353 名前:通常の名無しさんの3倍 :2015/07/20(月) 06:35:41.35 ID:nbGrfIc/0
ロラン「セイー!イオリ模型店から宅配便が来てますよー」
セイ「あ、はーい」
ガロード「バイト先から?うわ、凄い大きさだな」
セイ「だから配送にしたんだよ」
ロラン「あれ、これ全部ガンダムXじゃありません?」
ガロード「注文間違ったのか?」
セイ「違うよ。だいたい発送したの僕だし」
ガロード「じゃあセイ、お前そんなに俺のこと大好きだったの?」
セイ「そういうことじゃないよ」
ガロード「ロラン兄、聞いた!?セイが俺のこと好きじゃないってさ!」
ロラン「セイ、僕達は兄弟なんですからそんな悲しいことを言わないでください……」
セイ「もぅ!いい加減にしてよ!!」
ガロード「それで何のためにこんなにGXを買ったんだ?Gビットでも作る機?」
セイ「それもあるけど、コレのチェックっていうか実験っていうかね」
ロラン「なんです?その粉?」
ガロード「ま、まさか危ない粉!?」
セイ「ツッコまないよ……これはルミノーバっていって、蓄光性の粉末なんだ」
ガロード「中高生?俺たち粉末にされちゃうの?」
セイ「蓄光性!蓄える光で蓄光」
ロラン「バンバープレートの数字とかに使われているやつですか」
セイ「明るいところで長時間置いてると光を貯めて、暗いところで発光するんだよ。
ガロード兄さんのGX向きの塗料だよね。胸や足のコンデンサとか、サテライトシステムとかに」
ガロード「なるほど」
セイ「ホロシールや、メッキ、蛍光塗装もアリだと思うけど、夜に映えるモノが作りたいんだ。
LEDライトを仕込む方法も考えたけど、可動との兼ね合いがあるからね」
ロラン「それで蓄光塗料ですか」
セイ「他にもあるよ。コレ――ロイヒマーカーっていうんだけど、これは普通の照明下では見えないけど、ブラックライトを当てると発光するんだ」
ロラン「ブラックライトって紫外線の明かりですよね、青色の」
セイ「ちなみに今の
ガンプラのクリアパーツはブラックライト当てるだけでも発光する素材でできているよ」
ガロード「………」
セイ「というわけで色々試してみたいんだ。それじゃあね」
ロラン「ご飯の時はちゃんと降りてくるんですよー。それから宿題もキチンとやってくださいねー」
354 名前:通常の名無しさんの3倍 :2015/07/20(月) 06:36:16.65 ID:nbGrfIc/0
セイ「というわけで完成しました」
コウ「カッコいいな」
アル「こんどやり方教えてよ、セイ兄ちゃん」
刹那「
ガンダムだ」
セレーネ「へえ、珍しい塗料使ってるのね」
刹那「知っているのか姉さん」
コウ「知らないのか刹那、セレーネ姉さんの部屋の天井はお手製の星座が描かれているんだぞ」
刹那「姉さんはOZだったのか」
セイ「そんなのあったっけ?」
セレーネ「アンタのガンプラと同じ、暗くしないと見えないのよ」
アル「このガンプラと姉ちゃんの星座って同じだったんだね」
アセム「ところでこのガンプラ、ブラックライトがないと光らないならバトルには使えないんじゃないか?」
コウ「別に
ガンプラバトルだけがガンプラじゃないだろ。これは観賞用だよな、セイ」
セイ「し、しまったぁぁぁぁ!!!」
アル「バトル用だったよ」
ガロード「ジャジャジャジャ~~~ン!!」
セレーネ「あらガロード、ようやく来たの?」
ガロード「暗闇のボール乗り、ガロード=ラン様の到着だぜ!!」
セイ「兄さん、そのボールもしかして」
ガロード「キャノン砲の代わりにブラックライトを搭載したボールだぜ。これで常にGXをライトアップすればガンプラバトルでも使えるよな!」
コウ「常に照明がついてくるって鈴木その子かよ……」
刹那「ガロードはガンダムだ」
アル「ジオラマとしても充分だよね、でも」
アセム「そうだな。でもジオラマにするならやっぱり背景に月が欲しいよな」
コウ「なにか丁度いい月の写真とか無い? セレーネ姉さん」
