550 名前:1/4 :2015/02/13(金) 21:51:51.17 ID:McKVGf1l0
バナージ「マシュマーさんにプレゼントを?」
マリーダ「ああ。いつも世話になっているからな。偶には何か送ろうと思って。
     男のお前なら、趣味も分かると思ってな」
バナージ「……ハマーン先生の写真でも撮って送れば喜ぶと思いますよ」
マリーダ「私が言いたいのはそういう事じゃない。とにかく、日曜の10時。頼んだぞ」

オードリー「……という事があったそうなのですが」
プルツー「面白いじゃないか。あのマリーダが自分からデートに誘うなんて」
オードリー「そうですか。やはりそういう事なのですね。敵は身内にありましたか」
プルツー「冗談だよ冗談!!ま、気になるならこっそりついていけばいいさ」
オードリー「でも、この前は3秒で尾行を見破られた」
プルツー「私に任せなって。大丈夫、プルには内緒にするし、バナージにも分からないように上手くやるから」


 当日……
オードリー(変装)「バナージとマリーダは何を話しているのでしょうか?」
オードリー「手もつなぎそうな雰囲気……あっ、今笑った……」
オードリー「……辛い、バナージが他の人とデートをするのを見るのは予想以上に辛い」
プルツー(変装)「たかが買い物だろう?しかも相手はマリーダだし。そんな様子じゃこの先やっていけないぞ」
オードリー「でも、万が一という事が……」
プルツー「心配しすぎて男を縛るタイプだな」ボソッ
オードリー「……こほん、バナージがモテるのは当然の事。私はヒロインとして温かく見守るまでです」
プルツー「温かいで済むのか……?」

バナージ「……」キョロキョロ
マリーダ「どうかしたのか?」
バナージ「いや、今オードリーの匂いがした気が……」
マリーダ「気のせいだろう」

オードリー「キョロキョロしている!?気付かれた!?」
プルツー「いちいち騒ぐなよ。どうせ分かりはしないんだからさ。
     今日は姉妹だから、頼れる姉さんでいてくれよ。それと……」
 シュッ
オードリー「これは?」
プルツー「香水。あいつに気付かれない様にするのはこれが一番だろ?」

551 名前:2/4 :2015/02/13(金) 21:52:44.99 ID:McKVGf1l0
オードリー「デ、デパートに入っていきましたよ!?ど、どうしよう……」
プルツー「そりゃあコンビニで買うようなものじゃないだろうさ。さあ、私達も入るぞ」
オードリー「でも、紳士物売り場なら私達が目立ってしまうのでは……」
プルツー「ちょっといい育ちの姉妹が父親にプレゼントを買いに来た。不自然か?」
オードリー「そ、そうですね。全く不自然ではないシチュエーションです。私達は姉妹として堂々としていれば良いのです」
プルツー「大体さ、こういうのは姫様の方が入り慣れているんじゃないのか?」
オードリー「確かに、良く連れて来られますが……そ、それなら店員に分かってしまうのでは!?」
プルツー「姫様が来ても気付かないようしてくれって頼んでおいた。
     マリーダは生真面目だからこういう所で買うだろうしな」
オードリー「そこまで読めていたとは……」
プルツー「姫様の考えが無さすぎなんだよ。だいたい私だってハマーンの付き添いで顔が割れてるんだから」

オードリー「バナージは何を買うんだろう……あっ、ハンカチを選んでいる」
プルツー「妥当な所だろうよ」
オードリー「でも、漢字の手布が手切れと読めて贈り物には縁起の良い物ではないと父上に聞きました」
プルツー「例え知っていてもあの2人がそんな事を気にすると思うか?」
オードリー「……しませんね。ええ、方向性は違いますが決してそういう詮索をする男達ではありません」
オードリー「それにしても……楽しそう。行きたい。今すぐ偶然を装ってあの場所に行きたい」
プルツー「見守るってのはお前から言い出した事だろう?
     嫌ならいつでもバナージの所に行けばいい。私は止めないさ」
オードリー「それは……」
プルツー「卑怯か?恋ってのは戦争なんだ。どんな手を使ったって勝てばいいんだよ」
オードリー「……私はザビ家の女。正々堂々と策を講じ正面から勝利します。
      そもそも、バナージの気持ちを考えればこんな尾行をせずとも良かったのです」
プルツー「それでいい。分かっているじゃないか」
オードリー「あ、そうこうしている内に買い物が終わったみたい」
プルツー「この時間なら食事位はするだろうな。追いかけるか?」
オードリー「もうその必要は無い。私達もお昼ご飯にしましょう。
      と言っても、バナージ達もレストランのある上のフロアに向かっているけど」
プルツー「私達は店を変えるか……あれ?途中の階で降りたぞ」
オードリー「バナージ達の降りたこのフロアって、若い女性向けの……」

