辻真先ミステリワールド総合案内所(建設中)内検索 / 「宇宙戦艦富嶽殺人事件」で検索した結果

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  • 宇宙戦艦富嶽殺人事件
    ...房の名和編集長から「宇宙戦艦富嶽殺人事件」というタイトルと、「読者が犯人であり、探偵役で、被害者でもある」という条件で文庫書き下ろしの仕事を依頼された。  名和の勧めで、自主映画「宇宙戦艦富嶽」を制作中の六甲大学アニメーション研究会を取材するため、薩次は神戸を訪れるが、上映会の最中に部員の一人が不審な死を遂げ、同時に「宇宙戦艦富嶽」のフィルムが何者かによって持ち去られる。  事故死説に疑問を抱いた薩次は、キリコと共に事件を追うが、その中で第2第3の惨劇が起こり、事件は名和が指定したとおりの真相に向けて展開していく。  本書初出時のアニメブームを実体験している世代にとっては、懐かしい雰囲気が満載。
  • 薩次&キリコシリーズ
    ...TVアニメ殺人事件 宇宙戦艦富嶽殺人事件 急行エトロフ殺人事件 寝台特急ひかり殺人事件 電気紙芝居殺人事件(鬼堂修一郎シリーズ最終作を兼ねる) 幻の流氷特急殺人事件 東海道36殺人事件(文庫化の際に『東海道本線殺人事件』に改題) 沖縄県営鉄道殺人事件 合本・青春殺人事件 『殺人事件』殺人事件 ガラスの仮面殺人事件 ユートピア計画殺人事件 究極の鉄道殺人事件 本格・結婚殺人事件 戯作・誕生殺人事件 牧薩次名義の長編 完全恋愛 郷愁という名の密室 短編 特急『燕』驀進す(『死ぬほど愛した』に収録) 一件落着!(『合本・青春殺人事件』に収録) 祖神の声(新潮文庫『ミステリー大全集2 ミステリー日本地図』に収録) 臼杵2時間52分の危機(天山文庫『トラベル推理傑作選 日本縦断殺人』に収録)
  • 『殺人事件』殺人事件
    1991年5月 双葉社 FUTABA NOVELS 1993年3月 双葉社 双葉文庫  薩次&キリコシリーズが講談社を離れ、タイトルも“架空交通機関”にこだらなくなった新展開の第1作(注)。以後、本シリーズは特定の出版社に定住しないまま、様々な題材を扱うことになる。そして、本作の枕詞は“殺人事件”となり、推理小説そのものを題材にした連続殺人が展開される。また、薩次とキリコの結婚問題が大きくクローズアップされ、本作以降は薩次の迷いとキリコの焦りがシリーズの縦糸になる。  事件は、推理作家志望者たちの勉強会を舞台にした連続殺人で、トリックやダイイングメッセージなど謎解きの要素が強い。  また、前述の薩次とキリコの関係や、夕刊サンのカルチャーセンター事業、本作でプライベートの一端が明らかになる水上刑事の活躍、作家・辻真先の存在など、シリーズファンを喜ばせる見所も多い。 ...
  • 合本・青春殺人事件
    1990年4月 創元ミステリ’90(ハードカバー) 辻ミステリワールドの原点となった「仮題・中学殺人事件」「盗作・高校殺人事件(未)」「改訂・受験殺人事件(未)」の三作に、高校時代の薩次とキリコが活躍する短編「一件落着!(未)」を加えた合本。ただし、辻ミステリのレギュラーキャラクターたちが総出演するプロローグとエピローグが加筆され、この本自体が一つの物語になっている。
  • 仮題・中学殺人事件
    1972年1月 朝日ソノラマ サンヤングシリーズ(ハードカバー) 1975年12月 朝日ソノラマ ソノラマ文庫 1990年4月 東京創元社 合本・青春殺人事件 (創元ミステリ’90)に収録(ハードカバー) 2004年4月 東京創元社 創元推理文庫(2009年現在入手可) 辻ミステリワールドの原点となった長編。 両足の不自由な少年推理作家・桂真佐喜が執筆する牧薩次・可能キリコ主役の連作推理小説と、その薩次が執筆し(あれ?)真佐喜のモノローグで進む物語が交互に語られながら、一本の長編を形作る形式になっている。二つの世界の物語が交錯する中で、探偵役が最後に「読者」を犯人として指摘するというミステリ史に残るトリックが最大の特色である。 本作では、中学時代の牧薩次と可能キリコ、若手記者時代の可能克郎とその相棒の山辺記者がデビューしており、21世紀まで続く辻ミステ...