刹那「しかしこの距離では後ろに写真を置くだけでは立体感がない」
セイ「あ、じゃあこれ使おう。100均で見つけたんだけど、この半球にちょっとモールド入れて月作っちゃおう」
ガロード「月つくるとかスケールでかいな!」
セイ「じゃあ適当に当たりをつけてパテを盛っ…」
セレーネ「ダメよ」
セイ「ふぁい!?」
セレーネ「私が監修するわ。ナノセンチ単位で正確な月のスケールモデルを作るわよ!!」
セイ「え?えっ!?」
アセム「スイッチ入っちゃったな」
アル(スイッチ入れたのアセム兄ちゃんだよね……)
355 名前:通常の名無しさんの3倍 :2015/07/20(月) 06:40:00.62 ID:nbGrfIc/0
セレーネ「さー行きましょう、セイ。まずはイメージ修業ね
最初は実際の月を一日中いじくってたな。とにかく四六時中ね。
目をつぶって触感を確認したり、何百回何千回と月を写生したり
ずーっとただ眺めてみたり、舐めてみたり、音を立てたり、嗅いでみたり、月で遊ぶ以外何もしちゃダメね。
しばらくしたら毎晩月の夢を見るようになるから、その時点で実際の月をとりあげるわ。
そうすると今度は幻覚で月が見えてくるからね。さらに日が経つと幻覚の月がリアルに感じられるわよ。
重さも冷たさも自転する音も聞こえてくる。いつのまにか幻覚じゃなく自然と具現化した月が完成しているのよ!!」
セイ「だ、誰か……」
コウ「部活いかないと」
アル「バーニィとの約束が」
ガロード「ティファァァ!!」
刹那「ガンダム!」
アセム「頑張れセイ!お前のビルダーとしての信念を貫くんだ!」
セイ「ダメだ、頼りにならない!!アリスタ!アリスタ!!ヘルプ!!レイジ!約束したろ、僕を助けに来るって!レイジ!!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ジョニー「レイジ」
ジェリド「地球は」
劾「狙われている!」
レイジ「マジかよ?!」
フリット「でもみんな、安心して!地球にはヒタイダーがいるんだ!」
ミライ「それじゃあみんな、ヒタイダーを呼ぼう!せ~の!!」
レイジ「ヒタイダー!!」
デートタノシイネン「バカバカしい、こんなの子供だましじゃない」
ダン!ダン!ダンッ!! >
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
セイ「どこかで壁を叩く音が聞こえる……これは助けにこないな……」
セレーネ「スウェン、ちょっと月行くからシャトル用意してー!!」
D.O.M.E.『夏休み15日目は、終わりを迎えようとしている……
イオリ・セイと呼ばれた者の存在は幕を閉じ、古き価値観は時の彼方へと消えていく……』
ハリー「ローラ嬢の姉御よ、弟御をさきほど見かけたが、種が割れたような目で模型を成型していたぞ」
セレーネ「最近セイもようやく月の良さがわかるようになってきたのよね」
ビルギット「月を作るだけの機械かよ!」
スウェン(死ななきゃ安い)
ルセット(終わったらセレーネさんにセイ君貸して貰お。アナハイムのテストモデル作るのにいいわ)
D.O.M.E.『人はこれからも刻を紡ぎ、命を燃やして生きてゆく。次の時代がどうなるのか、それは、誰にもわからない。
だが、たとえ世界がいかなる形になろうとも……
月は、いつもそこにある 』
セイ「静かの海…悲しみの湖…調和の入江…病の沼…ペズン、ペズン、ペズン……」ブツブツブツ…
356 名前:通常の名無しさんの3倍 :2015/07/20(月) 08:41:09.75 ID:Ygczh3yA0
乙!
というか、南無!w
そして流れるように月面へガンダムファイター召還!
アルゴ(明鏡止水モード)「ルナクラッシャー!!」
ドモン(明鏡止水モード)「やるな、アルゴ! だが、流派東方不敗が最終奥義!!」
アル「あ、クレーターが増えた」
最終更新:2016年05月13日 07:34