552 名前:3/4 :2015/02/13(金) 21:53:43.86 ID:McKVGf1l0
オードリー「ち、ちちちちちちょっと待ってきっとマリーダがトイレに行くんだわ」
プルツー「おおおおお落ち着け多分セレーネに買っていくんだろ!」
オードリー「ももももしかしたらジュドーとかキオとか女装用かも!」
プルツー「いやきっとロランだ!ロランへのプレゼントなんだ!」
オードリー「こ、混乱しすぎてありえない事を言っていない!?」
プルツー「それはお前だろう!?なんで女装なんだよ!?」
オードリー「と、とにかく緊急事態だわ。見届けないと!」
プルツー「あ、ああそうだな!」

オードリー「2人とも真剣な表情……でも嬉しそう……」
プルツー「さっきまでよりずっと嬉しそうだぞ……」
オードリー「恋人みたい……」
オードリー「心が折れそう……でも耐えないと」
プルツー「あ、マリーダに当ててる」
オードリー「ビ、ビグザムですか?今がビグザムなのですか?」
プルツー「落ち着け、マンサだ、ここはマンサだろ?
     ダメだ、そんな事をしたらハマーンに怒られる」
オードリー「マリーダと感応できる?気持ちが知りたい、戦争だわ」
プルツー「ねねね姉さんじゃあるまいしやるわけ無いだろう!?
     お互いすごく疲れるんだぞ!そうなったらもうマリーダが大変だろ!
     あれがああなってそうなって遊びじゃなくなってしまうんだよ!」
オードリー「マリーダのクシャトリアにバナージのユニコーンがNT-Dしてしまう……!
      ゆ、由々しき事態だわ……!」
プルツー「やっぱりマンサだ!不愉快なんだよ、するりと出し抜いて捕まえて!
     ミンチにしてしまえばどうなる事だって無いだろう!?」
オードリー「ええ!何か途轍もない暴走をしている気もしますが今は些細な事に拘っている場合ではありません!
      ビグザムを出します!ザムります!」
プルツー「そうとなれば早速……!」
店員「お客さま?他のお客さまの迷惑になりますのでこちらへどうぞ」
オ・プ「「あ……」」

553 名前:4/4 :2015/02/13(金) 21:54:24.23 ID:McKVGf1l0
オードリー「昨日はそのままつまみ出されてしまった」
オードリー「もうダメだわ……私に残された手は木星に行って歴史をリセットするしか……」
オードリー「ああ、バナージがやってくる……私ではない女性を選んだバナージが……」
バナージ「オードリー、渡したい物があるんだけど、いいかな?」
オードリー「……え?」
バナージ「昨日買い物してたら見つけてさ。オードリーにすごく似合いそうだったから」
オードリー「でも、昨日はマリーダと出かけていたってプルツーが……」
バナージ「ああ。マシュマーさんのプレゼント選びを頼まれたから、俺もオードリーのプレゼント選びを手伝ってもらったんだ。
     ……俺が不甲斐なくて、いつも迷惑掛けてばかりだし」
オードリー「そうだったんだ……嬉しい。開けていい?」
バナージ「勿論だよ」
オードリー「……可愛い。ねえ、バナージ。付けて?」
バナージ「今!?こんな所で恥ずかしいよ……!」
オードリー「出来ないの?」
バナージ「や、やりますよ!自分で贈ったプレゼントなんだ。付けるくらい出来なきゃ男じゃないだろ」



プルツー「……まさかオードリーのプレゼントだったとはね。無駄に騒いだ自分が恥ずかしいよ」
マリーダ「まさかあれを見られていたとは……ところで姉さん」
プルツー「何だ?」
マリーダ「私を覗いていませんよね?」
プルツー「あ、当たり前だ!私は姉さんとは違うんだぞ!」
マリーダ「そう、それなら、良かった」

 終わり

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最終更新:2016年05月07日 18:35