517通常の名無しさんの3倍
垢版 | 大砲
2024/02/06(火) 21:26:10.10ID:YF4B/g/I0
ここはイワーク=ブライアの家。
娘のリリアと暮らしているこの場所に、今日のフリットはいつものポケモン談義をしに遊びに来たのだ。
今日はエミリーやディケではなく弟のキオを連れている。
フリットがイワークさんとポケモンのお菓子を食べながらイスに座ってゲームやTVアニメの話をしている横で、
キオは寝転んで自宅から持ってきたポケモンのゲームをプレイしている。
2人の話への聞き耳をたてながら遊んでいるキオは、会話に興味ないふりをして実際は興味津々のようだ。
イワーク「なんでTVのロケット団の3人、いや2人と1匹は
あんなにサトシのピカチュウにこだわることができたんだろうな?」
フリット「えっ、それは特別なピカチュウだからじゃないの? 少なくともロケット団はそう思ってるんじゃ」
イワーク「普通はあんなにポケモンを奪うのに失敗しているなら諦める。
そう考えた時、一つの考えが自分の頭の中に浮かんだ。『名乗り』だ。
ロケット団はいつも登場する時に名乗りを叫ぶが、
あれは自分達への『鼓舞』なんだろうな。フリット、鼓舞とは言葉の意味がわかるか?」
フリット「わかるよ。要するにロケット団は自分達自身で応援しているんだね」
イワーク「そうだ。例えば大げさにいえば、ピカチュウ奪取に失敗するかもしれない恐怖の可能性を
ロケット団自身で打ち消している」
さて、その日の夜、兄弟達の夕食時の会話にこの話題が出た。
いつものように和気あいあいと兄弟達はご飯を食べている。
アムロ「なるほど、『名乗り』はそういう意味もあるのかもしれないな」
その時、コウとロランが言い争いを始めだした。
ポケモンが理由ではない。ニンジンの料理が原因だ。
518通常の名無しさんの3倍
垢版 | 大砲
2024/02/06(火) 21:28:38.41ID:YF4B/g/I0
ロラン「コウ兄さん、ニンジンを食べてください」
コウ「ニンジンいらないよ」
ロラン「コウ兄さん!」
2人の言い争いを聞いていたキオがそこで助け舟を出した。
キオ「コウ兄さん、そういう時は『名乗り』だよ」
コウ「名乗り?」
キオ「名乗って自分自身を『鼓舞』するんだ」
アムロ「それはいいな。コウ、一回やってみたらどうだ?」
コウ「ええ!?」
キオ「大丈夫。僕が考えた通りにコウ兄さんは言えばいいから。
きっとニンジンが食べられるようになるよ」
そういうとキオは家族全員が聞こえるような大声で名乗りをあげた。
兄弟達みんなは会話をいったんやめてそれを聞く。
キオ「世のため、人のため、ニンジンを食べる野望をうちいだくGP03のコウ!
このニンジンの輝きを恐れないからかかっていく!」
コウ「えええー!?」
アムロ「キオ」
キオのいささか大胆な名乗りにアムロは怖い顔をした。
アムロ「その名乗りは微妙にダメだ。禁止。わかったな」
キオ「ええー!? どうして!?」
コウは今夜もニンジンを食べることはできなかった。
最終更新:2025年04月25日 16:21