86 : 1/32016/05/13(金) 20:32:23.03 ID:zakREQQJ0
ジュドー「バナージ兄の嗅覚ってどれくらいすごいの?」
バナージ「…なんだよ、いきなり」
ジュドー「いやさ、にドモン兄が食ったもの当てたじゃん? どこまでできるのかなーって」
バナージ「わからないよ、試したことないし」
ジュドー「だからさ、試してみようよ」

夜。
アムロ「それで、みんな集まってきたわけか」
ウッソ「興味深いですからね」
マイ「世界には色と香りだけでワインの銘柄を当ててしまうような方もいらっしゃると聞きます。バナージくんはどれほどのものか…」

ジュドー「ここに方々から借りてきたものがあります。誰のものか当てられるかな?」
アムロ「いきなり難しいな」
ジュドー「まずはこれ。」つ【シャツ】
バナージ「ふんふん………これはヒイロだな」
ジュドー「正解!」
ヒイロ「なぜわかった…?」
バナージ「硝煙の匂いがしたんだよ」
ウッソ「でも硝煙の匂いだったら刹那兄さんにも染み付いてそうですけど」
キラ「むせる」
バナージ「刹那だったら接着剤とかスプレーとかの匂いもいっしょについてるはず。その匂いがなかったってことは、ヒイロだ。サイズもぴったりだし」
ヒイロ「………」
アセム「別にバナージは背丈のことを言ったんじゃないと思うぞ」
ヒイロ「………」
キオ「(余計に落ち込ませてどうすんの…)」

87 : 2/32016/05/13(金) 20:35:31.93 ID:zakREQQJ0
ジュドー「では次!」つ【紅白色のシャツ】
バナージ「…強烈な鉄臭さと泥臭さの中に二種類の良い香りは…ミカ。オイルの匂いがそんなに強くないから、ガロードじゃなさそうだ」
ジュドー「正解!」
バナージ「ていうかこのシャツの赤色、鼻血の色じゃ…」
ジュドー「気にしない気にしない! 鼻血くらいガロードも吹いてる! 次はこれ!」つ【パーカー】
バナージ「…あ、こっちはガロードだな。ちょっと絵の具の匂いがするし砂糖粒がついてる」
ジュドー「ほんっと、さすがだねー。じゃあこれはどうかな?」つ【ワイシャツ】
バナージ「シミ一つなく過剰なまでにピシっとしたスーツ、無臭の奥底に理解したら虚無の向こうに吸い込まれそうな名状しがたい匂い…マイ兄さんのか?」
ジュドー「正解…どんな匂いだよ」
バナージ「だから理解できないんだって」
マイ「最近ヅッダーエンペラーの開発に凝ってるから、それの匂いかな」
アムロ「ヅ…なに?」
マイ「最近なんだか神を殺したくてしょうがないんだ」
バナージ「マイ兄さん目が怖いよ…」

ジュドー「じゃあこれは…」つ【ブラジャー】
ガタッガタガタッバタンッ
バナージ「ちょ、ちょちょちょっ!? ジュドー、それ一体どこから…!?」
ジュドー「言ったら答えわかっちゃうじゃん。答えたら教えるよ。さっそく嗅いでどうぞ」
キラ「やっちゃうの? 誰のものともわからないブラジャーを顔に近づけてくんかくんかしちゃうの?」
バナージ「嫌な表現しないでくれよ…というか、ソレだったら近づかなくてもわかる」
ジュドー「そうなの?」
バナージ「離れてても漂ってくるこの強烈な化粧品の香り。それと派手なデザインからして、キャラさんのだろ」
ジュドー「おお、正解!」
アムロ「そそ、それでジュドー、そのブラは一体…!?」
ジュドー「なんでアムロ兄が食いついてくるのさ」
アムロ「そんなことはいいから早く教えろ!」
ジュドー「いや、キャラにバナージ兄の嗅覚を試したいからなんか貸してって言ったらこれを渡された。そんだけ」
アムロ「なんと色気のない…」
ジュドー「? ――あ、そういやパンツも渡されt」
ロラン「出さなくていいですから返してきなさい!」
バナージ「(あのパンツ、化粧品の匂いが薄い…キャラさんのじゃないぞ。匂いと大きさ的にアクシズの大人、それも女の人のっぽい。その下着つけられる人って…まさか…)」

88 : 3/32016/05/13(金) 20:37:21.03 ID:zakREQQJ0
ジュドー「それじゃ次は…これだ!」つ【白い靴下】と【ハンカチ】
バナージ「この匂いはオードリー。でもサイズが少し小さいから…靴下そのものはミネバのものかな」
ジュドー「正解」
ガロード「うわ、一瞬嗅いだだけで…」
バナージ「ハンカチの方は………ロニさんだ。ほかの人に比べて薄い感じだけど、いい匂いがする」
ジュドー「ここまで全問正解とは、さすがだねバナージ兄…」
バナージ「逆に、よくこれだけ集めてきたもんだよ。今ので最後か?」
ジュドー「いいや、最後はこれ!」つ【靴下】
バナージ「また靴下?」
アムロ「女物だな。今度は誰の…」
ジュドー「…ごめんよ、バナージ兄」
アムロ「ん、ジュドー今なにか…」

バナージ「ぶふぉっ!?」
シン「バナージが倒れたぞ!」
アムロ「ジュドー! これはいったい…」
ジュドー「えっと…ミネバの私物をもらいに行った帰りにドズルさんに見つかっちゃって…どうにか丸め込んだんだけど、これも持っていけと…」
シン「バナージ、大丈夫か!」
バナージ「女物なのに…おやじくさい…しばらく履き替えてない男の靴下の匂い…鼻が…死ぬ…気持ち悪い…うぷっ」
シン「え?」
バナージ「【オーールフェェェェンズ ナミダァァァァァァァァァ!(BGM オルフェンズの涙)】 」
※大変お聞き苦しい台詞のため文章を加工しております
「バナージが吐いた!」
「ぎゃああああ!」
「シンにモロかかったぞ!」
「うわあ、えんがちょー…」
「タオル、タオル! あとバケツも!」


● ● ●

デラーズ「閣下、私の変装用の靴下をご存じありませんか」
ドズル「知らんな」
その後しばらく、バナージの鼻は使い物にならなくなったそうな。

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最終更新:2016年10月25日 19:12