954 名前:1 :2014/12/06(土) 14:37:35.98 ID:A1jQDA8G0
バナージ「大気圏突入の練習が危険なのは分かります」
ロニ「綺麗な星空だね」
バナージ「俺だって何回も失敗したし、練習に付き合うって言った時点で墜落するのは予想できましたよ」
ロニ「お祖母ちゃんの家で見たのに似てる。でも、星の場所が全然違う」
バナージ「けど、自分から墜落するなんてまともな人のやる事じゃありませんよ!」
ロニ「あっ、流れ星」
バナージ「話を聞けえええええ!」

ロニ「せっかくの素敵な夜なのに、雰囲気を壊す気?」
バナージ「今の状況が分かってるんですか!?」
ロニ「ええ。完全に把握している」
バナージ「俺達は砂漠に墜落しました」
ロニ「運良く不時着に適した場所だったな。しかもオアシスに着陸できた」
バナージ「夜なので迂闊に動けない」
ロニ「体力の消耗が激しい昼間より随分良い」
バナージ「機体はバーニアが完全に壊れている」
ロニ「生命維持に必要な部分は無事だ」
バナージ「携帯は圏外、通信機も故障して弱弱しいSOS電波を出すだけ」
ロニ「一番重要な装置は生き残っている」
バナージ「……わざと言っていませんか?」
ロニ「お前が悲観的すぎるんだ。もっと今の状況を楽しまないと」
バナージ「墜落した元凶が言う事ですか!?
     だいたい、普通にやれば成功してたのになんで急に方向を変えるんです!?」
ロニ「仕方ないでしょ?ハート型の雲があったら真ん中を突き抜けてみたくなるわよ」
バナージ「なんで俺の知り合いはいつも墜落する言い訳が同じなんだろう……」
ロニ「じゃあ、どんな理由が良いかな?恋人みたいな事してたら、なんてロマンチックだよね?」
バナージ「事故にロマンチックもありませんよ!ただ恥ずかしいだけってなんで分からないんですか!?」
ロニ「見られて恥ずかしいのか……バナージもうぶな所があるんだ」
バナージ「そういう意味じゃないでしょう!?」

バナージ「とにかく、ユニコーンを呼びます。最低でもシールドが飛んできて助かります」
ロニ「えー?」
バナージ「残念そうな顔しないでください。来い、ユニコーン!!」
 √√√
バナージ「……」
ロニ「……反応していないみたいだけど」
バナージ「……」
ロニ「……まさか、絶対来ない状況があってそれを忘れてたの?」
バナージ「兄さん、なんでこんな日に全部バラして点検するんだよ……」

955 名前:2 :2014/12/06(土) 14:38:37.43 ID:A1jQDA8G0
ロニ「まあ、焦っても仕方ない。このコクピットでのんびり助けを待つのが一番だよ」
バナージ「そうですね。ロニさんがのんびりしすぎているのが気になりますが」
ロニ「砂漠には慣れているからな」
バナージ「そんなものなんですか?」
ロニ「お祖母ちゃんの家が砂漠だし、お前よりは知っているさ。夜が冷え込む事も」ズイッ
バナージ「ち、ちょっと……近いですよ」
ロニ「くっ付いて毛布を2人分重ねた方が良い」
バナージ「だ、だからって……!」
ロニ「うぶなのか恥ずかしいのか嫌われているのか……私は2番目が良いな」
バナージ「(前にどこかであった様な展開……今度は耐えてみせる……!
こんな所でオードリーの可能性を閉ざしちゃダメなんだ!)」
ロニ「おやすみ、バナージ」
バナージ「おやすみなさい。あれ?」
ロニ「……zzz」
バナージ「何も無い?前はNF-D(匂いフェチデストロイヤー)になっていたけど……
     だったら、助かったかな?」
ロニ「zzz」ぎゅっ
バナージ「……へ?」
ロニ「zzz」ぎゅーっ
バナージ「何で思いっきり抱きしめられてるんだ、俺……!?」
ロニ「んん……zzz」
バナージ「そういえば、前に……」
――――――
ロニ「私、いつも抱き枕を使ってるんだ。いつも起きたら強く抱きしめているから、へこんだ部分が直らなくてさ」
――――――
バナージ「何か勘違いされてる!?落ち着け俺!嬉しいけど耐えるんだよ!」
ロニ「zzz」
バナージ「まさかこれが目的……いや疑ったらダメだ。ロニさんはそんな事をする人じゃない!」
ロニ「zzz」
バナージ「足も絡まってきてる……顔が近いよ……匂いが……」
バナージ「……無理かも」