  • 湾岸鉄道殺人事件
    1994年11月 ケイブンシャノベルス(新書) 克郎&智佐子シリーズの最終作。 出版社が新潮社からケイブンシャに移り、「資料のみの取材」「幕間に登場する作者と編集者」「ゲストキャラクターが探偵役」というシリーズの定型が使われていない。 また、萱庭カヤや三田社長(未)ら、シリーズのセミレギュラーも登場しない。 逆に、「~殺人事件」にトレンドの事物を冠したタイトルや、マスコミ関係者をめぐる事件などは、薩次&キリコシリーズの趣があり、主役のみを可能夫妻に譲っているという印象が強い。薩次とキリコは脇役として登場している。 舞台は、当時開発が進んでいた東京から千葉にかけての湾岸地区が中心となる。 事件は、湾岸を走る京葉線の中で、地方TV局のプロデューサー富井が毒殺されるところから始まる。またも殺人現場に居合わせた可能克郎は、愛妻・智佐子とともに、富井の人間関係を追う中で、連...
  • TVアニメ殺人事件
    1978年11月 カイガイ出版部(旧書名 TVアニメ殺人事件 キリコの中冒険) 1980年3月 朝日ソノラマ ソノラマ文庫 『仮題・中学殺人事件』より続いてきた初期6部作の最終章。  大学浪人しつつスナックでホステスのバイトをしていた可能キリコが、相棒の牧薩次に体を預ける決意をしてからの恋愛模様と、TVアニメ界を舞台にした奇怪な事件が交錯しながら語られていく。同時に、近江由布子、中込攻、新谷知久、那珂一兵ら、辻ミステリを支えていく名脇役たちが本作でデビューし、後の長期シリーズ化の布石にもなっている。  奇怪なコスプレをしたアニメーターがオートバイで倉庫の壁に突っ込み自爆するという衝撃的な事件の謎に始まり、不可能犯罪が重ねられていくのも見所である。那珂一兵の代表作「トコトンくん」のアニメ化企画も事件に巻き込まれ、その中で、当時ブーム上り坂にあったアニメ界の光と影も、セミフィ...
  • ネタバレコラム:劇中の事実と虚構
    ネタバレ注意!  辻作品の特色として、牧薩次を中心に劇中の人物が小説を書き、その劇中劇と劇中現実が入れ子になって、読者にトリックを仕掛けるというパターンが多々あります。特に、「仮題・中学殺人事件」から「TVアニメ殺人事件」までの初期6部作は、「TVアニメ殺人事件」のエピローグで、薩次とその友人皿塚麻樹による創作と明言されてしまっています。(一部、現実か創作か曖昧な部分はある)  そうすると、薩次とキリコは少年時代に殺人事件に遭遇したことはなく、二人の探偵としての実績は薩次がミステリ作家としてデビューしてからのものということになります。  しかし、その後の作品で二人が数々の事件に遭遇する中で、中学時代以来の探偵としての実績は随所に語られています。また、後年辻ミステリ世界を支えることになるレギュラー陣のほとんどは「TVアニメ殺人事件」でデビューしており、これを劇中劇と割り切ってしま...
