概要
辻ミステリの中で、最長・最多のシリーズ。
今世紀に入り、他のレギュラーシリーズが完結したり中断したりする中、2011年まで新作がコンスタントに出版され続け、完結した。
1979年に「
死体が私を追いかける(未)」で初登場したトラベルライター
瓜生慎は、家出中の女子大生
三ツ江真由子と出会ったことから事件に巻き込まれ、それが縁で真由子と結ばれる。
その後も、職業柄日本各地へ旅することが多い慎は、行く先々で事件に巻き込まれる。しかし、本人の意思とは裏腹に推理力に恵まれた慎は、真由子のサポートを受けながら探偵役を務めていく。
やがて、「
殺人者が日本海を行く(未)」で二人は正式に結婚し、子どもの誕生が間近になった「
北海で殺そう」をもってシリーズはひとまず完結する。
二人は産休を取るという名目で、徳間ノベルスにおける辻ミステリの主役は
神保亜子に譲った。その後二人は、「
ソウル発殺人物語」で息子・
竜(未)を伴って復帰し、主役に返り咲く。以後、乳児ながら事件に出会うと独特の勘を働かせる竜も探偵役に加わり、1991年の「
殺人「北越雪譜」(未)」までシリーズは継続した。
そして、十年以上のブランクを経て舞台は光文社文庫に移り、2002年の「
北海道・幽霊列車殺人号(未)」でシリーズは再開した。
以後の作品では、中学生から高校生へと成長した竜と、そのガールフレンド
中浜うずら(未)を加え、初期シリーズ以来のトラベルミステリーに探偵一家の活躍を加え、年一作のペースでシリーズは継続していたが、2011年「日本・マラソン列車殺人号」で、全シリーズは完結を迎えた。
シリーズリスト
第1期
- 死体が私を追いかける
- ブルートレイン北へ還る
- ローカル線に紅い血が散る
- 火の国死の国殺しを歌う
- 殺人者が日本海を行く
- 三陸鉄道死神が宿る
- 山陰ドン行に死す
- 鳴門に血渦巻く
- 北海で殺そう
第2期
- ソウル発殺人物語(神保亜子シリーズ第4作を兼ねる)
- 大雪山発殺人物語
- 仏ヶ浦発殺人物語
- 四万十発殺人物語
- 殺人「北越雪譜」
第3期
- 北海道・幽霊列車殺人号
- 上州・湯煙列車殺人号
- 信州・高原列車殺人号
- 伊豆・踊り子列車殺人号
- 長崎・ばてれん列車殺人号
- 弘前・桜狩り列車殺人号
- 日本海・豪雪列車殺人号
- 甲州・ワイン列車殺人号
- 宗谷・望郷列車殺人号
- 四国・坊っちゃん列車殺人号
- 会津・リゾート列車殺人号
- 日本・マラソン列車殺人号
短編
- お座敷列車殺人号(慎と真由子の新婚旅行が描かれる。「殺人者日本海を行く」の文庫版に収録)
最終更新:2015年01月12日 12:23