956 名前:3 :2014/12/06(土) 14:39:15.09 ID:A1jQDA8G0
バナージ「結局素数を数えて一睡も出来なかった……」
ロニ「ううん……今日の抱き枕はやけに硬いな……」
ロニ「……バナージ?何でここに?」
バナージ「おはようございます、ロニさん」
ロニ「起きたらバナージと毛布に包まっている……夢、じゃないよね」
バナージ「寝ぼけてるんですか?昨日砂漠に墜落したでしょう?」
ロニ「……あっ」
ロニ「勝ったッ!第3部完!」
バナージ「なんでそうなるんですか!?」
ロニ「高校生の男女が同じ毛布で夜を過ごして何も無い訳がないだろう!?」
バナージ「まず貴女が何も無く寝たんでしょう!?」
ロニ「何かしてよ!恥をかかせる気!?」
バナージ「俺はそんな獣じゃありませんよ!」
ロニ「ふふふ、私は箸すらつけられず残された据え膳か……噂になれば女性としての魅力がそれ程無い事になる」
ロニ「こうなればバナージは責任を取って殺されるか、私と結婚するか、2つに1つね」
バナージ「逆ですよ普通!?」
ロニ「さあ選べ!」
バナージ「じゃあ殺されます。どうせミンチになるだけだし」
ロニ「え……?」
ロニ「ねえ、自分の言ってる事分かってる?」
バナージ「分かってます。据え膳を食べないのは恥。サムライの世界で恥は切腹ですよ」
ロニ「ダメ!死なないで!」
バナージ「矛盾してますよ……じゃあ、俺はどうすればいいんですか」
ロニ「それを女の子の口から言わせるのか?///」
バナージ「なんで顔を赤らめながら言うんですか!?
     だいたい、女の子なら自分を据え膳とは言いませんよ!!」

 同時刻
オードリー「据え膳……バナージの前で全裸で寝転んでみれば……
      ……くしゅん!風邪かしら?暖かくならないと無理ですね」

バナージ「とにかく、日も明けたし何とかして助けを呼びましょう」
ロニ「……ねえバナージ?」
バナージ「何ですか?」
ロニ「前にエレベーターに閉じ込められた時より冷たくない?」
バナージ「前よりも冷静ですから。それにいつ助かるか分からない状況で自分を失うわけにはいきませんよ」
ロニ「生命の危機を感じるとそういう気持ちが高ぶると聞くが……」
バナージ「貴女だって落ち着いているでしょう?いつか必ず来る。つまりそういう事です」
ロニ「あっ……!」
ロニ「どうしようバナージ、私このままだと死んでしまうわ!」
バナージ「わざとらしいんだよ!」

