104 名前:ネオナゴヤポート水族館 :2015/03/29(日) 11:58:03.47 ID:Pk8qk7Y80
シャア「あからさまなマーケティングだと!?」
アフランシ「個人的な趣味だよ!記憶の中の僕!」
アムロ「ようやく着いたな、ネオナゴヤポート水族館」
ロラン「東別院のホテルから最寄の名古屋港まで、地下鉄で乗り換え無しなので助かりましたね。
同じホームから行き先が分かれているのはどうかと思いますけど」
シロー「まあ、2本に1本なんだしいいじゃないか。それに同じホームから方向の違う電車を走らせるのは伝統だよ」
アフランシ「ようこそ。思ったより早かったな」
シーブック「アフランシさん、今日はガイド役をお願いします」
シュウト「水族館でアフランシさんって、ちょっと意外だね」
アフランシ「水族館は海洋生物研究の場でもあるからね。
生き物が育ち、子どもを生む環境を作る。まさに研究だとは思わないかい?」
アル「そう言われるとそうだね」
アフランシ「そういう視点で見ると、また違った面白さが見られるんだ。さあ、行こうか」
ガロード「うおっ、すげえ!いきなりデカいイルカかよ」
ティファ「奥にもたくさんいる」
アフランシ「シャチだね。入ってすぐ右手の水槽だ。
水槽の奥の通路、見えない場所にいる事もあるけど、人懐っこいから近くまで来てくれる事も多いんだ。
ちなみに、あのお母さんイルカはステラって言うんだよ」
ステラ「シンは?」
マユ「マユは?」
シン「まだいないみたいだな。今度名前を募集してたら応募してみような」
アフランシ「入り口のある北館はほぼイルカで占められている。そして、もう1つの目玉が左手の彼らだ」
ティファ「白いイルカ?」
ガロード「でも、随分大きくないか?」
アフランシ「ベルーガ、北の寒い海に住む大型のイルカだ。このイルカの特徴は首が動く事。
口も柔らかいから、人間と同じ様な表情を見せてくれる」
ガロード「はー、凄いんだなー」
アル「ねえ、この先には何があるの?」
アフランシ「クジラの進化を骨格模型で展示してある。他にも上の階では……そうだね、キラ君が好きなものがある」
キラ「僕が?」
105 名前:ネオナゴヤポート水族館 :2015/03/29(日) 11:59:23.22 ID:Pk8qk7Y80
キラ「僕の好きなものって……イルカショー?嫌いじゃないけど、わざわざ指名する程でもないんじゃない?」
アフランシ「始まれば分かるさ。ほら」
初○ミク「~♪」
キラ「ミクタソキター!?」
アフランシ「ここではイルカショーのBGM音源に初音○クのオリジナル曲を使っているんだ。
……今年の正月に行った時は歌が無かったけどね」
キラ「今年は、って大切な事は早く言ってよ!?」
アフランシ「ごめんごめん。ちなみに、イルカショーは下の階の水槽からも見る事が出来る。
夏休みでも空いているし、少し変わったイルカショーを見たい人にもお勧めだよ」
ロラン「楽しかったですね」
シロー「俺達の姿をカメラで抜かれるとは思わなかったけどな」
アフランシ「ちなみにこの
プールやスタジアム隣の建物では、シャチやベルーガの公開トレーニングもしているんだ。
時間を取って見てみるのも面白いよ。じゃあ、今日は次に進もうか」
シュウト「でも、イルカの建物は標本のスペースで行き止まりだし、途中の長い通路を通って次の建物に行くって何か変だね」
アフランシ「それはこの水族館の造りが関係している。元々ここは今から行く南館だけの水族館だったんだ。
その後、イルカ達を入れる為の北館を造ったから、少し歪な構造になっているんだ。
それに……」
シーブック「それに?」
アフランシ「値段も上がった。僕が子供の頃は大人1500円だったのに今は2000円だ。
それでも国内最大クラスの広さを考えれば高くは無いと思うけれど」
ロラン「微妙に年齢が合わない発言を……アムロ兄さんが丁度良かった位だと思いますが……」
