辻真先ミステリワールド総合案内所(建設中)内検索 / 「ユーカリおばさんシリーズ」で検索した結果

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  • ユーカリおばさんシリーズ
    伊豆高原で人形アトリエ「銀の鈴」を開いている熟年女性・亀谷ユーカリ(ユーカリおばさん)が、孫娘の綾川くるみとその恋人・三津木新哉(未)の二人をワトスン役にして、事件に挑むシリーズ。1993年の「津軽海峡死景色」を最後にシリーズは中断していたが、2001年に光文社文庫から「超特急燕号誘拐事件」が出版され、これが事実上のシリーズ完結編になっている。 ●短編集 死ぬほど愛した… いつか虹を渡りたい 刺のある花園 ●長編 旅は道づれ死体づれ 殺したい子に旅させよ 旅の死体は殺し捨て 鬼ごっこだよ国立探偵 死体は走るよ国際列車 殺しもあるよ国境紛争 死体も歌え奥信濃 知床岬に夏は死ぬ 佐多岬北緯31度の墓標 伊豆恋岬殺しの眺望 津軽海峡死景色 超特急燕号誘拐事件 ●短編 長編 異界活人事件(『バカミスじゃない!? 史上空前のバカミス・アンソロジー』に収録)
  • 亀谷ユーカリ
     ユーカリおばさんシリーズの主人公。  初登場時74歳の熟女で、伊豆・城ヶ崎海岸近くの高原にアトリエ「銀の鈴」をかまえ、人形を作って暮らしている。 少女時代からリベラルな考えを持ち、モダンガールとして行動していた。  昭和初期に、銀座のミルクホールで給仕のアルバイトをしていた頃、少年時代の那珂一兵や、同僚の青年コウちゃんと組んで、東京を騒がせた犯罪事件に挑んだこともある。また、昭和10年には、特急燕号の消失事件にも関係していた。  恋人・結城龍巳が徴兵から逃れきれず城ヶ崎海岸で投身自殺をした後、結婚したがユーカリの自由奔放が夫から理解されることはなく、娘・さおり(未)が結婚し夫が死去してからは、龍巳が命を絶った場所の近くで人形作りに打ち込む日々を送っていた。  孫娘のくるみや、その恋人・三津木新哉(未)と行動するようになってからは、日本中を飛び回って犯罪を追う一方、二...
  • 綾川くるみ
     ユーカリおばさんシリーズのレギュラー。  亀谷ユーカリの孫で、綾川さおり(未)の一人娘。  祖母の正義感と行動力を受け継いだ女子大生で、恋人の三津木進哉(未)と共に、ユーカリの助手として多くの事件に関わりながら全国を旅してきた。  ユーカリの探偵旅行が一区切りついた20世紀末頃に新哉と結婚し、三津木に改姓している。  2001年にユーカリが世を去ってからは、時間のあるときに「銀の鈴」を管理していた。その後、ユーカリの旧友である四条杉彦・小百合夫妻に「銀の鈴」の管理を委ねて退場した。
  • 超特急燕号誘拐事件
    2001年5月 光文社 光文社文庫  ユーカリおばさんシリーズの完結編。  ただし、シリーズ最後の事件は1993年の「津軽海峡死景色(未)」であり、本作では亀谷ユーカリは物語冒頭ですでに他界しているので、内容的には中断していたシリーズの後日談になっている。  主な舞台は、関係者の回想で語られる、若き日のユーカリが遭遇した列車消失事件である。  ユーカリの死後、アトリエ「銀の鈴」の今後を考えながら清掃に来ていた三津木新哉(未)とくるみの夫妻は、ユーカリの旧友を名乗る四条杉彦・小百合夫妻の訪問を受ける。彼らの口から語られたのは、昭和10年に四条夫妻とユーカリが出会った特急燕号車中で起きた奇怪な事件の物語だった。  皇室の家系につながる華族だった杉彦は、当時浅草の踊り子だった小百合と恋に落ち、駆け落ちを決意して東海道本線の特急燕号に乗り込んだ。  し...
  • メニュー
    シリーズメニュー 薩次&キリコ 蟻巣オールスター 迷犬ルパン 克郎&智佐子 可能克郎 ユーカリおばさん トラベルライター瓜生慎 葉月麻子 不倫探偵局 神保亜子 鬼堂修一郎 東秀介 贅沢シリーズ 大日向陽シリーズ(未) 夢瀬鬼人 (以下近日追加) リンク @wiki @wikiご利用ガイド 電子文庫パブリ・辻作品一覧 他のサービス 無料ホームページ作成 無料ブログ作成 2ch型掲示板レンタル 無料掲示板レンタル お絵かきレンタル 無料ソーシャルプロフ ここを編集
  • 長編 異界活人事件
    2007年1月 宝島社 「バカミスじゃない!? 史上空前のバカミス・アンソロジー」に収録(書き下ろし) 2009年8月 宝島社 「奇想天外のミステリー」(宝島社文庫)に収録  年刊誌「このミステリーがすごい!」のバカミスコーナーを担当する小山正氏のプロデュースで、書き下ろしの“バカミス”を集めたアンソロジー。そのトップバッターとして登場するのが本作である。  冒頭でいきなり主人公が死に、辻ミステリ最重要人物の命が狙われるサスペンスが、冥界と現世を股にかけて展開される。  “バカミス”を銘打ちつつ、亀谷ユーカリや東西大学の再登場、死後の世界のルールをベースにしてそれなりにミステリーの筋を通した展開、「長編と銘打たれた短編」の謎など、辻ミステリの王道を凝縮した作品でもある。  東西大学文学部教授の河東太朗と、その学生で愛人でもある寿々木ハンナは、ホテルで密会の...
