140通常の名無しさんの3倍2018/10/08(月) 15:56:19.49ID:o0kjmNRo0
アル「今から遊びに行ってきます」
ロラン「遅くならないように晩ご飯までには帰ってきて下さい」
アムロ「どこに行くんだ?」

 アルは嬉しそうな表情で答えた。

アル「駅前の広場だよ」
アムロ「ほう」
アル「不定期にやるんだけど、
   ここのところよく駅前の広場で路上ライブやってるから行くんだ」
アムロ「へえ。どういう人が歌うんだ?」

アル「エドワウって人だよ」

 アムロは顔を両手で覆った。
不思議そうな顔をするロラン。

ロラン「エドワウってどういう人でしたっけ。
    聞いたような聞いてないような名前ですけど」

アル「つまり……」
アムロ「金髪の男でな」
アル「エドワウってのはもう一つの名前で……」
アムロ「エドワウ=マスか……」
アル「赤い服着てサングラスしてシャアが来るを路上ライブでよく歌うんだ」
アムロ「クワトロの格好をして歌うのか! シャアは!」

 両手を下げて顔をあげるアムロ、驚くロラン。

ロラン「シャア!?」
アムロ「エドワウっていうのはシャアのもう一つの名だ。
    シャアは偽名で本名はキャスバルなんだが」

アル「エドワウってのは路上ライブでの芸名でもあるらしいよ。本人に聞いたもん。
   アムロ兄さんも一緒に来る?」
アムロ「……行ってみよう」

 というわけでこの日の夕方、
アムロはアルと駅前の広場に出かけたのだった。

141通常の名無しさんの3倍2018/10/08(月) 15:59:23.61ID:o0kjmNRo0
 駅前の広場はすでに人だかりができていた。
たくさんの人の向こう側から歌が聞こえてくる。
どうやらシャアが歌っているらしい。
その観客達の間をアムロとアルは進んでいった。

シャア「おお、アムロじゃないか。アルくんも一緒だね」
アル「今日も来たよ」
アムロ「シャア、いったいこんなところで何をやっているんだ?」
シャア「路上ライブだよ。今、一曲終わったところだ」

 アムロがまわりを見ると観客の中に
デニムやジーン、スレンダーといった面々がいるのが分かる。

シャア「それでは聴いてくれ。次の曲、シャアが来る」

 そう言うとシャアはマイクを使って本当にシャアが来るを歌いだした。

シャア「……フラッシュバックにー、奴の影」
デニム「シャア!」
ジーン「シャア!」
スレンダー「シャア!」

アル「シャア! シャア! シャア!」
アムロ「……帰るか」
アル「ええっ、今いいところなんだよ!?
   もっと曲聴いてこうよ」
アムロ「じゃあとりあえずもう一曲」

 シャアはシャアが来るを歌い終わると
聴いている観客の前でまた話をしだした。

シャア「今日は特別ゲストが来ている。本物の芸能人だ。
    整形前の顔のミーア=キャンベル!」
ミーア「どうも、ミーアです」

アル「アムロ兄さん、特別ゲストだって!」
アムロ「ここでミーア? 歌でも歌うのか?」

142通常の名無しさんの3倍2018/10/08(月) 16:01:51.76ID:o0kjmNRo0
 シャアはミーアを歓迎の言葉で迎えた。

シャア「やあ、こんばんは。よく来てくれたね」
ミーア「いえいえ」
シャア「やはり整形前の顔に戻して正解だな。
    私見だがこっちの顔の方がかわいく、美しく、かっこいいと思うぞ」
ミーア「そんな……。嬉しいです」
シャア「整形する必要はなかったな。
    誰だ、ミーアの顔を変えようと言いだしたのは」

ミーア「それでは歌います」

 そう言うとミーアは森口博子の歌を歌いだした。
それを聴くデニムやジーン、スレンダー達。

アル「どう? 来てよかったでしょ」
アムロ「そうだな」
アル「帰らなくてよかったでしょ」
アムロ「うーん、帰ろうかどうしようかな」
アル「えー!?」
アムロ「晩ご飯の時間がな……」

 アムロがアルと話をしている間に曲は終わってしまった。
ミーアからシャアはマイクをもらうとまた話しだした。

シャア「今日は特別ゲストが来ているので男性ソロ、女性ソロの曲縛りでいくぞ。
    次の曲を聴いてくれ。アニメじゃない。
    アニメじゃない!」
デニム、ジーン、スレンダー「アニメじゃない!」
シャア「アニメじゃない!」
アル「アニメじゃない!」
シャア「ホントのこーとさー!」

アムロ「……やっぱりここで曲聴いてこうかな」
アル「さすがアムロ兄さん! 話がわかる!」

 シャアはサングラスをはずすとZZのOPの演出のクワトロのように叫んだ。

シャア「古いー、地球じーんよー!」
ジュドー「ちょっと待ったー!」

143通常の名無しさんの3倍2018/10/08(月) 16:05:23.76ID:o0kjmNRo0
シャア「ライブの途中に大声で乱入とは無粋だぞ」
ジュドー「アムロ兄さん、アル、もう晩ご飯の時間だ。
     ウチの家族から呼んできてくれってさ」

アル「どうするの、兄さん?」
アムロ「よし、もう少しここで路上ライブを聴いていこう」
アル「やったね」
ジュドー「このまま駅前の広場にいるの? 俺はいいけどウチの家族に怒られるよ?」

 ジュドーがたずねたのを見て、シャアが話しかけた。

シャア「ジュドーも聴いていきたまえ。アニメじゃない」
ジュドー「アニメじゃない、か……。俺も聴きたいといえば聴きたいかな」

シャア「よし、曲の再開だ。
    アーニメじゃない! アーニメじゃない!」

アムロ「ジュドーはいいのか? ここで聴いていて」
ジュドー「大丈夫。怒られるのは慣れてるよ」

 シャアは一曲歌い終わると再び話を始めた。
もう夕日は沈んでいる。

シャア「みんな、聞いてくれ。
    私は趣味で歌っているのでミーアのような本物の芸能人とは違う。
    だがその本物の芸能人に負けないくらいのつもりで歌っている。
    アニメソングの神様は私達に一つの権利を与えた。
    それは大いに盛り上がる権利だ!」

 そう叫ぶとシャアは次の曲を歌いだした。

シャア「……終わりのなーいー、ディフェンスでもいいよー!」

 その日の路上ライブは終わりがないくらい遅くまで行われた。
当然アムロ達は晩ご飯に間に合わず、ロランに怒られたが、
3人ともライブに満足していたようだ。

アル「今日の路上ライブよかったよね! また駅前に行きたいな」
アムロ「最後のミーアのメンオブデスティニー、よかったな。
    あれには感動した」
ジュドー「今度は俺も最初からライブ見に行きたいな」


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最終更新:2019年06月13日 20:47