873 名前:通常の名無しさんの3倍 :2014/05/16(金) 10:28:04.84 ID:???
マリア「実はですね、私はシンさんとお見合いをすることになりました」
ルナマリア「……は?」
マリア「だからシンさんとお見合いをすることが決まりました」
ルナマリア「……嫌あぁぁ! 嫌ですっ! そんな! 私は、私は……!」
マリア「ふふ、あなたが思っているような彼ではありませんよ。
    シン=マツナガさんです」

ルナマリア「あ、そうなんですか……。えー!?」
メイリン「えー!?」
マリア「ふふ、驚かせちゃってごめんなさい」

 しばらく経ったある日、日本風の伝統的家屋の一室には3人の男女が座っていた。
1つのテーブルを間にして向かい合っているのがマリアとシン=マツナガ。
そして2人に挟まれるような形で座っているのがフォンセ=カガチである。

カガチ「本日はお日がらもよく……。硬いことは抜きにいたしましょう。
    今日お見えになられたのはシン=マツナガ様です。
    ご年齢は24歳とお聞きしています」
マツナガ「はい」
カガチ「そしてこちらにいらっしゃるのがマリア=ピァ=アーモニア、29歳です」
マリア「ふふ、女性の前で年齢の話ですか?」

 3人ともなごやかな雰囲気で会話をしている。
その部屋は日本庭園に面しており、頻繁にししおどしが鳴っている。
その様子を遠くの小高い山から見つめているのがシャクティと
我らがこのスレの主人公である主人公兄弟達だ。
各々双眼鏡をのぞいている。
なぜかそれに混じってジョニー=ライデンもいて同じく双眼鏡を使用している。
もちろん会話の内容は部屋につけられた盗聴器からの電波によって
みんなにつつぬけである。

874 名前:通常の名無しさんの3倍 :2014/05/16(金) 10:30:33.34 ID:???
セレーネ「29歳ってアムロ兄さんと年齢が変わりないのね。
     それなのに子どもがいるなんて……」
アムロ「その言葉、そっくりセレーネに返す。セレーネも年齢近いだろう。
    で、シャクティとしてはどうしたいんだ?」

シャクティ「そうですね。私は父がいないので、ゴールインして結婚というのもいいですね」
アムロ「シャクティは賛成なんだな?」
シャクティ「……私がキャスティングボードを握って、みんなで今から部屋に押しかけていって
      お見合いをぶち壊すのもいいですね」
アムロ「どっちなんだ!」

ジョニー「シン=マツナガって奥さんや子どもはいないのか?」
アムロ「知らん。俺は聞いたことがない」
シャクティ「とりあえず様子を見ましょう。何か行動をとるのはそれからでも遅くないはずです」
アムロ「そうだな。シャクティが言うならそうなんだろう」

 場面は変わって和室の中。3人はまだ談笑中である。
よく晴れた空がまぶしい。鳥達が庭に来て、さかんに鳴き声を出している。

カガチ「マリアには子どもが1人いましてな」
マリア「シャクティと申します」
マツナガ「お子様のお噂はかねがね。あまり接点はありませんが」
マリア「シャクティと会う機会はなかなかないですからね。
    親の立場から話すのもなんですがシャクティは真っ白いいい子に育ちました」
マツナガ「品行方正と」

マリア「はい。親の欲目かもしれませんがどこにも恥じない女性だと思っております」

875 名前:通常の名無しさんの3倍 :2014/05/16(金) 10:32:48.15 ID:???
アムロ「このスレのシャクティがいい子なのは認めるがそんなに真白い子なのか?」
セレーネ「親から見るとそうなのよ」
アムロ「うーん……?」
シン「俺は断然ルナの方が好きだー!」
シャクティ「ちょっと黙っていて下さい!」

マリア「ふふ、子ども連れは嫌ですか?」
マツナガ「いえ、決してそのような」
カガチ「シン=マツナガ様は近所の評判では謹厳実直なお方だと」
マツナガ「そう言われるのは嬉しいですがそんなたいした男ではないですよ」
カガチ「それは謙そんというもの。大変すばらしい方だとお聞きしております」

 カガチがシンをほめるのを聞くシャクティ達。
アムロは双眼鏡を下に下ろすとシャクティに聞いた。

アムロ「それでどうするんだ?」
シャクティ「どうするんだとは?」
アムロ「親の結婚とは非常にデリケートな問題だろう?
    シャクティはどうしたいんだ? 賛成なのか?」
シャクティ「そうですねえ……」

