「じゃ、じゃあ私も一つ貰おうかな、ははは!!」
トロワ「………(こっちの蜜柑ハズレだな)」モキュモキュ
キオ「う、う~ん……ここは……?」

759 名前:通常の名無しさんの3倍 :2014/02/09(日) 04:37:42.40 ID:???
ウィッツ「も、餅もいいけどよ、それだけじゃ腹も貯まらなくねーか?」
カトル「そうですね。しょせん残り物ですから量はありませんし。何か作りましょうか」
ウィッツ「その必要はねぇぜ!!じゃーん!!」ドン!!
ユノア「おーお鍋ー!そして蟹、フグ、牡蠣!!」
ウィッツ「これ食って温まろうぜ!最後は餅鍋ってもいいかもな!」
アスラン「いいのか?こんな高級な……それもこんなに沢山」
カテジナ「まぁコッチも大人数だからありがたいけど」
ウィッツ「気にすんなって!」
アンドレイ「済まないな、私達の為に」
ウィッツ「お、おう……お前達の為だからな!!」
カトル(あっ…)ピキーン
カテジナ(あっ…)ピキーン
ユノア(あっ…)ピキーン
ウィッツ「遠慮せずにじゃんじゃん食べてくれよな!俺達仲間だろ!!」
カトル(きっと御家族の為に用意したんでしょうね)
ユノア(みんなを喜ばせようと鍋もって家に帰ったら既に新しいお父さんとお食事中)
カテジナ(それでそっとUターンしてコッチに……)
アスラン「あ、俺もウィッツと比べるとささやかで申し訳ないが、母さんの作ったキャベツの漬け物を……」
ウィッツ「そーかそーか、お袋さんのつくった漬け物か!!」
アスラン「ああ、ちょっと甘いかも知れないけど……」
ウィッツ「お袋の…味か……」
ユノア(アスランさんんんん!!)
アンドレイ「……ゴメン、覚えてない」
カトル「僕なんて知りもしませんよ……」
カテジナ「ふ……あはは……あははははは!!!」
ユノア(うわぁあぁ飛び火してるぅぅぅぅぅ!!)
キオ(蟹の首ってドコなのかなぁ……?)
トロワ(そろそろ野菜を入れるか……)
カテジナ「でも月並みな意見だけど、胃袋を押さえれば男の人って早々逃げることはないハズよね?」
カトル「それは……どうでしょうか?」
ウィッツ「そう…なんじゃねぇの……?」
アンドレイ「母さんのボルシチ……」
アスラン「押さえるっていうのは砂糖やチリソースで制圧するって意味かぁぁぁ!!!」
カテジナ「籠絡でも制圧でも、母が父をそうやって繋ぎ止めてくれれば……!!
      こんな日にどうして年頃の娘一人家に放っておく親って……!!」
ユノア「カテジナさん!こんど私のストーキング術を教えるので、それでクロノクルさんの好みをガッチリ掴みましょうよ!
     それで彼の胃袋をエンジェルハイロゥしてしまうんです!過ちは繰り返すなですよ!!」
カテジナ「そうだ、私は母みたいにはならない!!」ガチッ
ウィッツ「イイハナシダナー」
キオ「ストーカーはモウヤメヨウヨ」
ユノア「キオ君もコタツ入りなよ。風邪ひくよ?」
キオ「あ、はい」モソモソ