  • 克郎&智佐子シリーズ
    概要  新潮文庫で出版されたシリーズ。「湾岸鉄道殺人事件」のみ勁文社から出版されている。  各作品で狂言回し的な役割をしてきた可能克郎が、恋人で後に夫人になるパートナー智佐子を得て、主役になったシリーズ。  それまでの作品で女性運に恵まれなかった克郎は、意外な形で三良旅行社(未)のツアーコンダクター萱庭智佐子と出会う。そして後日、智佐子の担当するツアーに克郎が参加し、その旅の中で殺人事件に巻き込まれたことから、二人の中は深まっていく。  本シリーズでは克郎と智佐子は探偵役を務めず、トラベルツアー殺人シリーズでは智佐子の上司・多々羅課長が事件の糸口を見つけ、以降の作品ではゲストキャラクターが犯人を推理するのが約束事になっている。  初期五作では、智佐子の担当するツアーで殺人事件が起こり、それに克郎も関与していくのが基本スタイルである。  また、この五作は作者が現地取材を一切...
  • 水上
     警視庁捜査一課(未)の刑事。フルネームは不明。  可能克郎が新人記者時代に警察周りをしていたころからの友人。  精悍な面構えの二枚目で、年下の牧薩次より若々しく見える容貌である。  現場の最前線で活躍する若手として、薩次&キリコシリーズや迷犬ルパンシリーズに頻繁に登場した。  口は悪いが友情には厚く、克郎をはじめとする仲間たちを心底信頼している。  薩次・キリコとは「幻の流氷特急殺人事件」で初めて顔を合わせているが、何故かその後忘れ去られたらしく、「東海道本線殺人事件」で改めて初対面のやり取りをかわしている。  私生活は不明だが、「『殺人事件』殺人事件」では、姪で推理作家志望の女子高生水上ルリ(未)が登場し、姪には弱い叔父としての一面を見せていた。  近年は出番が減っていたが、近作「DMがいっぱい(未)」で渋さの加わった中堅の刑事として久々に登場し、...
  • 夕刊サン
    可能克郎が勤務する新聞社。本社は東京の東銀座にある。歴史は長く、「帝国新報」の名で戦前から活動していた。 「仮題・中学殺人事件」で初登場して以来、辻ミステリワールドにおける多くの事件に関わっている。 男性層をターゲットにした大衆紙で、スキャンダルや性的な情報などを売り物にしている。 女性層からは敬遠される傾向もあり、一度カルチャークラブの経営に乗り出したものの、主婦層に嫌われたのが主因で生徒が集まらず撤退している。(『殺人事件』殺人事件) しかし、克郎や山辺記者、田丸編集局長(のちに取締役)などのレギュラーメンバーは、軽薄さを売り物にする一方で、新聞記者としての正義感や使命感も持ち合わせており、事件解決に貢献することも多い。また、警視庁捜査一課とのパイプも太い。
  • たかが殺人じゃないか  昭和24年の推理小説
    2020年5月 東京創元社 『深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説』に続き、若き日の那珂一兵が活躍するシリーズ。 昭和二四年、ミステリ作家志望の少年・風早勝利(通称 カツ丼)は、名古屋市内の新制高校三年生になり、初めての男女共学を経験する。 勝利を含む東名学園の推理小説研究会には映画研究会と合同で男女5名の仲間が集まっていた。彼らの間には、新たな時代への希望と困惑、ほのかな恋心、激動を生き抜くための厳しい現実など、さまざまな思いが交錯する。 そんな彼らは、顧問・別宮操の勧めで卒業旅行代わりの合宿に出かけるが、そこで彼らは奇っ怪な密室殺人事件に遭遇する。そして、さらに連続して起こる殺人事件に、少年達と那珂一兵が挑む。 戦後混乱期の激動の時代を背景にした青春ミステリー。 本書のタイトルには、作者が長年にわたってアニメ作品や推理小説などの中に込めてきた「人間の生命と個人の誇りに勝...
