838 :アクアトトに行こう!:2015/10/18(日) 21:27:21.73 ID:DUseTx480
アフランシ「着いたぞ、ここがアクア・トトネオギフ。ネオギフ南部の河川環境楽園にある水族館だ」
ドモン「俺達は一般道から来たけど、高速道路からも入れるんだな」
アフランシ「そう。それがここのいい所なんだ」
アセム「でもUターンも高速の出入りも出来ないんじゃ、帰りは
どうすれば……」
アフランシ「水を差すような事は言ってはいけないな、川だけに」
ハリー「ここは木曽三川公園の一部なのだな」
アフランシ「そう、木曽三川公園は幾つもの公園が木曽川の中流から下流にかけて広がるネオジャパン最大の国営公園だ。
そしてその一番上流側にあるのがこの公園と水族館なんだ」
ドモン「一番上って事か」
アフランシ「そう。それじゃあ行こうか。大人の社会科見学へ」
アセム「俺達ほぼ二十歳未満だけどな」
ドモン「うるさい!」
アフランシ「アクアトトは淡水専門の水族館で、そういう施設としては世界最大規模を誇っている」
アンジェロ「特化した水族館、か」
アフランシ「その通り。展示手法も上手いし、素晴らしい水族館なんだけど欠点があるんだ」
ハリー「欠点?」
案内のお姉さん「エレベータが来るまで少々お待ちください」
アフランシ「1つめは最初にエレベータで登りきるから混んでる時は待たなくちゃいけない事」
ドモン「だが、それ位なら良いだろ?」
ゼクス「着いたな……ん?」
アンジェロ「また並んでいるのか?」
案内のお姉さんB「お写真お撮りいたします」
アフランシ「2つ目はメイン展示に進む直前でほぼ必ずグループの写真を撮るから再び並ぶ事だ」
ドモン「確かに……今日は空いているしまだ良いが、混んでいる時で子供連れとなると……」
アフランシ「そう。この2つが組み合わさって、最初のテンポが悪い。これが一番の弱点なんだ」
ゼクス「しかし、知っていれば欠点にはならないな」
アフランシ「その通り。そしてこの直後の生き物がそんな欠点を吹き飛ばしてくれる」
ハリー「これは……カワウソ!しかも2匹!?」
アフランシ「そう、見下ろすタイプの展示でカワウソが出迎えてくれる。しかもこのカワウソはただのカワウソじゃあない!」
ドモン「あ、あの構えは……まさか!?」
カワウソ‘s「「石破ラブラブ天驚拳!!」」
ちゅどーん(AA略)
839 :アクアトトに行こう!:2015/10/18(日) 21:28:02.99 ID:DUseTx480
アフランシ「驚いたかい?彼らはバカップルなんだ」
アセム「いや、撃てねーからな!?」
ドモン「あいつらが流派東方不敗ならきっと出来るさ、俺には分かる」
ハリー「弟子にするのか?」
ドモン「それも良いかな」
アフランシ「さて、この水族館は長良川の水源から河口、そして世界の淡水へ、という展示テーマの流れを持っている」
アセム「木曽川沿いなのに長良川なのな」
アフランシ「ふふ、テーマにする川なんていう些細な疑問はこの水槽が吹き飛ばしてくれる」
アセム「ただのカエルの水槽にしか見えないけど」
ハリー「確かに、テレビで見る沢の景色だな」
アフランシ「そう。この水族館の凄い所は自然を切り取った様な水槽の作りこみだ。植生は勿論、水槽というシステムを隠す技術は将にプロの一言に尽きる。
何時間でも何周でもいたくなるのがこの水族館なのさ」
ドモン「目が輝いているな」
ゼクス「この通路は?」
アフランシ「階層を降りる時のインターバル的な通路さ。ここにも小ネタが仕込まれている。
スルーする人も多いけど、サワガニはここが一番見やすいんだ」
アセム「お、さっきのカワウソだ」
アンジェロ「どうやらこちらが視点のメインという訳だな」
ドモン「ここで戦えばガラスが壊れてしまう。ノーゲームだな」
カワウソ‘s「「(`・ω・´)」」
アフランシ「友情が芽生えたようで何よりだよ」
アセム「嘘だろ!?」
ハリー「そうこうする内に河口まで来てしまったな」
アフランシ「正直、リアル系の水族館というのは文章では説明し辛いからね、この空白の1行に幾つもの感動と夥しい時間が掛かっているんだ。
それに、ここの水槽達は大人が見た原風景だ。僕達が懐かしさを感じるのは難しいな」
アセム「確かに俺達『すげー』とか『うおー』としか言ってなかったからな」
アフランシ「魚だけにね」
ドモン「……」
アセム「……なあ、水槽が凍ってるんだけど」
ゼクス「……シャアの記憶というのは厄介だな」
アンジェロ「大佐にもそんな染みがあるというのか……!?」
840 :アクアトトに行こう!:2015/10/18(日) 21:29:25.74 ID:DUseTx480
アセム「おお?なんか凄く面白そうな場所に出た!?」
ハリー「探検隊の基地と言うのは、こういうものか……!」
アフランシ「長良川を抜けたらいよいよ世界の川だ。インターバルは外国の魚を模した楽器、民芸品。
