47通常の名無しさんの3倍2020/12/10(木) 15:53:50.90ID:pZ9Xy6Fm0
 その日、アムロは会社の昼休みに弁当を食べていた。

チェーン「アムロさん、今日はお弁当なんですね」
アムロ「弁当だったりお店で食べたり色々だ。
    このご飯はウチの家族が作った」

チェーン「アムロさんのためにいつもすごい弟さんや妹さん達ですね」
アムロ「そうだな。その家族のために今日も昼休み終わったら働くか」
チェーン「そのことなんですが……、いつも疑問に思っていましたが
     アムロさんの弟はガンダムファイターなんですよね。
     ファイターならそれ相応の賞金等あるのでは?」

アムロ「それは弟の金だしな。できればそういうのは俺は使いたくない。
    みんなの生活費やMS整備費等考えたらやはり俺が働くのが一番だ。
    弟にわけを話して生活費としてお金に手をつけるのはあくまで最終手段だろうな」

 アムロの言葉にチェーンは急いで謝った。

チェーン「すみません。アムロさんがそういうことを考えているとは知らず、
     私は失礼なことを言ってしまって!」
アムロ「いや、いいさ。チェーンの疑問ももっともだ。
    さて、ご飯を食べたら一仕事だ」

 昼休み後、チェーンはアムロに午後の仕事内容を告げた。

チェーン「次のスケジュールですがアムロさんに開発依頼の仕事がきています」
アムロ「開発依頼?」
チェーン「2件、それぞれ別々の方からの依頼です。
     両方とも超高額の開発費を使ってOKという依頼で……。
     詳しくはわかりませんが、これはアムロさんにも話を聞いてもらおうと」

アムロ「わかった。お客様に会おう」

 アムロはチェーンとともに第一の依頼者を待たせている部屋に入った。

アムロ「お持たせしました。アムロです」
マシュマー「こんにちは。今日は御社に依頼をしたい」

48通常の名無しさんの3倍2020/12/10(木) 15:56:10.49ID:pZ9Xy6Fm0
 アムロが席に座ると、マシュマーは持ってきたトランクを開けた。
中には金塊がぎっしり入っている。

マシュマー「お金ならいくらでもある。ところでマジンガーZを知っているか?」
チェーン「まさかマジンガーをこの会社で作れと!?」
マシュマー「違う。アフロダイやダイアナンのような女性型ロボットを知っているか?」
チェーン「……?」
マシュマー「ハマーン=カーンその人そっくりのMSを作ってほしい」

 しばらく話をしたがアムロはその依頼を断った。
マシュマーが帰った後、チェーンはアムロにたずねた。

チェーン「よかったんですか? あの仕事を断って」
アムロ「受けたらハマーンにものすごく恨まれそうだし」
チェーン「そうですが、湯水のように開発費を使えるのは魅力的で……」
アムロ「それにマシュマーが求める機体性能が高すぎるんだ。
    ターンエーの月光蝶とかGセルフのフォトン装備とか他色々な機体のものを
    大量につけるのは技術的にも不可能だ」

チェーン「……それもそうですね」
アムロ「最強の機体にしたい気持ちはわかるが。そろそろ次のお客様に会いに行こう。
    だいぶお待たせしてしまったな」

 アムロは立ち上がると次の部屋に向かった。
ドアを開けるとそこには一人の男が座っていた。

アムロ「ロード=ジブリール!」

49通常の名無しさんの3倍2020/12/10(木) 15:58:38.40ID:pZ9Xy6Fm0
チェーン「アムロさん、どうしたんですか?」
アムロ「チェーン、この男を知っているか?」
チェーン「え、見覚えあるような、ないような……」

アムロ「この男はこの街の色んな企業に影響力を持った『ロゴス』の一員だ」
チェーン「ロゴス……?」
ジブリール「ハハハ、知っているなら話が早い!」

 アムロは席に座るとジブリールに話しかけた。

アムロ「わりと顔は広い方だと自分では思っているので。
    色んな方面からロゴスの話を聞いている。
    この街における影響力の具体的な話のいくつかも。
    もちろんロード=ジブリールに関することも知っているつもりだ」

 ジブリールは先ほど以上に嬉しそうな表情を見せた。
厳しい顔をするアムロと両者を見ながら困惑するチェーン。

ジブリール「さすがアムロ! では私がここに来た理由、
      巨額の開発費をかけてでもほしいものがある理由もわかるか?」
アムロ「なんとなくは」

ジブリール「ハハハハハ……! ではこの会社に改めて依頼をする」

 ジブリールは笑いから一転、真剣な様子になると、
アムロに話しかけた。

ジブリール「ドラえもんを作ってくれ」
チェーン「え、ドラえもん……?」

50通常の名無しさんの3倍2020/12/10(木) 16:01:10.32ID:pZ9Xy6Fm0
アムロ「この男は無類の猫好きなんだ。この街で一番の猫好きかもしれない」

ジブリール「頼む、あの猫型ロボットのドラえもんを作ってくれ。
      私は実際にドラえもんがどうしても欲しいんだ」

アムロ「ロード=ジブリール、ドラえもんを始めとする猫型グッズの収集家。
    ポケモンのニャースやサンリオのハローキティ等の品物を大量に購入し、
    コレクションする人間でもある」

ジブリール「私のジオラマベース『ヘブンズベース』には
      ハローキティやその仲間達のものがいっぱいだ。サンリオLOVE!」

 チェーンがあきれたように言った。

チェーン「私が先ほど思ったことと何か違う感じですね……。
     もっとほのぼのしているというか」

 しばらく話をしたがアムロはその依頼を断った。
ジブリールは悲しそうに帰っていった。

アムロ「どんなにお金を積んでも秘密道具込みでドラえもん開発は無理だろう。
    弊社では無理」
チェーン「声は水田ドラではなく大山ドラにする等要求細かかったですね……」

 アムロは家族の兄弟達のためにこうして会社でいつも働いているのだ。


link_anchor plugin error : 画像もしくは文字列を必ずどちらかを入力してください。このページにつけられたタグ

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2023年05月08日 10:43