802 名前:兄と姉の語らい 1/2投稿日:2008/04/06(日) 14:38:13 ID:???
此処はアムロが良く来るとあるバー、今宵も此処で一人、一杯の酒を飲むつもりでいた。

アムロ「ふう、今日も色々あったな・・・また、明日も色々あるんだろうけど。」
セレーネ「あら、アムロ兄さん。」
アムロ「ん、セレーネか・・・お前も此処に酒を飲みに来たのか。」
セレーネ「ええ、ちょっとね・・・隣、空いてるけど座る?」
アムロ「ああ、じゃあ座らせて貰おうか・・・マスター、いつものを。」
マスター「かしこまりました。」
アムロ「さてと・・・それにしてもセレーネ、お前何杯飲んでるんだ、随分顔が赤いぞ。」
セレーネ「ん・・・やけ酒になるのかしら、ちょっと今後の計画で上とゴタゴタがあってね。」
アムロ「またDSSDの上司と口論になったのか・・・そう言うところは、本当に昔と変わらないな。」
セレーネ「そう?」
アムロ「ああ、自分は何時も正しいってよく俺や他の兄弟達と喧嘩して・・・確かに大抵はお前の言う事が正しかったな。」
セレーネ「大抵・・・私は、何時も自分が正しいって思ってるけど?」
アムロ「そうか・・・だが、あの時のあれはちょっとやばかったと思うけどな。」
セレーネ「あの時・・・ああ、私達がまだ高校生くらいの時、家族で山にハイキングに行って道に迷って遭難しかけた時の事ね。」
アムロ「あの時、俺は救助が来るまで動かない方が良いっていったけど・・・。」
セレーネ「私は早く山を降りた方が良いって言ったわね・・・ハイキングだったから、ろくに食料持ってなかったし。」
アムロ「あの時どっちにするか口論になって・・・小さかったみんなを泣かせたんだよな。」
セレーネ「そしたらロランが喧嘩は止めてってね・・・あの時のロランの顔は今でも覚えてるわ。」
アムロ「それで冷静に話し合って・・・結局、俺が折れて山を降りる事にしたんだ。」
セレーネ「ええ、近くに川があったから、その流れに沿って・・・小さい頃本にそうしたら良いって書いてあったから。」
アムロ「でも、あれはジャングルとかで遭難した時の話で、山だと返って危険だったんだぞ。」
セレーネ「そうね・・・あの時の判断、兄さんは正しいと思った?」
アムロ「一歩間違えれば一家揃って死んでたからな・・・あまり賛成は出来なかった。」
セレーネ「そう・・・やっぱり、私の判断は間違いなのかしら?」
アムロ「・・・でも、結果的には助かったんだ、それに越した事はない。」
セレーネ「フフッ・・・ほら、やっぱり私の判断は正しかったじゃない。」
アムロ「こらっ、調子に乗るな。」
セレーネ「ごめんなさい・・・でもありがとう、フォローくれて・・・本当は私、あの時の判断は間違ってたんじゃないかって今でも考えてたの。」
アムロ「・・・・・・そうか。」
マスター「はい、いつものです・・・。」
アムロ「ありがとう、マスター。」


803 名前:兄と姉の語らい 2/2投稿日:2008/04/06(日) 14:40:57 ID:???
アムロ「所でセレーネ、さっきの件だけど・・・まさか、このまま終わるつもりはないよな?」
セレーネ「勿論・・・あの禿頭に私のプランの有効性と実用性をきっちり解らせる為の最大限の努力はするつもりよ。」
アムロ「そうか、お前はそういう努力家の所もあるからな・・・全ては夢の為、って事か?」
セレーネ「ええ、人が早く外宇宙に進出する為にも・・・もっと空を見つめないといけないの。」
アムロ「・・・羨ましいな。」
セレーネ「えっ?」
アムロ「夢を叶えれる職業につけられたのがさ・・・俺の場合、成り行きだし、家族を食わす事しか考えてなかったからな。」
セレーネ「兄さん・・・。」
アムロ「おっと、俺とした事がセンチメンタルになったな・・・今のは忘れてくれ。」
セレーネ「・・・そうね、今のは酔いすぎて聞こえた幻聴って事にしておくわ。」
アムロ「そうしてくれ・・・でも、あまり夢ばかり追ってると、婚期が遅れるぞ。」
セレーネ「私、自分の夢が叶うまでそういうの興味ないから・・・そう言う兄さんこそ、そろそろ身を固めたら?」
アムロ「俺はまだ家庭を持つ気にはなれないな、あいつ等がいるし・・・それに、あいつらがいてこその家族だしな。」
セレーネ「そうね、あの子達はまだまだ子どもだし・・・お互い、まだまだ先の話になりそうね。」
アムロ「そうらしいな・・・さて、このまま一緒に飲み続けるか?」
セレーネ「別に構わないけど・・・あら、兄さんの携帯が鳴ってるわよ。」
アムロ「ん・・・ああ、本当だ・・・もしもし?」
ロラン『アムロ兄さん、今何処ですか?』
アムロ「ロランか・・・今セレーネと飲んでるんだが、どうしたんだ?」
ロラン『セレーネ姉さんも一緒なんですか・・・いえ、今晩の帰りは遅いのかなと聞こうと思ったんですけど・・・。』
アムロ「そうだな・・・・。(チラッ)」
セレーネ「・・・・・・。(コクッ)」
アムロ「いや、もうすぐ帰るわ・・・悪いけど、二人分の夜食作っておいてくれるか?」
ロラン『そうですか・・・解りました。』
アムロ「ああ・・・それと何時もありがとうな、ロラン。」
ロラン『何言ってるんですか、何時もの事じゃないですか。』
アムロ「まあ、それはそうだけど・・・ありがとう。」
ロラン『はぁ・・・じゃあ夜食作って待ってますから・・・早く帰ってきてくださいね。』
アムロ「ああ、解った・・・・・・という訳でマスター、今日はこの一杯だけで終わりにするよ。」
セレーネ「私も・・・もう失礼するわ。」
マスター「そうですか・・・お二人とも、ご家族を大切になさってくださいよ。」
アムロ「ああ、そのつもりだ・・・何せ、俺はあいつ等の兄貴で・・・。」
セレーネ「私はあの子達の姉だからね。」



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最終更新:2020年04月12日 20:39