902 名前:1 :2014/11/30(日) 01:34:12.31 ID:rEozTEB70
カミーユ「大尉が鍋をご馳走してくれるって言うから来てみたら……
     豚肉とほうれん草だけだなんて……!」
シャア「常夜鍋では不満かね?」
カミーユ「カニ!カニは無いんですか!?
     大尉の立場の鍋にカニが無いのは、悲しすぎますよ!」
ファ「ちょっとカミーユ、いくら社長でも鍋にいつもカニがあるとは限らないわ。
   きっと、味が混ざらないように別にしてあるのよ」
シャア「なかなか検討外れの擁護をしてくれる。残念ながらカニは無い」
カミーユ「そんな……僕は期待していたんですよ!?今日も、一昨日も、その前だって!
     それを簡単に裏切ってしまうなんて、それが大尉のやる事ですか!?」
ナナイ「社長、彼らを呼んだのは間違いだったのでは……」
シャア「たまには良いだろう。特にこの鍋は、そう上品に嗜むものではないさ」
ブライト「そうだな。変にかしこまって食べたら、味だって分からなくなる」
ナナイ「とはいえ、このまま騒がれるのも……2人とも、少し良い?」
カミーユ「何ですか?僕はカニかまぼこに騙される子どもじゃあありませんよ?」
ナナイ「今回の肉の領収証」チラッ
カミーユ「大きな0が、付いたり増えたりしている……」
ファ「カミーユ!気を確かに持って!
   ああ、マクダニエル何回分なのかしら……!」
ブライト「ダメみたいだな」
シャア「そこはやはりまだ子どもというべきか」
ブライト「しかし……どうやったらこんなに値段になるんだ?食べ盛りがいるとはいえ、たかが7人分だぞ」
シャア「世の中には売る為の値を付けられる程には出回らんものがあるという事さ」

903 名前:2 :2014/11/30(日) 01:35:26.43 ID:rEozTEB70
カミーユ「豚の鍋も美味しいですね」パクパク
ファ「そうね、カミーユ。私、鍋の奥深さを知った気がするわ」パクパク
ブライト「値段を知った途端に……現金な奴だな」
シャア「好きなだけ食べればいいさ。どうせ2人分余分にあるのだから」
ブライト「アムロとチェーンが来れないのは残念だったな」
ナナイ「会社の用事では無いのですか?」
ブライト「一応2人で出張なんだがな……
     明日の事だし朝出れば間に合うんだが、宿を取って前泊している」
カミーユ「珍しいですよね、見せ付けるようなやり方」
ファ「女は色々あるのよ」
ナナイ「若いのに分かった様な言い方、嫌いだわ」
シャア「ナナイ、そういう切り返しは良くないな。ファだって色んな経験をしてきたんだ。
    同じくらい分かる事だってある」
ナナイ「でも……」
シャア「はっきり言うが、鍋の席で諍いは見苦しいな」
ナナイ「分かりました、社長」

カミーユ「案外、締めるところは締めるんですね」
ファ「緩みっぱなしと思っていたわ」
ブライト「滅多に見られない貴重なシーンだ。ビデオがあれば撮っておきたかったな」
シャア「ブライトも乗るな。滅多にとは私は珍獣か?」
ナナイ「あら、まともな大佐はコロニーの降る日だけって、みんな言っていますよ?」
シャア「ええい、こうも悪乗りしてくれる」

904 名前:3 :2014/11/30(日) 01:36:15.31 ID:rEozTEB70
シャア「ところで今更だが、皆に黙っていた事がある」
カミーユ「何です?」
シャア「7人分にしては、肉が多いと思わないか?」
ナナイ「言われてみれば……」
ファ「でも、肉が多いっていい事じゃない?」
シャア「実は、肉に特売品を混ぜておいた」
ファ「なんて事をするんですか!!」
シャア「昨日の肉が余ってしまっていてな」
カミーユ「大尉、僕は大尉を信じていたんですよ!カニは諦めても、肉は食い尽くそうって……!
     それなのに、安物まで混ぜられたらどうすれば良いって言うんです!?」
ファ「そうよ!もう私達はアクシズを落とすしかなくなってしまうじゃない!」
カミーユ「これが正解かな?違うな。良い肉はもっとバーッって煮えるもんな」
ブライト「おい、カミーユが壊れたぞ」
ナナイ「格付けで映す価値なしになった男に肉の違いが分かるとは思えないが……」
カミーユ「価値なしで悪いか!?俺は一般人だよ!!時給750円の高校生だよ!」
シャア「さらりとマクダニエルのアルバイト事情を暴露したな」
ブライト「安いな……ヘンケンもやってくれる」
シャア「まあ、安い肉の下りは嘘だがな。昨日買った肉なのは本当だが、頂武で捌いてもらった良い肉だ」
ブライト「そんな事だろうと思ったよ」
カミーユ「2度も騙すなんて……そんな大人、修正してやる!」
 ぼかっ
ファ「あっ、大尉が宙を舞ってる」
カミーユ「すみません、殴るって決めたら止まらなくて」
シャア「これが若さか……」