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    Total - (from 2009/10/14) 今日 - 昨日 - はじめに 本ページのお約束 シリーズリスト 辻ワールドの主な名所 辻真先作品購入ガイド ネタバレコラム 新刊情報『たかが殺人じゃないか  昭和24年の推理小説』(東京創元社 2020/5/29) 最新長編小説。 昭和二四年、ミステリ作家を目指しているカツ丼こと風早勝利は、名古屋市内の新制高校三年生になり、初めての男女共学を経験する。勝利を含む推理小説研究会と映画研究会の男女5名の仲間は、顧問の勧めで卒業旅行代わりの合宿に出かけるが、そこで彼らは奇っ怪な密室殺人事件に遭遇する。さらに連続して起こる殺人事件に、少年達と那珂一兵が挑む。 戦後混乱期の激動の時代を背景にした青春ミステリー。 【祝!ミステリランキング3冠! 】 第1位『このミステリーがすごい! 2021年版』国...
  • 銀の鈴
     亀谷ユーカリが伊豆・城ヶ崎海岸近くの高原で営む人形アトリエ。  ユーカリの恋人であった結城龍巳が徴兵から逃れきれず投身自殺をした場所の近くに建てられた。  ユーカリの手による様々な表情のおばあさん人形が展示されていて、販売もしているがユーカリの気に入らない客には販売を拒否することもある。  他シリーズとの接点はあまりないが、「迷犬ルパンの名推理(未)」では那珂一兵やルパンがここを訪れている。  ユーカリの死後は、ユーカリの旧友・四条杉彦・小百合夫妻に管理が委ねられ、公開が続けられている。  人形作家・中島萬里氏の「人形の美術館それいゆ」がモデル。
  • 神保亜子シリーズ
    トラベルライター瓜生慎シリーズが「北海で殺そう」で一区切りとなり、瓜生真由子の妊娠に伴う産休の扱いになっている間、トクマノベルスで刊行されたシリーズ。 女子大生グルメレポーターの味子こと神保亜子が、カメラマンの空閑三九郎(未)とともに取材先で殺人事件に巻き込まれるストーリー。 亜子の恋人で、下半身不随のために入院中の永坂進吾が、亜子からの電話を受けて安楽椅子探偵の役割を果たしている。 瓜生夫妻の復帰とともにシリーズは中断したが、後に朝日ソノラマから「緑青屋敷の惨劇 味子の怪奇探偵レポート」が刊行されている。 味子さん、殺人です 探偵さん、迷宮です 犯人さん、復讐です ソウル発殺人物語(第2期瓜生慎シリーズ第1作を兼ねる) 緑青屋敷の惨劇 味子の怪奇探偵レポート
  • 薩次&キリコシリーズ
    概要  辻ミステリの原点となったシリーズ。  推理作家志望の中学生・ポテトこと牧薩次と、そのガールフレンド・スーパーこと可能キリコとのコンビが、学園周辺で起こる事件を追うパターンから事件が始まった。また、薩次が書く推理小説内の事件がドラマにからんでいくメタ・フィクション的な展開もある。  基本的には薩次が推理担当、百芸に秀でたキリコが行動担当であったが、二人が大人になるに従ってキリコの超人性は影を潜め、現実的なカップル探偵になっていく。  二人はシリーズを重ねるにつれて、友達から恋人へと関係を深めていき、薩次は本職の推理作家業の傍ら、キリコと共に実際の殺人事件にも数多く出会っていく。  キリコの兄・可能克郎は、その後多くのシリーズにも出演し、辻ミステリワールドの顔となっていく。また、第6作の「TVアニメ殺人事件」では近江由布子をはじめとして、スナック蟻巣ゆかりの面々がデビューして...
  • 葉月麻子シリーズ
    概要 美人だが惚れっぽく要領の悪いユノキプロ所属のタレントの葉月麻子が、ゲスト男性への思慕をバネに意外な名探偵ぶりを発揮して事件を解決して行くパターン。当初はジョイノベルスでシリーズが開始され、「北斗星ロイヤル個室で誰が死ぬ」以降徳間文庫は「~誰が死ぬ」シリーズとして継続した。最後には麻子が恋をあきらめることになるのもシリーズのお約束で、彼女には失恋探偵の異名まである。だが、最後には彼女にも人生の転機が訪れてシリーズをしめくくっている。 作品リスト 殺しはレールに乗って 殺しは江戸のパフォーマンス 北斗星ロイヤル個室で誰が死ぬ 秘境西表島で誰が死ぬ 南九州噴煙の下で誰が死ぬ 南紀仙人風呂で誰が死ぬ 十和田湖畔に死体が踊る(未)(シリーズ最終作 夢瀬鬼人シリーズ第1作を兼ねる) 旅と恋と殺人と(引退後の麻子が再び殺人事件に巻き込まれる) 嵐の柩島で誰が死ぬ(未)(『探偵Xからの...