アフランシ「さあ、気を取り直そう。ここが南館だ。
ここの展示には、ある共通テーマが設けられている。分かるかな?」
アイナ「小さな水族館なら、地元の源流から河口まで、というのもあるけど……」
アフランシ「ヒントはこの埠頭の対岸にある、観光用に固定された大きな船だ」
アムロ「確か、南極観測船ふじ、って言ったな」
ラクス「その航路を辿る、と言うものでしょうか?」
アフランシ「正解だ。日本から南下し赤道を渡りオーストラリアを越え、南極に行く展示手法になっている」
ガロード「旅ってロマンだよな」
アフランシ「じゃあ、出発しようか。ロマンと知的好奇心の旅に」
106 名前:ネオナゴヤポート水族館 :2015/03/29(日) 12:00:31.43 ID:Pk8qk7Y80
ガロード「うおっ!?何だこれ?」
アフランシ「マグロの原寸大模型。ネオナゴヤはこういったマニアックな展示物にも力を入れている。
さっきのイルカの祖先の骨格模型もそうで、博物館的な手法を取り入れている水族館は多くない。
知識がまだ少なくても楽しめるし、深く知ろうとした時でも面白さが仕込まれている。それがここの魅力なんだ」
シュウト「これも凄い!たくさんいるよ!」
ロラン「鰯ですね。何日分いるんだろう!?」
アフランシ「そうそう。ここはイワシのトルネード発祥の地でもあるんだ」
セシリー「イワシのトルネード?」
アフランシ「餌やりの時にイワシの群れを誘導し、動くアートを作るイベントだよ。
口で説明するのは難しいし、カメラもイワシに光が反射して撮り辛いから、こればかりは自分の目で見るのが一番だね」
キラ「ステマ乙」
アフランシ「僕は自分と同じ趣味の人を増やしたいだけさ」
ラクス「ここからは小さな水槽が続くのですね」
アフランシ「体験型の水槽も多いからね、楽しいと思うよ」
アイナ「クラゲもいるのね、可愛い」
シロー「へえ、すぐ近くの海で採ったのか」
ロラン「ああ、美味しそうな魚がたくさんいますよ」
アムロ「ロラン、こういう時くらい家計を忘れろ!」
アイナ「この辺は割りとさらっと紹介するのね。長いのに」
アフランシ「このサイズの水槽をいちいち紹介していたらキリがないよ。
それにインパクト重視な部分もあるから、ネタは隠しておいた方が良い」
アイナ「じゃあ、この水槽に下から顔を出せる半球状の覗き窓は?」
アフランシ「子どもに人気のスポットだね。僕も覗きたいが……エヴァリーは笑って認めてくれるだろうか……」
ガロード「あら?なんか標本?だけになったぜ。反対の壁は文字ばっかだし」
アフランシ「チャレンジャー号をテーマにした、博物館的なインターバルさ。深海の水槽から、深海研究の歴史を学び更なる深海へ。
僕はこの通路がたまらなく好きだ」
マユ「キャアアアアアアア!!」
シン「マユ!?どうした!?」
マユ「怖いよ……お兄ちゃん……!」
シン「うわっ!?なんだこれ!?昔のノーマルスーツ……深海だから潜水服って奴?」
アフランシ「そう。マユちゃんみたいに声を上げる子は殆どいないけどね」
107 名前:ネオナゴヤポート水族館 :2015/03/29(日) 12:01:37.33 ID:Pk8qk7Y80
キラ「明るい場所に出たね。マブシイヨ……」
ラクス「綺麗……!」
アフランシ「これがネオナゴヤの名物、赤道の海大水槽だ。
実は昨年末に改装オープンしたばかりなんだよ」
アムロ「こんな事を聞くのは野暮かもしれないが、何が変わったんだ?」
アフランシ「水槽の内装や魚の種類は勿論だけど、上の階に国内最大級の生体サンゴ展示水槽が出来たんだ」
アル「サンゴが?」
アフランシ「そう。サンゴには綺麗な水が必要で、大きな水槽での飼育はとても難しいんだ。
それをこの水族館では目の前の港の水を自然の力、つまり微生物や藻を使い浄化しているんだ」