957 名前:4 :2014/12/06(土) 14:40:25.07 ID:A1jQDA8G0
ロニ「前略、せっかく2人きりで砂漠に墜落したのにバナージが可能性の鍵になってくれない」
バナージ「まだ言うんですか……少なくとも今は諦めてください」
ロニ「じゃあ、こうするしかないのかな」
バナージ「え?」
ロニ「私はこうして同じ毛布の下でバナージにもたれかかっているだけで幸せだ。助かるまでこうしているよ」
バナージ「は、はい……」
バナージ「(ロニさんも随分大人しいな……でも、やっぱり凄くいい匂いだ。
     地面にSOSを書こうと思ってたけど、このままでいいか……)」
ロニ「ねえ、脱いでもいい?」
バナージ「常識の範囲内でお願いしますよ」
ロニ「シナンジュは?」
バナージ「却下!今のシャツ姿で止めて下さい。って脱ぐの早すぎませんか!?」
ロニ「仕方ないな」パシャ
バナージ「何撮ってるんですか!?」
ロニ「記念撮影。上手く出来てるでしょ?」
バナージ「……なんかこの構図危険すぎませんか?」
ロニ「(ギクッ)……そうか?普通の写真に見えるが」
バナージ「何ですか今の擬音!?しかもメールで送ろうとしている!?ここ圏外でしょう!?」
ロニ「ソ○トバンクだからな、繋がりやすさNo1だ!」
バナージ「だったら最初からそれで助けを呼んでくださいよ!?」
ロニ「だから今から助けを呼ぶんでしょ?」
バナージ「余計な画像をつけるなああああ!!」
ロニ「あっ、ちょっと待って、そんなに乱暴にされたら私……でも、どさくさに紛れて脱げば本物の写真が!」
バナージ「止めてくださいよ!それでどれだけ俺がミンチになると思っているんだ!」
ロニ「その分私と幸せになればいい!お前が今までミンチにされた数だけ子どもを作ろう!」
バナージ「マンボウでもなけりゃ出来ませんよそんな事!」ググッ
ロニ「それでも私はやってみせる!そのためにも既成事実を作らなければいけないんだ!
   手を離せ!私がメールを送るか、本当に私を襲ってしまえ!」
バナージ「そんな事をして手に入れた愛が何になるんです!
     俺が一時の可能性に任せて過ちを犯したって、ロニさんを幸せには出来ませんよ!
     君だって分かっている筈だ、そんな事をしたって、何も変わらな……
 ふっ
バナージ「うわっ!?」ドサッ
ロニ「ふふ、私が急に力を弱めたらこうなるのは当然だろう?
   どこからどう見ても乱れた服で抱き合ったこの状態で写メを撮れば、今度こそ本当に完成する!」
バナージ「くそっ、匂いが良くて力が出ない……!」
ロニ「父さん、やったわ……」

959 名前:5(終) :2014/12/06(土) 15:49:12.36 ID:A1jQDA8G0
??「10年の道連れを……月光蝶おおおおおお!!」
ロニ「な、何だ!?」
 pppppp
ロニ「も、MSの体がコクピットを残してどんどん無くなっていく……あっ、携帯も分解した!?」
バナージ「俺の携帯は無事なのに……あれ、着信……シーブック兄さん!?」
連投規制…全国576億人のオードリーファンすまん…

シーブック「助けに来たぜ、バナージ」

バナージ「本当に助かったよ……色々な意味で」
シーブック「はは、弟の1人や2人助けられないようじゃ兄さん失格だからな」
ロニ「もう少しだったのに……」
シーブック「ん、何か言ったか?」
ロニ「……何でもないわ」
バナージ「でもまさかシーブック兄さんがターンXで来るとは思わなかった」
シーブック「ああ、たまたま近いところに置いてあったからな」
バナージ「でもギンガナムさんっていつも一番遠くに駐車するんじゃ……」
シーブック「だ、だからたまたまなんだよ!
      それに、月光蝶で機体を爆発させずに救出できたし丁度良かったよな、うん」
ロニ「私の携帯は壊れたけどな」
シーブック「ごめんごめん、ちゃんと弁償するって。
      さ、もうすぐ日登町だ。みんな心配してるぜ」


ギンガナム「ターンXー!?むう、シーブックが勝手に乗っては月へ帰れんではないか!」
ディアナ「では無断欠勤の罰として、1週間サテリコン禁止を命じます」
ギンガナム「おのーれー!!」
 おわり

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最終更新:2016年05月03日 09:33