  • 東秀介シリーズ
    天才少年東秀介(未)を主人公にしたシリーズ。 東西大学学長・東京一郎(未)の息子・秀介は、平凡な高校生を装っているが実は超人的な天才児で、コンピュータープログラマとして巨万の富を有している。 その秀介は、恋人のアイドル歌手・尾上志津子(未)を犯罪から守ったことがきっかけで、秘密殺人組織・安楽死保証組合と戦うことになる。 シリーズは、安保との決着がつかないまま2作のみで中断しているが、このリストでは秀介のデビュー作である「私のハートにあなたのメスを」も加えた。 私のハートにあなたのメスを(脇役として秀介がデビューした作品) 秀介ファイルNo.1 秀介ファイルNo.2
  • 迷犬ルパンシリーズ
    赤川次郎の「三毛猫ホームズ」を意識したシリーズで、朝日正義刑事に飼われた雑種犬ルパン(可能キリコや水上刑事はルパンの方が飼い主とコメントしている)が、人間の探偵顔負けの推理で事件を追う。 朝日の下宿する川澄家の長女で朝日の恋人の川澄ランと、彼女の弟・健も、ルパンと共に事件を追い、シリーズ途中からはそして健のGF・木暮美々子もレギュラーに加わる。 正伝のシリーズの他に、他作品のパロディをメインにした「迷犬ルパンスペシャル」シリーズも執筆され、「迷犬ルパンと三毛猫ホームズ」では三毛猫ホームズとも共演している。 「迷犬ルパンと里見八犬伝」を最後にシリーズは中断している。そして、2000年の「デッド・ディテクティブ(未)」でルパンのある秘密が明らかになったことを最後にシリーズが完結している旨を、作者がネット掲示板で述べている。  また、2013年の薩次 キリコシリーズ完結編「戯作・誕生殺人...
  • 可能克郎シリーズ
    概要  厳密には「可能克郎」を探偵役にしたシリーズではないが、克郎と夕刊サンが中心になった作品や、克郎が巻き込まれたシリーズ外の事件などをここにまとめる。 作品リスト 霊柩車に乗った狙撃手 殺されてみませんか(未) 幻影城で死にませう はだかの探偵 弔い島殺人ステージ 奥飛騨、殺人慕情 津軽、殺人じょんから節 短編 東京鐡道ホテル24号室(光文社文庫『江戸川乱歩に愛をこめて』収録)
  • 鬼堂修一郎シリーズ
    元CHKディレクター鬼堂修一郎(未)を中心としたシリーズ。無頼派で女癖の悪いテレビマン鬼堂修一郎が、テレビ黎明期のエピソードを交えつつ、事件に関わっていく。元テレビマンである作者の体験が投影されたシリーズ。 なつかしの殺人の日々 くらやみの天使たち 電気紙芝居殺人事件(薩次&キリコシリーズも兼ねる)
  • 克郎&智佐子シリーズ
    概要  新潮文庫で出版されたシリーズ。「湾岸鉄道殺人事件」のみ勁文社から出版されている。  各作品で狂言回し的な役割をしてきた可能克郎が、恋人で後に夫人になるパートナー智佐子を得て、主役になったシリーズ。  それまでの作品で女性運に恵まれなかった克郎は、意外な形で三良旅行社(未)のツアーコンダクター萱庭智佐子と出会う。そして後日、智佐子の担当するツアーに克郎が参加し、その旅の中で殺人事件に巻き込まれたことから、二人の中は深まっていく。  本シリーズでは克郎と智佐子は探偵役を務めず、トラベルツアー殺人シリーズでは智佐子の上司・多々羅課長が事件の糸口を見つけ、以降の作品ではゲストキャラクターが犯人を推理するのが約束事になっている。  初期五作では、智佐子の担当するツアーで殺人事件が起こり、それに克郎も関与していくのが基本スタイルである。  また、この五作は作者が現地取材を一切...
  • 夢瀬鬼人シリーズ
    概要 葉月麻子が女優引退前に巻き込まれた事件で、文英社の芸能記事を請け負っていたフリーライター夢瀬鬼人(未)が首を突っ込んできた。無責任を自認するお調子者ながら、何故か抜け目が無く各方面への顔も広い彼は、恋人の文英社社員伊奈川莢(未)と組んで探偵役をつとめ、事件を解決に導いた。 以後、麻子に代わって、鬼人と莢のコンビが日本各地の事件を解決していく。 作品リスト 十和田湖畔に死体が踊る(未)(葉月麻子シリーズ最終作を兼ねる) 奥志摩の海を死体が泳ぐ 長崎雨の港に死体が祈る
  • トラベルライター瓜生慎シリーズ
    概要  辻ミステリの中で、最長・最多のシリーズ。  今世紀に入り、他のレギュラーシリーズが完結したり中断したりする中、2011年まで新作がコンスタントに出版され続け、完結した。  1979年に「死体が私を追いかける(未)」で初登場したトラベルライター瓜生慎は、家出中の女子大生三ツ江真由子と出会ったことから事件に巻き込まれ、それが縁で真由子と結ばれる。  その後も、職業柄日本各地へ旅することが多い慎は、行く先々で事件に巻き込まれる。しかし、本人の意思とは裏腹に推理力に恵まれた慎は、真由子のサポートを受けながら探偵役を務めていく。  やがて、「殺人者が日本海を行く(未)」で二人は正式に結婚し、子どもの誕生が間近になった「北海で殺そう」をもってシリーズはひとまず完結する。  二人は産休を取るという名目で、徳間ノベルスにおける辻ミステリの主役は神保亜子に譲った。その後二人は、「ソ...
  • 知床岬に夏は死ぬ
    1990年9月 中央公論社 C-NOVELS  三津木新哉(未)と綾川くるみの仲が進展する中、新哉の学生時代の恋愛が発端となって起きた事件にくるみが巻き込まれていく。  いつものトリオが、くるみとユーカリ&新哉に分かれ、物語は作者お得意のトラベルミステリーとして、礼文島、稚内、網走、知床半島等、道北から道東へと幅広く展開していく。また、時刻表トリックやアリバイトリックもてんこ盛りである。  しかし、物語の主眼はそうしたミステリー要素ではなく、新哉の過ぎ去った青春時代の思い出と、それを垣間見て揺れるくるみの心、そして新哉に思いを寄せていた女性たちの悲しい運命など、恋愛ドラマとしての印象が強い。  地方巡業中の新哉の留守宅を主婦気取りで掃除していたくるみは、新哉の学生時代の恋人・イトウフミコを名乗る女性から自殺予告の電話を受け、単身北海道へ飛ぶ。そして、稚内で伊藤...
