69看板娘の邂逅2017/04/08(土) 14:00:46.40ID:mqFPH6Sh0
セルゲイ精肉店
ソーマ「いらっしゃいませ」
ジュリエッタ「フン、ここがセルゲイ精肉店ですか。思ったより小さい店ですね」
ソーマ「ム、なんだ貴様は。営業妨害に来たのならば帰れ!」
ジュリエッタ「私だって来たくて来たのではありません。ラスタル様も認めるロシアの荒熊、彼が扱う肉がどれほどのものか確かめに来ただけです」
ソーマ「ラスタル?そうか、貴様向こうの焼肉屋の店員か」
ジュリエッタ「ですが肉はともかく接客はなっていませんね。こんな小さな娘に売り子をさせるなんて」
ソーマ「どこを見て言っている!私はもう18歳だ!それに貴様も人のことを言える体ではないだろう!」
ジュリエッタ「わ、私は着やせするタイプなんです!ともかく肉を貰いましょう。焼き肉用のカルビとロース、それにハラミを100gずつください」
ソーマ「フン、素人め!大佐は肉の真価はホルモンでわかると仰った。アボミも50g入れてやる!」
ジュリエッタ「なんですって、実は私がホルモン系に目がないと知っての所業ですか!」
ソーマ「ついでにミニメンチも揚げたてだから一個サービスだ!」
ジュリエッタ「くっ、この心配り!これでは馬鹿な人が釣られてまた来たくなってしまうではありませんか!」
ソーマ「フン!また来るならポイントカードを作ってやる。毎週火曜日はポイント2倍だ!」
ジュリエッタ「フン!たぶんもう来ることはないでしょうが、一応貰っておいてあげましょう!お会計は!?」
ソーマ「○○○○円だ!二度と来るな!ありがとうございました!」
ジュリエッタ「フン!思った以上にお手頃ですね!言われずとも二度と来ませんよ!」
その日の夜 焼肉アリアンロッド
ジュリエッタ「いらっしゃいませ。何名様でしょうか」
セルゲイ「予約していたスミルノフだが」
ジュリエッタ「スミルノフ?…あ」
ソーマ「あ」
ジュリエッタ「ふ、フン!まさか一日に二回もあなたの顔を見るとは思っていませんでしたよ」
ソーマ「ふ、フン!誤解するなよ、私は大佐が『たまには見識を広めるのも必要だから』と仰るからお供しただけだ」
ラスタル「おお、来たか荒熊の!」
セルゲイ「約束通りお邪魔させてもらった。政財界の食通をも唸らせるというアリアンロッドの肉、楽しみにしているぞ」
ラスタル「ふ、ロシアの荒熊にそこまで言われては恐ろしいな。どうしたジュリエッタ、お二人を案内しろ。一番いい席にな」
ジュリエッタ「わかりました…」
70看板娘の邂逅2017/04/08(土) 14:01:56.99ID:mqFPH6Sh0>>94
ラスタル「…食事は終わったか。どうだったかな、今宵の肉は」
セルゲイ「堪能させてもらった。肉の切り方、コースの組み立て方一つとっても細部まで実に気が利いている」
ソーマ「はい、とても美味しかったです…」
ラスタル「お嬢さんは浮かない顔だな。何か気に障った所でもあったかね?」
ソーマ「いえ、あの…」
セルゲイ「どうも今日、そちらのお嬢さんとケンカしてしまったらしくてな。顔が合わせづらいというのだ」
ラスタル「確かにジュリエッタにはセルゲイ精肉店に勉強に行くよう申し付けてあったが…どうやら失礼があったようだな、荒熊のご息女を怒らせるとは。後で私から叱っておこう」
ソーマ「いえ私も言い過ぎましたし、それに私は大佐の実の娘では…」
ラスタル「そうなのか?随分仲睦まじく見えたから、本物の親子かと」
セルゲイ「私はいずれそうするつもりなのだがね。それに、店も将来的には彼女に継いでもらいたいと思っている」
ソーマ「た、大佐!そ、そんなことを考えていらっしゃったのですか!?」
セルゲイ「ああ、そうだ。まだお前には言っていなかったがな。無論、嫌ならばそれで構わない」
ソーマ「嫌だなんてそんな…!」
ラスタル「そうであったか、奇遇だな。……ジュリエッタ!」
ジュリエッタ「はい、お呼びですかラスタル様」
ラスタル「このジュリエッタも私と血の繋がりはないが、幼い頃から目をかけていてな。いずれ私の後継者にと考えている」
ジュリエッタ「え、あ……ええ!!?」
ラスタル「何を驚いている。元々そのつもりでお前を引き取り、私の傍で働かせていたのだぞ?」
ジュリエッタ「そ、そうだったのですか…!」
ラスタル「だが後継者となるには、この娘にはまだまだ見識が足りない。…どうだろう、将来同じ肉界を背負って立つ者同士、二人は友達になってみては」
ジュリエッタ「え!?」
ソーマ「え!?」
セルゲイ「うむ。それはいい考えだ。この娘も根はいい子なのだが、なかなか人付き合いがうまくできないところがあってな」
ラスタル「それはジュリエッタとて同じこと。どうも彼女は、気になる相手にはつい憎まれ口を叩いてしまうところがあるようだ」
ソーマ「う…」
ジュリエッタ「むう…」
セルゲイ「そうだ。隣町に去年オープンした評判のいい肉料理店があったな。今度、二人で行ってみてはどうだね」
ラスタル「あそこか。確かに私も気にはなっていたが、中々時間が取れなくてな。二人に代わりに行ってきて貰えれば助かる」
ジュリエッタ「ラ、ラスタルさま!ですが私も店がありますし…!」
ソーマ「そうです大佐!私も仕込みをしませんと…」
ラスタル「言っただろう、ジュリエッタ。お前にはまだまだ見識が足りないと」
セルゲイ「それはお前もだ、ピーリス。その為ならば店などいくらでも休んでいい」
ジュリエッタ「…………」
ソーマ「…………」
ジュリエッタ「フン!別にあなたと行きたい訳ではありませんがラスタル様が言うならば仕方ありません。アドレスを交換しましょう」
ソーマ「フン!私だって大佐が行けというから行くのだからな。とりあえず来週の日曜でいいか?」
ジュリエッタ「フン!ならば私が予約をしておきましょう」
ソーマ「フン!では私は店までの道のりを調べておく」
ジュ・ソ「「べ、別に全然楽しみじゃありませんからね(ないからな)!!」」
ラスタル「(ほっこり)」
セルゲイ「(ほっこり)」
71通常の名無しさんの3倍2017/04/08(土) 14:09:09.49ID:/LQ4va0a0
ティファ(ほっこり)
フェルト(ほっこり)
72通常の名無しさんの3倍2017/04/08(土) 14:11:25.87ID:FxtobOEq0>>76>>77
子熊(またハブか…良いさ、焼肉くらい自分の稼ぎで食べられる)
最終更新:2017年09月19日 16:55