場所:アメリカ合衆国 コロラド州リトルトン
犯行時刻:1999年4月20日
A.M11:19 - P.M12:02~15
犯人:エリック・ハリス(18)
ディラン・クレボルド(17)
死者:15 (犯人2名含む)
負傷者:24
事件前
エリックとディランの関係は幼少期にエリックが、カンザス州からコロラド州へ引っ越してきた事より始まった。
小学校こそ違ったものの、少年野球やボーイスカウトなどを通して信頼を築き上げていき、中学は同じ学校へ進学。
中学校では数学で非常に優秀な成績を取り二人揃って表彰台に上がったこともあったという。
その後、二人は中流層が通う地元の高校へ進学をする。
惨劇の舞台となったコロンバイン高校である。
コロンバイン高校では部活動に入らず、(ディランは野球部の入部試験に落ちた為)二人の興味はコンピューターやグロテスクなゲーム、映画などに傾向していく。
コロンバイン高校は元々、伝統あるスポーツマンの学校で生徒の過半数は部活動に従事しているような学校だった、その為二人は入学後早々から虐めを受けるようになり、アメリカのスクールカーストの最下位にまで墜ちてしまった。
だが、彼等は完全に孤立していた訳ではなく、同級生の「ネイト」や「ザック」また、共通のバイト先の「ブラックジャックピザ」での友人たちにも恵まれていた。
襲撃まで
入学後から、「ロッカーに無理矢理押し込まれる」「すれ違い際に水をかけられる」「床に塗りたくったローションで転ばされる」などの虐めを頻繁に受けていた彼等の怒りは遂に頂点まで達する。
二人は復讐のため、メンテナンスを任されていた高校のパソコンから生徒のロッカー番号をハッキングし盗み出し、ロッカーに脅迫文が書かれた紙を入れるという悪手に出たが、
直ぐに特定され、学校から数日間の謹慎処分を受けることとなる。
謹慎処分が解けた彼等は、普通の生活に戻り問題も起こすことなく改善されたかに見えたが、ロッカーを破壊、動画製作の授業で酷い罵倒や暴言を吐いたムービーを撮影し、提出するなど、素行は以前よりも悪くなっていった。
また未成年喫煙や、未成年飲酒などもしていた
そして二人は遂に窃盗事件を起こし逮捕される。
内容は夜間に山中に停車していた車から、コンピューター等の高価な電化製品を盗み出すというものだった。
逮捕された二人は初犯で、反省もあったことから保護者の要望により直ぐに釈放をされる。
その後、エリックとディランは強制的に距離をとらされることとなり別々の更正授業を受ける様になる。
が、その裏では銃器の収集、犯行予定地の偵察、爆弾の製造、犯行予告とみられるビデオの撮影などをしていた。
襲撃
エリックとディランは個々の車を所有していた為、1999年4月20日ヒトラー110回目の誕生日の早朝に、ボウリング場へ集合をする。
午前のテストをサボり、ボウリングを楽しんだ後に高校へ向かった。
この間に町内に設置されていたゴミ箱が爆破され、炎上していたことから犯行は二人のものと考えられている。(恐らく、警察の目を逸らせる為。)
高校へ到着した彼等は、黒のトレンチコートに身を包み、昼飯前の食堂に2つのプロパン爆弾を机の下辺りに設置する。
その後、再び個々の車内へ戻り、爆弾が予定の時刻になっても爆破しなかったことから、失敗したと確信をした。
再び合流をし今度は散弾銃やマシンガン、パイプ爆弾などで武装した状態で校舎へ向かう。
校舎付近で昼食をとっていた二人のカップルを銃撃(1名死亡、1名重傷)
その後、階段を上がり手当たり次第に生徒たちを無差別に銃撃していく。
事態が異常だと気付き、生徒たちを避難させていた教員をも銃撃し殺害。(1名死亡)
パイプ爆弾や火炎瓶を投げるなどして、校内も破壊していった。
図書室の悲劇
二人は図書室へ侵入し、ジョックや体育会系の生徒へ対して酷い罵声を浴びせた後に、窓から警察と銃撃戦を展開する。
銃撃戦に飽きた犯人たちは机下で怯えてる生徒たちに対し、『ダセェ眼鏡』や『クソビッチが!』などの暴言を吐き次々と至近距離から銃撃をしていった。
また、ある生徒に対しては『お前は神を信じるか?』などと聞き、その生徒が『信じています』と応じると苦笑をしバカにするなどをして銃撃しないなど、不可解な点もあった。
自分達を優しくしてくれた生徒は銃撃の対象には入らず、見逃していたなども言われている。
図書室で大量殺戮を行った後、室内に二酸化炭素爆弾を投げ退室をする。
犯人たちは校内を周り色んな教室へ向けて銃撃を行ったが、ここでは死傷者は1人も出なかった。
また、教室の窓越しから犯人と目が合ったという生徒もいるが、銃撃はされなかったそうだ。
犯人二人は再び食堂に現れ、火炎瓶を投げ入れ小火を起こす。(監視カメラで確認されている。)
その後、また図書室へと戻り窓越しに警察官と2回目の銃撃戦を行う。
SWATに取り囲まれた状況で犯人たちは諦め、本棚に寄り添い自らの脳目掛けて銃弾を撃ち込む。
事件は犯人2名の自殺により終息した。
余談
犯人たちは「トレンチコートマフィア」という虐められっ子たちによって組織された自警団に所属をしていたが、トレンチコートマフィア自体は1999年には既にほぼ活動をしてなく、実質所属していたのはエリックとディランのみだっと言われている。
また銃器の入手方法は、ディランのガールフレンドから貰った物、バイト先の人から協力を得て、購入したなどとも言われている。
(コロラド州は銃に対して厳しく、安易に入手が出来なかった為、犯人たちは色んな手段を考えたのだろう。)
事件に関する資料など
ボウリング・フォー・コロンバイン(映画)
エレファント(映画)
コロンバインの空に(映画)
ZERO DAY(ドキュメント)
ZERO HOUR(ドキュメント) など
使用された凶器
- TEC-DC9
- ハイポイントカービン
- ダブルバレルショットガン
- ソードオフショットガン
- プロパン爆弾(不発)
- パイプ爆弾
- 二酸化炭素爆弾
- 火炎瓶
- ナイフ4個
最終更新:2018年05月20日 21:07