  • コウちゃん
    「怪盗天空に消ゆ―幻説銀座八丁」に登場した青年。ミルクホールでアルバイトをしていた若き日の亀谷ユーカリの同僚である。少年時代の那珂一兵も交えたトリオで、銀座男爵事件を追った。後に渡米している。 【以下、ほぼネタバレ】  実は、探偵デビュー前の某名探偵である。  後に帰国し、1935年に短編「銀座某重大事件」で那珂一兵と再会し、共に事件を追った。そして、1937年に岡山で起きたある殺人事件で世間から認められ、伝説の名探偵としての道を歩むことになる。 (『銀座某重大事件』では、堂々と本名を名乗っております)
  • 贅沢シリーズ
    平凡なOL・麻生瑶子は、実は没落した名家の娘である。没落しても楽観的な父親や、過去の栄光を捨てきれない元執事など、愛すべき人々に囲まれつつも、瑶子は何故か次々と殺人事件に巻き込まれていく。劇中に挿入される様々な贅沢品への蘊蓄も見所である。 世にも贅沢な殺人 世にも香しい殺人 世にも達者な殺人 西伊豆昇天海岸
  • 不倫探偵局シリーズ
    概要 清新女子大に通う学生・大道寺ルリ子は、警視庁捜査一課の権藤猛彦警部と不倫関係にある。そのルリ子が、友人の岸本修子、轟勝江と共に“不倫トリオ”として、事件を解決して行く連作短編集。 作品リスト 不倫探偵局出動せよ! くたばれ!不倫探偵局 死の影温泉ただいま混浴中(権藤の登場しない後日談の長編)
  • 三毛猫ホームズ
    赤川次郎氏の連作推理小説「三毛猫ホームズ」シリーズの主人公。 警視庁捜査一課の片山義太郎刑事に飼われている雌猫で、人間顔負けの推理力があり、様々な行動で片山たちに事件のヒントを伝えている。 「迷犬ルパンの名推理(未)」の冒頭でルパンと出会い、その後、「迷犬ルパンと三毛猫ホームズ(未)」で本格的にルパンと共闘した。 他作者のキャラクターではあるが、「迷犬ルパンシリーズ」自体が「三毛猫ホームズシリーズ」にヒントを得た作品であり、「迷犬ルパンシリーズ」に欠かすことのできないキャラクターとして、特にこの項を設ける。 シリーズのレギュラーは、相棒の片山刑事と妹の片山晴美、目黒署の石津刑事、捜査第一課長の栗原警視、片山の叔母・児島光枝という面々で、いずれも「迷犬ルパンと三毛猫ホームズ」では、本家シリーズと違和感のない活躍を見せている。ただし、栗原については、本来の辻キャラクターとし...
  • 湾岸鉄道殺人事件
    1994年11月 ケイブンシャノベルス(新書) 克郎&智佐子シリーズの最終作。 出版社が新潮社からケイブンシャに移り、「資料のみの取材」「幕間に登場する作者と編集者」「ゲストキャラクターが探偵役」というシリーズの定型が使われていない。 また、萱庭カヤや三田社長(未)ら、シリーズのセミレギュラーも登場しない。 逆に、「~殺人事件」にトレンドの事物を冠したタイトルや、マスコミ関係者をめぐる事件などは、薩次&キリコシリーズの趣があり、主役のみを可能夫妻に譲っているという印象が強い。薩次とキリコは脇役として登場している。 舞台は、当時開発が進んでいた東京から千葉にかけての湾岸地区が中心となる。 事件は、湾岸を走る京葉線の中で、地方TV局のプロデューサー富井が毒殺されるところから始まる。またも殺人現場に居合わせた可能克郎は、愛妻・智佐子とともに、富井の人間関係を追う中で、連...
  • 婿ドノのいのちが危ない 1LDKエアコンなし死体つき
    1989年5月 新潮文庫  克郎&智佐子シリーズの第6作。前作でついにゴールインした可能克郎と智佐子の新生活が舞台となるが、折からの狂乱地価で二人の新居探しは難航し、本作以降の二人は転居を繰り返しながら行く先々で事件に巻き込まれていくことになる。ここでシリーズはトラベルミステリーシリーズ改めホームミステリーとして続いていく。  克郎と智佐子が入居した古風な木賃アパートは、古本屋や銭湯に囲まれた住宅地にあり、当時狂乱地価のため姿を消しつつあった東京の下町の面影を残していた。  個性的な住人に囲まれた二人は、入居早々幽霊を目撃し、そして古本屋での奇妙な殺人事件に端を発した連続殺人に巻き込まれていく。  本作では、ほとんどアパート周辺が舞台になり、萱庭カヤと山辺記者以外の辻ミステリ関係者は姿を見せない。そのため、他のシリーズとは一線を画したホームドラマ的な印象が強くなってい...