905 名前:4 :2014/11/30(日) 01:37:22.78 ID:rEozTEB70
シャア「久々に粛清されたな」
カミーユ「普段は通り越してミンチですからね」
ブライト「それにしても、綺麗に棚の前で落ちたな」
カミーユ「飾っているものを壊すわけにはいきませんから、手加減ですよ」
ファ「飾ってあるもの、ね。
   ……あれ、あれってカミーユがエゥーゴにいた時の写真じゃない?」
カミーユ「殴る!」
シャア「止めろカミーユ!ガラスでコーティングされているんだぞ!」
カミーユ「くっ……手が出せない。これが大人のやる事かよ……!」
ナナイ「普通に取り出して破れば良いのでは……」
ファ「そういうところは子どもなのよ」
カミーユ「だけど、俺はベッドの上では大人ですよ」
シャア「ええい、こうも自然に下ネタを言ってくれる」
ナナイ「……」
シャア「ナナイ!小難しい顔をして俯くな!
    それでは『社長はベッドの上では子どもだわ』と冗談を言おうとしたが本気で取られかねないと躊躇している様ではないか!」
ナナイ「いえ、『社長はベッドの上では子どもだわ』と続こうとしましたが社長のイメージを壊してしまうと躊躇していたのです」
シャア「更に酷くなっている!?」
カミーユ「ハハハッ!子どもだってよ、ざまあないぜ!!」
カミーユ「あんなによろしくやってる噂を立ててた大尉が子どもだったなんて!」
カミーユ「知らせないとな、ツイッターなら地球の重力に引かれないよな。俺のツイートを皆に貸すぞ!」
ブライト「ここぞとばかりに乗っかってくるな。
     シャア。大丈夫か?自分の部屋の隅で頭を抱えるなんて情けないぞ」
シャア「認めたくないものだな、自分の未熟さと言うものを……」
カミーユ「それでも大尉はベッドまでは持ち込んでいるじゃないですか。気にする事ありませんよ」
ナナイ「本当に増長している……これだから子どもは」
ファ「まあ、実際はカミーユも子どもですけれど」

ブライト「おい、2人とも、そんなところで湿気を出すな。飯が不味くなる」

906 名前:5 :2014/11/30(日) 01:38:12.05 ID:rEozTEB70
ファ「ごちそうさま」
ブライト「あらかた食い尽くしたな……もうこんな時間か」
カミーユ「美味しかったです、大尉。次はカニ鍋に呼んでください」
ナナイ「まだ言うか……」
シャア「カニ鍋か……確か、明後日やるかな」
カミーユ「本当ですか!?」
シャア「私のズゴッグを洗うのだが、来るかね?」
カミーユ「嫌ですよそんなカニ鍋!リカールでアッシマーを焼いていた方が、まだマシです」
シャア「では。やってみるか?壊しても良いものが何台かある」
ファ「あるの!?」
シャア「当然だ」
ナナイ「社長、大切な他社の機体をそんな事に使わないで下さい。大破したら、また買わないといけません」
シャア「その時はカミーユ君に働いて返してもらうさ」
カミーユ「断ります。乗って壊してあとは知りませんよ」
シャア「無限ループか。カミーユ君はこうも働きたいとみえる」
カミーユ「何でそうなるんですか!?」
シャア「私だって偶にはボケるさ」
ブライト「え?」
ナナイ「偶には……?」
シャア「……この反応を待っていたのだよ(棒読み)」


シャア「送ろうか?」
カミーユ「いえ、大丈夫です」
ブライト「俺も1人で帰るよ。2人の時間を邪魔したらダメだからな」
ファ「からかわないでください」
ブライト「後片付けをするシャアとナナイの事を言ったんだが」
ファ「!?」
ナナイ「ふふ、青いわね」
シャア「ではカミーユ、アムロに伝えておいてくれ」
カミーユ「『次は来てくれ』ですね、分かりました」
ブライト「じゃあな、気を付けて帰れよ」

 おわり

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最終更新:2016年05月01日 21:53