アムロ「シャクティの母親って会社の社長ではなかったか?」
シャクティ「そうです。ザンスカールという会社の社長をやっています」
アムロ「クロノクルはこのことを知っているのか?」
シャクティ「私と同じ日に母がお見合いするって聞きました」

アムロ「ではそれまで知らなかったわけだ。今回のことを考えたのはカガチかな?」

 アムロは再び双眼鏡で部屋をのぞいた。
鳥達がさえずる中、相変わらず3人で話をしている。

876 名前:通常の名無しさんの3倍 :2014/05/16(金) 10:36:19.96 ID:???
カガチ「シン=マツナガ様、目の前の女性は気に入りましたかな」
マツナガ「大変気に入りました」
マリア「まあ、お上手な言い方ですこと」

カガチ「一回のお見合いでは何事も決まらないと思いますが……」
マツナガ「……ん? はい」
カガチ「できるなら何回も会って結婚と。真剣に考えていただきたく思います。
    それによって互いの愛情を深めてと。
    本日は後で2人きりで会話を楽しまれるのもよいかと思います」

マツナガ「カガチさん、席をはずされると?」
カガチ「当然です。ですがその前に1つ」
マツナガ「何です?」

カガチ「実は自分は最近主義を少し変えましてな。
    会社のことです。
    まだ先の話にはなりますが結婚した後にはマツナガ様には、
    わがザンスカールに入社していただきたく思います。
    具体的にはザンスカールの社長であるマリアの下、らつ腕を発揮していただくと。
    さらに将来的には社長交代ということも視野に入れております。
    つまりマツナガ様には社長になる可能性があるとお考えいただきたい」

マツナガ「それは困った。その会社には絶対に入らなくてはいけないのですか?」
カガチ「どういうことですかな?」
マツナガ「つまり今の自分の仕事を続けたいということです」
カガチ「結婚とは自由恋愛でしてな。つまり夫と妻が別々に仕事をしてもよいということです。
    しかしこちらとしましては会社のためには人材がほしくてですな。
    次期社長候補もほしいところです。
    その場合、新しいお見合い相手を探して見つけるということになりますな。
    マツナガ様は近所でも評判の高い方ゆえ、ぜひザンスカールにとは思いますが」

マツナガ「はい」

カガチ「もちろんマツナガ様が社長であるマリアとお付き合いをするのは結構です。
    ですが繰り返しになりますがこちらとしては新しいお見合い相手を探すことになりますな」

 シャクティは双眼鏡をのぞくのをやめると、一目散に3人がいる部屋へと無言で走った。
それを追いかけるアムロ達。

アムロ「おい、待て!」

877 名前:通常の名無しさんの3倍 :2014/05/16(金) 10:39:01.31 ID:???
 シャクティを先頭に兄弟達とジョニー=ライデンは日本家屋の庭へと入った。

シャクティ「いいかげんにしてください!」
アムロ「シャクティ!」
カガチ「いったい何だというのだね」

シャクティ「そんなの会社のためにお見合いするって言っているようなものじゃないですか!」
カガチ「何? 誰が会社のためだと言った? 結婚は自由恋愛によるものだと言ったはずだぞ?」
シャクティ「そんなの言外に言っているじゃないですか! 言葉の! 外で!
      わかりやすい悪の何物でもないですよ!」
カガチ「わかりやすい悪だと!?」
ハロ「シャクティ、キレタ。シャクティ、キレタ」

 シャクティは靴を脱いで部屋に上がるとマリアのもとへと走った。

シャクティ「もういい! もういいよ! 帰りましょう!」
マリア「シャクティ……」

 マリアはシャクティをそっと抱きしめた。

 後日。

クロノクル「何!? そういうことだったのか。会社のためにだと!? カガチ、許せん!」
シャクティ「もういいですよ。終わったことですから。
      これ以上出ると話がややこしくなります」

カテジナ「ところでマリア社長は?」
マリア「みんな、ただいまぁ。仕事終わって帰ってきました」
シャクティ「おかえり」
マリア「それでまたすぐ出かけるところがあります」
シャクティ「え?」

 妙にウキウキした足どりで会社用のバッグを下ろすと、マリアは家の外へ出かけようとした。

マリア「マツナガさんのところ。寿司屋『白狼』」

シャクティ「え?」
クロノクル「ちょっと、え?」

 マリア29歳、春が来たのかもしれない。

ジョニー「このスレのシン=マツナガ、奥さんいたら浮気者だな。奥さんいるのか?」
アムロ「だから俺は知らん! そういうことはシャアやギレンあたりに聞け!」

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最終更新:2016年03月24日 20:11