  • 『殺人事件』殺人事件
    1991年5月 双葉社 FUTABA NOVELS 1993年3月 双葉社 双葉文庫  薩次&キリコシリーズが講談社を離れ、タイトルも“架空交通機関”にこだらなくなった新展開の第1作(注)。以後、本シリーズは特定の出版社に定住しないまま、様々な題材を扱うことになる。そして、本作の枕詞は“殺人事件”となり、推理小説そのものを題材にした連続殺人が展開される。また、薩次とキリコの結婚問題が大きくクローズアップされ、本作以降は薩次の迷いとキリコの焦りがシリーズの縦糸になる。  事件は、推理作家志望者たちの勉強会を舞台にした連続殺人で、トリックやダイイングメッセージなど謎解きの要素が強い。  また、前述の薩次とキリコの関係や、夕刊サンのカルチャーセンター事業、本作でプライベートの一端が明らかになる水上刑事の活躍、作家・辻真先の存在など、シリーズファンを喜ばせる見所も多い。 ...
  • 北海で殺そう
    1986年5月 徳間書店 トクマノベルス 1992年7月 徳間書店 徳間文庫  トラベルライター瓜生慎シリーズの第1期完結編。  真由子の出産という一大イベントが物語の中心となり、坂西弥太郎(未)・よね子(未)夫妻、鮫島(未)車掌とシリーズゆかりのキャラクターが多数登場と、完結編らしい設定になっている。トラベルミステリーとしても規模が大きく、国鉄の分割民営化など当時の鉄道情勢も色濃く反映している。
  • ネタバレコラム:劇中の事実と虚構
    ネタバレ注意!  辻作品の特色として、牧薩次を中心に劇中の人物が小説を書き、その劇中劇と劇中現実が入れ子になって、読者にトリックを仕掛けるというパターンが多々あります。特に、「仮題・中学殺人事件」から「TVアニメ殺人事件」までの初期6部作は、「TVアニメ殺人事件」のエピローグで、薩次とその友人皿塚麻樹による創作と明言されてしまっています。(一部、現実か創作か曖昧な部分はある)  そうすると、薩次とキリコは少年時代に殺人事件に遭遇したことはなく、二人の探偵としての実績は薩次がミステリ作家としてデビューしてからのものということになります。  しかし、その後の作品で二人が数々の事件に遭遇する中で、中学時代以来の探偵としての実績は随所に語られています。また、後年辻ミステリ世界を支えることになるレギュラー陣のほとんどは「TVアニメ殺人事件」でデビューしており、これを劇中劇と割り切ってしま...
  • 蟻巣オールスター
    可能克郎、那珂一兵など、スナック蟻巣常連のサブキャラクターたちが中心になる作品群。 牧薩次など探偵役キャラクターたちは登場しないか、登場しても事件の中心にはからまない。 その他、常連キャラクターが出演していながら各シリーズも収まりにくい作品も、ここで紹介する。 (可能克郎が中心になるものは、可能克郎シリーズで紹介) アリスの国の殺人 ピーターパンの殺人 犯人 存在の耐えられない滑稽さ 白雪姫の殺人 怪盗天空に消ゆ―幻説銀座八丁 デッド・ディテクティブ 残照 アリスの国の墓誌 深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説 たかが殺人じゃないか  昭和24年の推理小説 短編 銀座某重大事件(講談社『名探偵登場!』に収録 那珂一兵登場)
  • 永坂進吾
     神保亜子の恋人で、神保亜子シリーズのレギュラー。 亜子の大学での同級生で高校以来の付き合い。亜子と恋仲になり結ばれた直後に、老人を交通事故から救おうとして重傷を負い、下半身不随の身となる。  しかし、その苦境に絶望することなく、亜子には変わらず明るい態度で接し、翻訳やアマチュア無線など机上で出来る活動に活路を見いだして積極的に生きている。  その強靱な精神力と明晰な頭脳は、亜子の大きな支えとなっている。  事件現場からの電話による亜子の報告を元に、安楽椅子探偵の本領を発揮して的確なヒントを提供している。  亜子の周辺のスタッフには、彼の存在は知られていない。  「緑青屋敷の惨劇 味子の怪奇探偵レポート」で、移植手術のため渡米したことが語られているが、シリーズ中断のためその後の消息は未公開。
  • 蟻巣
     新宿ゴールデン街で近江由布子が経営するスナック。  「アリスの国の殺人(未)」で初登場した。  由布子が声優であり、その夫・中込攻が広告代理店勤務である縁で、漫画家、編集者、作家などマスコミ関係者が多く出入りする。そのため、辻真先作品の主立ったレギュラーのたまり場になっている。  劇中での競演が少ない牧薩次と瓜生慎が、この店ではよく同席していると語られる(『ユートピア計画殺人事件(未)』)ように、各シリーズ世界の接点の役割も果たしている。  小さな店で、探偵たちは主にカウンターで飲んでいるが、ささやかながらボックス席と中二階も存在する。落ち着いた雰囲気で、探偵同士のディスカッションが行われたり、事件の舞台になることもある。  店に住み着いてるチェシャ猫がマスコット代わりで、初代は死亡したが現在は二代目が住み着いている。  2016年、「残照 アリスの国の墓誌(未)」にお...
  • ソウル発殺人物語
    1988年4月 トクマノベルス  トラベルライター瓜生慎シリーズの新展開第1作であり、神保亜子シリーズの第4作でもある。  「北海で殺そう」で物語に一区切りをつけ、“産休”として神保亜子に主役を譲っていた瓜生夫妻が、長男・竜(未)を伴ってトクマノベルスに復帰した作品。  2つのシリーズのレギュラーが顔を揃えており、引き継ぎにふさわしいクロスオーバー作品になっている。  韓国で取材旅行中の瓜生慎は、ソウルで義父・三ツ江通弘の会社が関係する殺人事件に巻き込まれ、その一方で瓜生真由子と1歳の長男・竜は、ライター復帰のための取材旅行に向かう途中、味子こと神保亜子や空閑三九郎(未)と出会い、山口県でソウルの事件に関係している人物を追うことになる。  対馬海峡を隔てての二カ国を舞台にした国際犯罪に、竜をも交えた瓜生一家と、味子・三九郎コンビによる合同捜査が展開される。  トラベルミ...