そして探検隊の研究室というシチュエーションの部屋で、まずはネオチャイナを初めとしたアジアの生き物がお目見えする」
ドモン「この魚……前の大会で食べた事があるぞ!」
アフランシ「魚と食は切り離せないからね。この先の水槽でも、籠型の漁具が『自然の景色』として配されている」
ドモン「人間もまた自然の一部、という事だな」
アフランシ「そう。人は自然から独立した訳でも、自然と対等になった訳でもない。
僕達の存在は地球の自然を形作るピースの1つなんだ」
ハリー「深いな。月にいては気付かない考え方だ」
アフランシ「みんな、同じ重力に魂を縛られた仲間なのさ」
アフランシ「そしてここからは大型魚ラッシュでもあるんだ」
ゼクス「大型の?」
アフランシ「海の魚がいない分、ここぞとばかりに世界各地の大型魚を惜しげもなく投入してくれる。ほら!」
アセム「デカい!?」
ドモン「メコンオオナマズだな。メコン川の修行で見て、名前も覚えた」
アフランシ「淡水魚で世界最大と言われる内の1つさ。ところで……食べたのか?」
ドモン「ああ。あまり旨くはなかったが……」
アフランシ「絶滅危惧種なんだけどな……
……うん。地元の人が出してくれたんだ。決してドモンが自分で獲って食べた訳じゃない。そうだ、そうに違いないさ」
アセム「おーい、首が変な方向曲がってるぞ」
ゼクス「アフリカは淡水魚まで熱帯魚の様な姿をしているのか」
ハリー「淡水のサンゴ礁、と言った所か」
アフランシ「だんだんここの魅力が分かってきたようだね。魅せようと思えばこんな事も出来る。アフリカの河や湖はそんな気概を感じさせてくれる。
そして、アフリカのタンガニーカ湖を抜けたら……」
アンジェロ「ジャブローの河!?」
アフランシ「そう。アマゾンの生き物達だ」
ドモン「ああ、こいつは旨かったな、こいつは……」
アセム「前のロランみたいな事言ってるな……」
アンジェロ「……これも自然の一部なんだろう?」
アフランシ「まさかこの水槽でやる人がいるとは思わないさ」
841 :アクアトトに行こう!:2015/10/18(日) 21:30:26.29 ID:DUseTx480
アフランシ「さあ、最後はタッチプールとアシカショーだ」
ゼクス「チョウザメやコイとは徹底しているな」
アセム「お、最初に出迎えてくれたカピバラだ」
アフランシ「ふふ、ここで時間が潰れるとアシカショーの席が無くなってしまうよ」
アフランシ「ここのアシカはこの水族館で数少ない海の生き物だ」
ハリー「気にするのは野暮、か」
アフランシ「その通り。そして、このショーは所謂『お笑い系』に属している」
アセム「つまりネタバレ厳禁って事だな」
アフランシ「そう。だから僕は中身を言わない」
アンジェロ「この水族館自体もそうだが、『行け』と言っているのだな」
アフランシ「当たり前だろう。僕の願いは人類の9割が水族館の年間パスポートを持つ事なんだから。
ちなみにここを含めて水族館の年間パスは2回分の値段の所が多い。その分1回が高いけどね」
アセム「まあ、年2回なら来そうだよな」
アフランシ「是非来た方がいい。特別展毎に来るだけで黒字になる筈さ」
アフランシ「さあ、水族館は見終わったけど、この河川環境楽園は他にも見る場所が沢山ある。
環境と名前が付くだけあって、詳しく説明したいけど……」
ドモン「熱が入って専門的な話になりすぎるから止めておく、か」
アフランシ「そうだね。それに、本当は木曽三川公園を下流に下っていきたい」
アンジェロ「下流に?」
アフランシ「木曽三川は人と水との深い繋がりがある地域だ。
川より低い土地で暮らす人の知恵、絡み合う3本の大河と江戸・明治の分水工事。
そして長良川河口堰……伝えたい事は山ほどある。それこそ、道徳の授業と社会科見学に行く位にね」
ゼクス「だが、そこまで行けばアフランシの専門分野で喋りすぎになる」
アセム「知識が追いつかないよな、正直」
アフランシ「今日は涙を呑むとするよ」
リディ「アフランシ達か?奇遇だな」
アフランシ「リディ!?何でここに?」
リディ「ああ、近くのかがみがはら航空宇宙博物館に行こうと思ってさ、腹ごしらえに立ち寄ったんだ」
アセム「航空宇宙……」
アンジェロ「自衛隊機の様な中世の飛行機が展示されている博物館だな」
リディ「何かの縁だ、一緒に行こう!」
アフランシ「うんと言いたいが、時間がな」
ハリー「帰りの起動エレベーターのチケットが……」
リディ「そんなものどうにかするさ!決まったな、行くぞ!」
アフランシ「急すぎるよ!?」
ゼクス「リディ!バンシィでMSをまとめて持ち上げるな!」
リディ「細かい事は気にするなよ」
アセム「笑顔が怖いんだよ!何で逆方向に堕ちてるんだよ!?」
ハリー「バンシィはあ!金縛りに!!」
ドモン「止められない!?」
アフランシ「助けてくれええええ!?」
終わり
最終更新:2016年05月14日 08:24