シーブック「でも、目の前って……ネオナゴヤって貿易港ですよね?その一番奥の海水って凄く汚いんじゃ……」
アフランシ「それをやってのけるのが自然の浄化力なのさ。
でも、人はそれを上回る汚れを簡単に作れてしまうんだ。だからこそ、僕達はライフスタイルを考える必要があるのさ」
アフランシ「他にもこのエリアには数多くの見所がある。国内唯一のオオシャコガイの展示。そして2階と3階から見られる……」
シュウト「うわあ、海がめがいっぱいいる!」
アフランシ「凄いだろう?ネオナゴヤは海がめの水族館なんだ」
ロラン「海がめの?」
アフランシ「初代館長が海がめの権威という事もあって、今でも研究の最前線だ。
水槽にある人工砂浜で実際に卵を産んでもいるんだよ」
シン「デカイだけあって色々やっているんだな」
飼育員「大水槽の餌やりをやってみませんか?」
ステラ「ステラ、やる!」
マユ「マユも!」
ガロード「ティファ、行こうぜ!」
アムロ「へえ、さっきの赤道の海が上からも見られるんだな」
アフランシ「そう。3階のこのフロアは見下ろすタイプの展示になっている。
ベルーガの水槽もそうだけど、大きな水槽を色々な目線で見る事が出来るのもここの特徴なんだ」
108 名前:ネオナゴヤポート水族館 :2015/03/29(日) 12:03:17.52 ID:Pk8qk7Y80
アフランシ「さあ、赤道の次にオーストラリアを抜けて、旅はいよいよクライマックスだ」
アイナ「南極ですね」
アフランシ「ふふ、実はここには世界唯一の展示生物がいる。それがこれさ」
アル「……小さなエビ?」
セシリー「ナンキョクオキアミね。名前は良く聞くけど、こんな生き物だったのね」
アフランシ「彼らは南極の生態系の根幹を成している生物だ。南極の大きな生き物は全て彼らの恩恵を受けているといっても過言じゃあないな。
もちろん、この先にいるアイドル達もね」
シュウト「見て!ペンギン!!」
アフランシ「ここは南極の環境が再現されていて、様々な種類のペンギンが飼育されている。
様々な種類のペンギンが気ままに入り乱れる様は……言葉じゃあ言い表せないな」
ラクス「可愛いですね」
キラ「ああ、暗くて心地良い……でも、展示なら明るくすればいいのに」
アフランシ「南極の気候に合わせて明るさを変えているのさ。
今日は……ネオジャパンは夏と言う設定にしておこう、だから南半球の南極は冬で暗いんだ」
アムロ「ペンギンをしっかり見たいなら冬が良いって事か。冬に水族館ってあまり考えなかったな」
アフランシ「是非来て欲しいな。夏だけなら夏の海の魅力しか分からないからね」
アル「楽しかったね」
シロー「朝一で来たのに、もう結構な時間になったな」
アフランシ「本当にじっくり見ようと思ったら丸一日掛かってしまうよ、ここは」
ロラン「そうですね、まだ行く場所もありますし」
アフランシ「対岸にある南極観測船ふじと海洋博物館だね」
キラ「あとは、イタリ……」
アフランシ「それ以上は言わない方が良い。ミケロに蹴られるから」
アムロ「しかし、本当に一日中遊べるんだな。ネオナゴヤは観光には向いてないって聞いていたんだけどな」
アフランシ「観光スポットが市内に広く分散していて、それ同士のアクセスは良くないからね。
後付けの結果論だけど、観光は日帰り層向けになってしまっているんだと思う」
シーブック「アフランシさん、今日はありがとうございました」
アフランシ「どういたしまして。明日も観光かい?」
アムロ「ああ。自由行動にしようかと思ってる」
アフランシ「それがいいな。色々なジャンルでレベルの高い場所が揃っているから、面白いと思うよ」
アムロ「お、マイからメールだ……動物園組は帰るのが遅くなりそうだって。
全く構わないな、俺達だって遅れそうだよ」
アフランシ「楽しんで貰えている様だね。それじゃあ、引き続き良い旅を」
終わり
最終更新:2016年05月09日 10:50