  • 水上
     警視庁捜査一課(未)の刑事。フルネームは不明。  可能克郎が新人記者時代に警察周りをしていたころからの友人。  精悍な面構えの二枚目で、年下の牧薩次より若々しく見える容貌である。  現場の最前線で活躍する若手として、薩次&キリコシリーズや迷犬ルパンシリーズに頻繁に登場した。  口は悪いが友情には厚く、克郎をはじめとする仲間たちを心底信頼している。  薩次・キリコとは「幻の流氷特急殺人事件」で初めて顔を合わせているが、何故かその後忘れ去られたらしく、「東海道本線殺人事件」で改めて初対面のやり取りをかわしている。  私生活は不明だが、「『殺人事件』殺人事件」では、姪で推理作家志望の女子高生水上ルリ(未)が登場し、姪には弱い叔父としての一面を見せていた。  近年は出番が減っていたが、近作「DMがいっぱい(未)」で渋さの加わった中堅の刑事として久々に登場し、...
  • 迷犬ルパンの檜舞台
    1984年7月 カッパノベルス 1988年7月 光文社文庫 (現在、各社電子文庫で入手可) 迷犬ルパンシリーズの第3作 軽井沢で行われるSF大会を舞台に起きる連続殺人をメインとした作品。 SFに造詣の深い作者らしく、実在のSF関係者が多数出演する大会の描写は、ところどころでSF大会の経験者をニヤリとさせる。 大会運営やコスプレなど、 80年代当時のファン活動についての蘊蓄も、今となっては懐かしいものがある。 その一方、SFやアニメがジャンルとして成長するにつれて、既存の権威に利用されていく現実の苦さも描かれており、その問題意識は21世紀の今から見ても過去のものでは無い。 本作で木暮美々子がデビューし、やがて川澄ランに次ぐシリーズ第2のヒロインに成長していく。 東西大学のSF研究会が中心となって、軽井沢でSFまつり「カルコン」が開催されることになった。...
  • 迷犬ルパンと殺人結婚
    1988年12月 カッパノベルス 1994年4月 光文社文庫 (現在、各社電子文庫で入手可) 迷犬ルパンシリーズの第11作  川澄健と木暮美々子が通う文成中学校(未)の文化祭準備に端を発し、連続殺人へとつながっていく一連の怪事件を、おなじみのルパンファミリーが追う。健と美々子がほとんど主役となって、朝日刑事とランはいつもより出番が少なくなっているが、影が薄いというほどではなく、レギュラーメンバーの軽妙な会話は健在。水上刑事をはじめとする警視庁捜査一課の出番も多い。  連続殺人の中での犯人消失等のトリックは魅せるものがある。しかし、本作の主題になるのは、健と美々子の友人・讓とみどりのそれぞれの親の過去の恋に始まる水面下の悲恋物語である。讓の父・東洋夫とみどりの母・住子に容疑がかかる中、二人の無実を信じ、復縁の後押しをするレギュラーメンバーの善意は、シリーズの王道であり大変...
  • 宇宙戦艦富嶽殺人事件
    1981年7月 徳間文庫  薩次&キリコシリーズがソノラマ文庫を離れ、一般向け作品として再スタートした作品。本作を皮切りに、シリーズは架空の乗り物を冠した「~殺人事件」のタイトルで続くことになる。  事件は、神戸の六甲大学にあるアニメーション研究会を舞台にした連続殺人事件であり、70年代末から80年代にかけてのアニメブームと、それを取り巻く若者たちの活動を、リアルに追っている。  また、舞台は東京から神戸、そして安曇野へと飛び、トラベルミステリー的な展開も盛り込まれている。  テーマ的には、アニメという新たな文化に取り組む若者と保守的な大人との対比、アニメ業界を取り巻く厳しい状況、そして戦時中から続くある種の人々への批判など、作者らしい主張が盛り込まれている。  小説外の人物を安全圏に置かない「意外な犯人」の指摘も行われ、総じて辻ミステリの見本とも言うべき内容になっ...
  • 木暮美々子
     川澄健の同級生で家族・周囲公認のGF。  「迷犬ルパンの檜舞台」で初登場し、以後レギュラーとなる。  美人と言うよりは太めで健康さが魅力の美少女。  空気を読まず、遠慮会釈無く行動するところが長所にも欠点にもなっているが、優しさと正義感の強さは健同様で、ルパンをはじめとする川澄ファミリーとも仲が良い。  シリーズ後半からは健とコンビで事件を追うことが多くなり、準主役的に出番が増えている。
  • 川澄健
     川澄ランの弟で初登場時は中学生。後に高校に進学している。  姉同様、言葉には遠慮が無く、性的な話題も平気で口にするが、行動面では亡父・健一譲りの正義漢で、母・律子にも信頼されている。年齢の割には人望と腕っ節にも恵まれ、中学校の後輩たちからも一目置かれている。  下宿人で姉の恋人の朝日を兄のように慕っており、ルパンとも仲がよい。  家族公認のGF・木暮美々子とのコンビで事件を追うことも多く、シリーズ後半からは準主役的に出番が増えている。
  • 東西大学
     東京世田谷区経堂にある大学で、可能克郎、牧薩次の母校。  克郎自身は“二流の駅弁大学”と自嘲しているが、登場する関係者の会話から察する限り、中堅以上のレベルは保っているらしい。   80~ 90年代には東秀介(未)の父・京一郎(未)が学長を務めている。  東学長の周囲で事件が多発したり(東秀介シリーズ等)、演劇同好会を舞台に連続殺人事件(ガラスの仮面殺人事件(未))が発生したりと、刑事事件や事故の発生率は他大学の水準を凌駕している。近年も、交際中の文学部教授と女子学生がフグ中毒で死亡するという事故が起きている。(長編 異界活人事件)
  • 朝日正義
    「迷犬ルパンシリーズ」の副主人公。  警視庁捜査一課の若手刑事で、ルパンの飼い主。おでん屋の屋台で好物のゲソをルパンに奪われるという形で出会い、下宿先の川澄家が飼っているサファイア(未)といい仲になったルパンが、なし崩し的に川澄家に転がり込んできた。ルパンと協力して事件を追ううちに、事実上ルパンの保護者となっている。(朝日が登場しない『東海道本線殺人事件(未)』では、キリコに“ルパンに飼われている刑事さん”と言われている)  九州出身で、世間のイメージする“九州男児”を実体化させたようなキャラクターである。本来は長身の二枚目だが、ルパンにからかわれて三枚目を演じることも多い。写経が趣味という古風さで、質実剛健な性格だが、正義のためには後先を考えずに突っ走る癖があり、その真っ直ぐな行動が他者の目にはコミカルに映ることもある。そのため、「体力勝負の張り込みには向いているが、知恵の輪を...
