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無人機


 その無人機に、名前はまだない。
 いずれ採用された時に、その在り様に沿って名前が付けられるのであろう。




概要

 本機は、圧倒的敵戦力との交戦を予測されるT13以降の宇宙戦において、自軍の被害を極限し、敵勢力をより多く削ぐことを目的として設計された無人兵器である。
 航宙機の形状と性質を持っており、取り立てて構造に目新しいところはないが、無人機であるという特性を生かした性能の絞り込みによって、高い戦果を上げるものと期待された。


コンセプト

 兵器としての柔軟性や部隊を守る壁としての役割は”人形”に譲り、先制打撃による敵戦力の削減を目的として運用される。
 本機のあり方は従来の航宙機と比較してより攻撃的なものであり、突破を図る敵機に対する迎撃にはあまり向かない。
”低コスト化したフェイクシリーズ”ではなく”小型化・量産化したエチオピア”と言っていいだろう。
 高性能と高火力をより危険度の高い戦場で活かす為の設計であり、迎撃によって撃破されてでも重要目標を破壊できるようにデザインされた。
 長距離戦闘以外を考慮に入れられていないため、人型の採用による柔軟性の確保は見送られている。
(これは、無人機に機能を与えすぎないという危険防止措置の一環でもある)

 サイボーグパイロットですら耐え切れない高G加速による高速接近の後、大火力による一撃を加えて離脱を行う事を主眼に据えられている。

 与圧設備・対放射線防備の必要性がない事から機体の大幅な軽量化に成功しており、加速性能の高さと併せて強烈なまでの運動性を持つ。
(放射線遮断について、機器異常を防止するための措置は取られている。ただし戦闘中の機体内部は人体の機能を破壊するに易いだけの放射線が通っており、これを削減できるだけでも対重量・対費用効果は大きかった)

性質

 パイロットの生存性を高めるための設備が全く必要とならないために機構も簡略化出来ており、性能の高さと比較すると大きくコストが削減できている。
 反面、用途以外の運用を全く想定していないため、機能上の遊びがなく、柔軟性に欠ける面がある。
(戦闘中のデブリ排除は出来ても、母艦の進路確保のための作業などは全く不可能である。武装ステーション数の圧倒的な少なさも機能の限定度合いを示していると言える)


主武装

 デブリ破壊・近接防御用の小口径レーザー砲4門と、主砲となる中口径レーザー砲2門を武装として装備する。
 主砲の出力はこのサイズの機動兵器の武装としてはかなり強力なものであり、外部オプションによらない内臓火器としては破格の威力を誇っていた。
 最も、威力の大きさから発射可能回数はあまり多くなく、ドッグファイトなどにおける使用は根本的に考慮されていない。(小口径レーザー砲によるドッグファイトは一応ながら可能とされる)
 またオプション装備として大型対艦ミサイルを下部ステーションに搭載可能だが、機体の長所が完全に失われるのが問題視され、あまり使用されなかった。
 これは、迎撃機の群れに強力な先制攻撃を加えて敵陣に大きな穴を開け、対艦ミサイルを突撃させて敵に大打撃を与える段階では、もう本機の戦闘は終了しているからである。
 乱戦に至る前の、両者による初撃が交錯する戦場を担当すること。それこそが本機に大きく求められた役割であり、それ以外の用途には性能的に向かない事など、当然の話だったのだ。

機動性能

 主推進器は機体後方の1基と両翼の2基の計3基。補助推進器は機体各所にくまなく配置されており、それらはプラズマロケットによる推進を行う。
 対消滅炉の反応によって推進剤(水)を蒸気に変えて加圧・噴射し、これをもって推力とするのである。
 対消滅炉は共和国の宇宙機に採用されたそれと比較して反応効率に大きく劣るが、これは当該技術の開発ノウハウの不足と、コスト削減による性能低下によるもの。
 反応効率に劣る分、推進剤を大量に消費し、これが本機の活動可能時間を大きく制限し、用途を限られたものとしている大きな要因となってしまっていた。
 機体両翼のスラスターモジュールは360度の回転が可能となっている。横方向への回転は不可能であるため完全ではないが、これによって、推力調節のみに因らず強引に機体の方向を転換する事が出来るため、各所に存在する多数のスラスターと併用する事で、本機は驚異的な機動力を獲得する事となった。
 当然、無茶な機動を実現可能としているのは本機が無人機であるためであり、人体の強度を考慮せずに縦横無尽に動き回れる本機を上回る機動性を保有できる機体など、同じく無人機であるヘリオドールや、フルボーグ以上でないと搭乗不可能な青の7号、或いはパイロットの須らくが超人的な技量を持つとされるフェイク3等、極々少数しか存在しないと考えられている。
(尚、本機の設計には宰相府が入手した共和国最新鋭機のデータが積極的に解析・利用され、両者の技術的格差を大きく埋めている。元々、宇宙開発においては先を行っていた帝國に、技術力的バックボーンは十分あった)

無人運用について

 本機は、母艦のオペレーターによる無線誘導によって命令を与えられ、予めプログラミングされたルーチンによって戦闘を行うように設計されている。
 ハッキング対策などの問題から、母艦からの距離が一定以上離れてしまうと一切の行動が出来なくなるようにセーフティがかけられており、戦闘継続能力が低く設定されている事も含め、コントロール権限の管理については強い防止策がとられていた。
 AIと呼ばれるべきものは機体のコアブロックに搭載されていたが、学習能力などといったものは存在せず、あくまで情報を認識、判断する事しかできない。
(今後、より高度な無人機が開発されるという可能性は十分にあったが、AI制御技術などにはまだまだ問題も多く残されており、現時点では企画段階に留まっている)


最後に

 無人機は人の命を賭けずに人の命を奪うための兵器である。
兵器が兵器として扱われる限りにおいて、その責も利も得るのは人間であるため、銃を持って人を殺す事も、無人機を操作して人を殺す事も、違いはない。
 戦争が起きる限り、戦いが起きる限りは兵器は使われるのであり、ならばこそ、戦争をより早く終結させるための手段を、と考えられたのは、ある種自明の理であったといえるだろう。

その結果として何が待つのかは、以後の歴史家によって語られる事になるのであろうが。
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