760 名前:通常の名無しさんの3倍 :2014/02/09(日) 04:38:49.69 ID:???
カトル「コタツは宇宙の心ですね……」
キオ「僕、髪がいつの間にか金髪にスプレーされているんだけど……」
アスラン「金髪率高いよな、今日」ツーツー
ウィッツ「アスラン、蜜柑のスジ全部取るなんて男らしくないぜ」
アスラン「人の食べ方にケチつけるなよ」
アンドレイ「そろそろ鍋も良さそうだな。どれ、私がよそって回ろう」
キオ「僕も手伝いますよ」
アンドレイ「ははは、気持ちだけで結構だよ。君はこの中で一番年下なのだし」
ユノア「カテジナさん、アレですよアレ!」
カテジナ「ん?」
ユノア「率先してみんなに食事配ったり、お手伝いしたりする女子力ですよ!」
カテジナ「そ、そうか……!!」
アスラン(女子力がなくてもいい……率先してチリソースをぶちまけてくれなければ)
キオ「くしゅん!!」
カトル「あぁ、いけないですね。これは。服が濡れているのかも知れない。変えを持ってきましょうか」
アンドレイ「そうだ、サイズが合わないかも知れないが私はカシミアのセーターを持ってるから取り敢えずコレをきたまえ」
キオ「ありがとうございます」
アンドレイ「君みたいな年頃の子が着るには地味だろうが……」
ユノア(どーしよう……ウィッツさんの時と同じものを感じる……)
アスラン「ねずみ色は暖かそうでいいじゃないか。たしかに父上ぐらいの年の人の方が似合いそうだけど」
カテジナ「察しが悪い子供なんて腹立たしい!!」ブチッ
アスラン「やめろ!前髪を毟るな!前髪ならトロワだろ!俺が何をしたんだ!!!」
アンドレイ「気を使わなくて結構だ。確かにこのセーターは父さんの為に買ったもの」
ウィッツ「アンドレイ……お前……」
アンドレイ「いいんだ。所詮は既製品。ピーリスさんが自分で編んだセーターの方が、例え不格好でも父さんは喜ぶのは理解できる」
カテジナ「そういう手作り至上主義が地球を滅ぼすんだ!!」
アンドレイ「ただね……」
キオ「続きがあるの?モウヤメヨウヨ……」
アンドレイ「父さんの方もコートを私達に買っていたんだ」
アスラン「"達"ってことはちゃんとアンドレイも貰えたんだな」
アンドレイ「そうだな。彼女はミンクの毛皮のコートで私のは……私のは……」
ユノア「ああ…うん……でもホラ、女性モノの方が高いのは仕方ないよ……」
アンドレイ「それは分かる。分かるんだけど、ならいっそ彼女にだけ買ってくればいいじゃないか。
       そうすれば、ピーリスさんは女の子だし、私も自立した大人だからな、で済む話なんだ……」
ウィッツ「あー…確かに二人に買ってくることで"平等にあつかってるよ"つーアピールみたいなの感じるよな」
カトル「その上で値段に差が付いていると……」
トロワ「その値段の差がそのまま兄妹の愛情の差だと」
キオ「片方だけに買ってきたほうが、後で埋め合わせがあるかもって思えるしね。両方だとこの件はお終いってことになるし」
カテジナ「なまじモノを貰ってる分、文句も言いづらいな」
アンドレイ「なんというかコメントに困るんだよ。ピーリスさんは目一杯喜べばいい。で、その横で私のリアクションは何が正解なんだ?
       彼女の分だけなら……良かったですね、似合ってますよと彼女を褒めてお終いなのに」
カトル「ソーマさんと同じテンションで喜ぶのも変ですしね」
アンドレイ「その通りだ。当たり障り無くありがとうございますとだけ言ったら……後で"気に入らなかったのなら返品しようか?"とコッソリ尋ねられた。
       そうじゃない!そうじゃないだろ、父さん!!気を使う部分が間違っているんだ、貴方は!!
       私は別に不満じゃないんだ。ただ途惑ってるだけなんだ……とも言えないだろう、本人は善意なだけに!!」
ウィッツ「なんだよなー本人達は善意なんだよなー」
ユノア「指摘してもそれでスッキリ関係解決ってならないしね。年取ると人間頑固になるし。逆ギレとか、コッチの耳貸さないぐらい落ち込んだり」
カテジナ「メンドクサイわ」
キオ「面倒でもやるんだ……歩み寄ればきっと……」
アスラン「一方的にコッチが近づくしかない状況なんだが。しかもそれが親ってのがな。いや、親も人間なんだって話だけどさ」
カトル「向こうの方が倍以上長く生きているんですけどねぇ……」
トロワ「半端な行動は死に繋がる」
アスラン「突き抜けた行動だって死に繋がるさ」

761 名前:通常の名無しさんの3倍 :2014/02/09(日) 04:39:34.08 ID:???
カトル「トロワは何かありませんか、家族への愚痴」
ウィッツ「そうだぞ、ここで吐き出しちまえ」
トロワ「俺は別に……。そもそも家族などいない」
カトル「サーカス団の皆さんがいるじゃないですか」
トロワ「団長やキャスリンか……そうか、そうだな……」
カトル「そうですよ」ニコッ
トロワ「俺を受け入れてくれるだけで充分だ。愚痴などは……いや、敢えていうならキャスリンの料理か」
アスラン「お前達も大概胃袋関係の悩み多いな」
カトル「あははは……僕の姉の中にも何人かいますよ、その……独創的な料理を作る人が」
キオ「セレーネ姉さんなんて独創的という枠を越えているよ……」
ユノア「大丈夫よ、キオ君!お義姉ちゃんは料理得意だから!!」
カテジナ(アンタの料理は鉄分過剰でしょうが……)
キオ「そうだよね。レインさんやセシリーさん、ロマリーさんみたいに兄さんの彼女さんには料理上手な人もいるんだ。希望はあるよ!!」
ユノア「おのれロマリーさん!何時の間にキオ君を手中にしてたの!!」
キオ「……割とマジメに、将来兄さん達が結婚して家を出て行って、ロラン兄さんまでいなくなったら僕はアセム兄さんの家に転がり込むかも知れない」
アンドレイ「その頃になったら君も結婚して独立してるんじゃないか?」
キオ「僕にそんな相手いるのかなぁ……」
アスラン(なぜだろう。キオ君を見てシンとルナマリアを思い出したのは……)
ユノア(ロマリーさん優しいし、キオ君が懐くのも仕方ないのかなぁ……私も可愛がってるんだけどなぁ……)
カトル(え?)
キオ「あ、でもロマリーさん、僕の部屋勝手に掃除するんだよ!それってヒドくない!」
ウィッツ「完全にお袋のソレじゃねーか」
キオ「僕が部屋に居るときもノックせずに入ってくるし」
トロワ「それはキャスリンもそうだ」
カトル「僕も経験があります。姉ってそういうものなんですよ」
カテジナ「そういう話を聞くと私も弟が欲しかったな」
キオ「どうしてさ!」
カトル「弟にプライバシーは存在しないんです。姉にとっては」
キオ「確かに……セレーネ姉さんもそうだし……横暴だ……」
アスラン「カトルは父親だけでなく姉にも頭を悩ませているのか……」
カトル「基本的には父さんは兎も角、姉さんはいい人ばかりですよ。基本的には」
アンドレイ「念押ししたな」
カトル「まぁ……昔、玩具にされた時もありますから。姉さんのお古を着せられたり……」
キオ「カトルさんもか……」
カトル「女性モノの下着はキツイですよね」
キオ「え?」
カトル「え?」
アスラン「吹雪だけに空気も氷凍るな……」
ウィッツ「お前その発言あらゆる意味で勇気ありすぎだろ」


こうしてジョナサン会の夜はふけていく……

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2016年03月04日 16:41