  • 川澄律子
     朝日正義とルパンが住む川澄家の主で、川澄ランと健の母親。旧姓、奈良原。  シリーズ第1作「迷犬ルパンの名推理(未)」では川澄兼子という名で登場していたが、「鉄腕ルパン~迷犬ルパンスペシャル(未)」で律子の名が語られ、以後は律子で統一されている。  夫・健一には先立たれ、ランと健を女手一つで育てた。  穏やかで、ややとぼけた雰囲気のある女性で、ランが朝日の前でヌードを晒してしまうアクシデントにも全く動じていない。しかし、その大らかさは、子どもたちや朝日に対する信頼感ゆえでもある。  中学時代はクラスのアイドル的存在で、リイコというあだ名で呼ばれており、近所の医学生手塚治虫(未)のキャラクター・リイコのモデルにされているらしい。
  • 葉月麻子
     ユノキプロ所属のタレント。  二十代後半のベテランで、映画、TV等の派手な芸歴には恵まれないが、イベントキャスターとしてあらゆるイベント司会をこなす能力があり、ユノキプロの主戦力の一人となっていた。  正義漢の強い美人ではあるが、男性運には恵まれず、事件の中で知り合った男性への恋をバネにして事件解決に奔走するも、解決後はその男性を失うことがシリーズのお約束になっており、「失恋探偵」の異名を持つ。  ユノキプロの堀マネージャーから想いを寄せられ、意気投合しつつも彼を男性として見ることができず悩んでいたが、その恋人未満の関係も思わぬ形で幕を閉じることになる。  1993年の「十和田湖畔に死体が踊る」で度重なる失恋に終止符を打ち、夢瀬鬼人(未)に探偵役を譲って結婚退職した。  その後、1995年の「旅と恋と殺人と」で、新たな事件に巻き込まれている。
  • 犬墓島~迷犬ルパンスペシャル
    1984年10月 光文社文庫 迷犬ルパンスペシャルの第1作 横溝正史の『獄門島』を中心に、横溝作品のパロディとして描かれた作品。 迷犬ルパンシリーズのルパン、朝日刑事、川澄ランたちだけではなく、牧薩次と可能キリコ、瓜生慎と真由子、可能克郎、近江由布子と中込攻夫妻、文英社からは新谷知久、佐貫(未)、堂本(未)の編集長トリオに社員の井崎総三と、辻ミステリワールドのキャラクターが多数出演するオールスター作品。 薩次の小説にルパンたちがモデルとなる写真を付したビジュアル小説について打ち合わせるため、一同は瀬戸内海の犬墓島にある文英社の保養施設へ集合する。しかし、台風と何者かの工作のために島の外部との連絡が途絶する。 そして、事件は血なまぐさい方向へと転がり始めた。 ルパンを中心に、名探偵たちの合同捜査が始まっていく。
  • たかが殺人じゃないか  昭和24年の推理小説
    2020年5月 東京創元社 『深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説』に続き、若き日の那珂一兵が活躍するシリーズ。 昭和二四年、ミステリ作家志望の少年・風早勝利(通称 カツ丼)は、名古屋市内の新制高校三年生になり、初めての男女共学を経験する。 勝利を含む東名学園の推理小説研究会には映画研究会と合同で男女5名の仲間が集まっていた。彼らの間には、新たな時代への希望と困惑、ほのかな恋心、激動を生き抜くための厳しい現実など、さまざまな思いが交錯する。 そんな彼らは、顧問・別宮操の勧めで卒業旅行代わりの合宿に出かけるが、そこで彼らは奇っ怪な密室殺人事件に遭遇する。そして、さらに連続して起こる殺人事件に、少年達と那珂一兵が挑む。 戦後混乱期の激動の時代を背景にした青春ミステリー。 本書のタイトルには、作者が長年にわたってアニメ作品や推理小説などの中に込めてきた「人間の生命と個人の誇りに勝...
