―兄弟家、居間―
ステラ (むぐむぐ)
ラクス (にこにこ)
ステラ 「……なに?」
ラクス 「あらごめんなさい、お気になさらないでくださいな」
ステラ 「……見つめられると落ち着かない……」
ラクス 「あらあら、ごめんなさいね、ステラさんがあんまり可愛らしいものですから、つい」
ステラ 「……うー……」
シン 「おー……照れてるなー、ステラ。スゲー可愛い……」
ロラン 「……シン、覗き見はよくないよ」
シン 「いや……そうだけど……でもさ、なんかあの二人が一緒にいるところ珍しいし、
あのほのぼの空間に立ち入るのもなんか悪いなー、とか」
ロラン 「そうだねえ……あのお二人が一緒にいらっしゃるのは初めてだからね」
ステラ (むぐむぐ)
ラクス 「ステラさん、お口の周りがクリームで汚れておりますわ(ふきふき)」
ステラ 「……ありがとう」
シン 「ははは……なんか、子犬と飼い主みたいな感じだなあ」
ロラン 「心が和むね」
キラ 「子犬と飼い主、か……言いえて妙だね、それは」
シン 「……キラ兄、なんでそんな暗い顔してんだよ」
キラ 「シン、君は気づかないのかい? あのラクスの笑顔の裏に潜む、どす黒いオーラに!」
シン 「……はぁ?」
キラ 「ラクス……! 心の中では、『この子もその内私の下僕コレクションに加えて差し上げますわ』とか
電波ゆんゆんなことを考えているに違いない!」
ステラ 「……むにゃ……」
ラクス 「ステラさん? ……あらあら、もうおねむのようですわ」
ステラ 「……スー……」
ラクス 「ふふ……寝顔も天使みたいに可愛らしい……」
シン 「……分かる、ロラン兄?」
ロラン 「いや……凄く優しい微笑だと思うけど」
キラ 「君たちは騙されてるんだ! あんな優しそうな人が、本当に優しいはずがないじゃないか!」
シン 「えぇ!?」
ロラン 「何言ってるの、キラ?」
キラ 「騙されちゃいけない……! 女は二面性を持った生き物なんだ!
貞淑だと思ったら淫乱だったり、大人しいと思ったらビッチだったり、好きだと言いつつこっちを利用してるだけだったり!
具体的にはフレイとかフレイとかフレイとかフレイとか……」
シン (キラ兄……)
ロラン (かわいそうに、酸素欠乏症に……じゃなくて、フレイさんに手玉に取られたときのトラウマがまだ……)
ラクス 「あのー」
キラ 「(ビクゥッ!)や、やあ、なんだいラクス」
シン (うわ、キラ兄の笑顔が引きつってる!)
ロラン (脂汗ダラダラだよ……!)
ラクス 「ごめんなさいね。ステラさんが眠ってしまいましたので、毛布を用意していただけないでしょうか」
キラ 「あはははは、もちろんだよラクス、ラクスの言うことならなんだって聞いちゃうよ僕は!」
ラクス 「まあ、ありがとうございます、キラ。あなたはいつも親切にしてくださいますのね」
キラ 「もももも、もちろんですはい、だから僕に電波を浴びせかけるのはやめてよね!」
ラクス 「はい?」
キラ 「いやいやいやいや、なんでもありません! すぐに毛布取ってきますですはい!」
シン 「……」
ラクス 「フフ……あんなに慌てなくてもいいのに……キラは本当に優しい人ですわ」
ロラン 「……そうですねえ……」
シン (いろんな意味で哀れだな、キラ兄……)
最終更新:2019年05月27日 18:46