588 名前:通常の名無しさんの3倍 :2015/05/04(月) 10:19:31.92 ID:jbWQ1K7b0
 ある日の兄弟家の夕食。
おかずの一品に野菜サラダが置かれていた。

コウ「このサラダ、人参が入ってるよ!
   ロラン、個人個人の食べ物の好みくらいそろそろわかってほしいな」
ロラン「ダメですよ、人参を食べないと」

コウ「とにかくサラダの他のものは食べるけど人参だけはごめんだね」
ロラン「……しかたありません。人参はよけてください」
アムロ「甘いぞ、ロラン」

 アムロは立ちあがるとコウに人参を強制的に食べさせようとした。

アムロ「さあ、食べるんだー!」
コウ「うわあ、誰か助けてくれー!」
マイ「しかたないですね。アムロ兄さんの動きを一時的に止める言葉を使いましょう」
コウ「そんな魔法のような呪文があるのか!?」
マイ「ええ。アムロ兄さんとの付き合いも長いですからね。
   それぐらいはいつも観察してわかってますよ」

アムロ「何をごちゃごちゃと言ってるんだ。コウ、人参を食べるんだ!」

 マイはある言葉を言った!

マイ「ミセリ」

589 名前:通常の名無しさんの3倍 :2015/05/04(月) 10:22:19.47 ID:jbWQ1K7b0
 アムロは立ちあがったまま、動きを止めた。

ロラン「ダメです。サラダの皿を持ったまま気絶しています」
コウ「すごい効果だな」
マイ「阪神ファンにおけるグリーンウェルのようなものです。
   でも注意してくださいね。本当はコウが人参を食べるのが一番いいってことに」
コウ「それはわかっているけどさ……」

 次の日、兄弟家に夕食の時間が訪れた。
食卓にはカレーが置かれている。

コウ「このカレー、人参が入ってるよ!
   ロラン、個人個人の食べ物の好みくらいそろそろわかってほしいな」
ロラン「ダメですよ、人参を食べないと」

コウ「とにかくカレーの他のものは食べるけど人参だけはごめんだね」
ロラン「……しかたありません。人参はよけてください」
アムロ「甘いぞ、ロラン」

 アムロは立ちあがるとコウに人参を強制的に食べさせようとした。

アムロ「さあ、食べるんだー!」
コウ「ここであの言葉を使う」

アムロ「何をごちゃごちゃと言ってるんだ。コウ、人参を食べるんだ!」

 コウはある言葉を言った!

コウ「パセリ! パセリ!」

590 名前:通常の名無しさんの3倍 :2015/05/04(月) 10:24:46.72 ID:jbWQ1K7b0
アムロ「はあ? 何を言ってるんだ?」
コウ「あれ、効果ないなあ。もう一回。パセリ、パセリ」
アムロ「あいにくと俺はパセリを食べられるんでな。大丈夫だぞ」

コウ「なぜー!? こうなったら……。マイ兄さん、マイ兄さんはどこなの!?」

 コウはマイを呼んだ。

ロラン「マイ兄さんは今日はモニクさんと一緒に二人で夕食ですよ」
コウ「何だってー!?」
アムロ「コウ、人参を食べるために口を開けてもらおうか」
コウ「げっ!?」

 コウが人参をいつ普通に食べられるか。
それは誰にもわからない……。

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最終更新:2016年05月11日 08:44