  • TVアニメ殺人事件
    1978年11月 カイガイ出版部(旧書名 TVアニメ殺人事件 キリコの中冒険) 1980年3月 朝日ソノラマ ソノラマ文庫 『仮題・中学殺人事件』より続いてきた初期6部作の最終章。  大学浪人しつつスナックでホステスのバイトをしていた可能キリコが、相棒の牧薩次に体を預ける決意をしてからの恋愛模様と、TVアニメ界を舞台にした奇怪な事件が交錯しながら語られていく。同時に、近江由布子、中込攻、新谷知久、那珂一兵ら、辻ミステリを支えていく名脇役たちが本作でデビューし、後の長期シリーズ化の布石にもなっている。  奇怪なコスプレをしたアニメーターがオートバイで倉庫の壁に突っ込み自爆するという衝撃的な事件の謎に始まり、不可能犯罪が重ねられていくのも見所である。那珂一兵の代表作「トコトンくん」のアニメ化企画も事件に巻き込まれ、その中で、当時ブーム上り坂にあったアニメ界の光と影も、セミフィ...
  • 可能キリコ
    牧薩次と中学以来のパートナーで、恋人関係を経て現在は牧夫人。 通称スーパー。実家がスーパーマーケットであったことと、入門書レベルの学習で武芸や特殊技術をマスターする驚異的な学習能力ゆえに、この通称がある。 家族に両親と実兄の克郎がいるが、その後両親はスーパーマーケットを閉店し地方で隠居している。 押しの強さと行動力は薩次を上回り、コンビの牽引役をつとめている。 百芸に秀でているものの、器用貧乏な面があり、ユノキプロにタレントとして所属しながら、ホステス、カメラマン助手、イラストレーターなどの仕事を転々としている。 陽気で強気だが、根は寂しがり屋で、結婚について態度を決めかねる薩次に対しては長年に渡って苛立ちを感じていた。 1997年の本格・結婚殺人事件(未)で、ようやく薩次との長い春にピリオドを打ち、各シリーズの探偵たちの祝福を受けてゴールインした。 これを機に、...
  • 神保亜子
     正義感の強い女子大生で、赤羽プロ所属のテレビレポーター。  アジの干物が好物であることから「味子」のニックネームがつき、その名から食通と誤解されてグルメ番組を多数担当することになる。実際には酒好きの味音痴である上、言動が率直なため、グルメレポーターとしては苦戦している。その反面、大食漢で普通に美味しいものは、素直に味わうことができる。  陽気で快活な女性であるが、恋人の永坂進吾が交通事故で下半身不随のまま入院しており、その事情は周囲のスタッフにも明かしていない。  取材先で良く事件に巻き込まれるが、その際には真吾から電話で様々な示唆を受け、探偵役を務めている。  トラベルライター瓜生慎シリーズ中断時の主役だったため、『ソウル発殺人物語』で瓜生一家に主役を返すような形で退場している。その後『緑青屋敷の惨劇』では、手術のために渡米中の進吾の手を借りず、単身で事件に挑...
  • 萱庭カヤ
     可能智佐子の祖母。  克郎 智佐子シリーズ第1作の「ブーゲンビリアは死の香り」で、「故郷の福島に住む智佐子の祖母」としてすでに話題に出ていたが、「南の島のお熱い殺意(未)」での電話出演で初登場。その後、「自由の女神にないしょで殺人(未)」で、智佐子を追ってニューヨークに姿を現した。  かなりの高齢であるが元気な熟年女性で、薙刀の達人でもある。智佐子に武道を教えた他、警察に招かれて薙刀の指導を行ったこともあり、その縁で大関(未)警部からも一目置かれている。  また行動力もあり、東京へ家出してきたときには、高齢にもかかわらず近所の喫茶店の仕事を見つけて働いていた。  智佐子を大変可愛がっている。そのため、智佐子のためとなると新婚家庭へもためらわず乗り込み、克郎を婿殿と呼んで叱咤する。しかし、内心では克郎にも信頼を置き、孫を囲む蟻巣常連の探偵達を好ましく思っている。 ...
  • 幻影城で死にませう
    1991年9月 ソノラマノベルス 伝説の推理雑誌「幻影城」とは無関係。 古城を模したホテル、同じ設計の二つの建物、自動人形のコレクション、異様な雰囲気を持つ美青年探偵など、古典ミステリを意識したガジェットが満載。しかし、古典本格ものとは少し違い、おなじみの可能克郎が狂言回しとなることで現代の雰囲気が強調され、パロディ的な味を出している。 主人公の百目鬼優は、出自に曰くのある銀髪の美青年ということで、シリーズ化されてもおかしくないキャラクターだったが、本作のみの登場で終わっている。 海に面したホテル「幻影城」は、古城型別荘二棟を利用して十八年前に建てられ、自動人形をはじめとする様々なコレクションを有していた。取材に訪れた可能克郎は、客の一人が、自動人形に胸を射抜かれたことを皮切りとする奇怪な事件に巻き込まれる。しかも、ホテルに向かう橋が爆破され、古城の人々は孤立を強いら...
  • 川澄ラン
     朝日正義とルパンが暮らす川澄家の長女で、ユノキプロ所属のタレント。脇役専門でスターと言える立場ではないが、体力と幅広い交友関係を生かして、多くの仕事をこなしている。  朝日とは恋人関係になるが、朝日の保守的な頑固さのため、男女としての仲は進んでいない。  父・健一はすでに他界しており、母・律子、弟・健との三人家族で、代々木の一軒家に住んでいる。  高校時代はバレーボール部の名アタッカーで、卒業後に後輩の伝手でユノキプロに所属し女優になった。  ややがさつな性格で、家の中ではあられもない姿でうろついて朝日や家族を困らせることがあり、愛車の赤いコスモハードトップをしばしば暴走させている。初登場時は未成年だったが、すでに酒豪になっており、朝日をあきれさせていた。  しかし、正義感は強く、弱きを助ける江戸っ子気質は旺盛で、朝日よりも熱心に事件捜査に取り組むこともある。 ...
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