  • 東西大学
     東京世田谷区経堂にある大学で、可能克郎、牧薩次の母校。  克郎自身は“二流の駅弁大学”と自嘲しているが、登場する関係者の会話から察する限り、中堅以上のレベルは保っているらしい。   80~ 90年代には東秀介(未)の父・京一郎(未)が学長を務めている。  東学長の周囲で事件が多発したり(東秀介シリーズ等)、演劇同好会を舞台に連続殺人事件(ガラスの仮面殺人事件(未))が発生したりと、刑事事件や事故の発生率は他大学の水準を凌駕している。近年も、交際中の文学部教授と女子学生がフグ中毒で死亡するという事故が起きている。(長編 異界活人事件)
  • トコトンくん
     那珂一兵の代表作と言える漫画作品。辻ミステリ作品の中で何度か話題になっている。 「少年ウィークリー(未)」に連載されて人気を博し、後に山彦プロ制作のアニメがヤマトテレビ(未)系で放映され、大ヒットした。  トコトンくんという少年を主人公にしたホームコメディ。  時代もはっきりしない世界で、野性的なカンと超人的体力のみを武器にした少年トコトンくんが、旅先の田舎に立ち寄り、住民たちのトラブルを解決して去って行くというストーリー。  腕を大きく回して自分に指を突き付けて「トコトンやれ!」と叫ぶのが決め台詞で、この台詞によって自分だけでは無く周囲の大人をも叱咤し、事件解決への道を開いている。  アニメ化されたのは、『TVアニメ殺人事件』では 70年代後半、『残照(未)』では 60年代後半と、設定に変更があるが、その理由は謎。いずれの場合も企画に関係して、奇っ怪な殺人事件が発生している。...
  • ブーゲンビリアは死の香り シンガポール3泊4日死体つき
    1984年6月 新潮文庫  克郎&智佐子シリーズの第1作。多くの作品でワトスン役をつとめてきた可能克郎が、萱庭智佐子というパートナーを得て、主役に昇格した作品。  克郎と、ツアーコンダクター智佐子との奇妙な出会いから物語は始まり、その克郎が智佐子の引率するシンガポールツアーに参加して、連続殺人事件に巻き込まれていく。  物語の主軸は、初めての担当ツアーで連続殺人事件に見舞われる智佐子と、彼女への思いを募らせながら事件に巻き込まれていく克郎との恋愛模様である。失恋直後で、しかも元恋人がフィアンセとツアーに参加しているという状況の中、明るく元気に事件に立ち向かう智佐子の姿は好感が持てるものであり、その智佐子を陰ながら助けようとする克郎の姿も読者の共感を誘う。  また、トラベルミステリーとして、舞台であるシンガポールについての蘊蓄が豊富に盛り込まれており、主軸である数々の事...
  • 新谷めぐみ
     『TVアニメ殺人事件』で初登場。  薩次とキリコの同級生で、新谷知久編集長の娘。  事件の中で不可解な行動を取る。 注意:以下、『TVアニメ殺人事件』のネタバレがありますので、未読の方はご注意ください。  実の父親は那珂一兵で、彼女が生まれたときに不遇だった那珂から、新谷に預けられていた。  事件の中で、恋人を失い残された子どもを流産するという不幸に見舞われる。  その後、立ち直って別の男性と結婚し幸福な家庭を築く。  『白雪姫の殺人(未)』で久々に姿を見せ、実父・那珂一平の最期を看取った。
  • 牧薩次
     「仮題・中学殺人事件」でデビューした、辻ミステリワールドの名探偵第1号。  名前は、辻真先(つじまさき)のアナグラム。  初登場時は推理作家志望の海東中学二年生。  西郊高校を経て、東西大学まで進学し、卒業後はそのまま推理作家を生業としている。  ジャガイモのようにデコボコした容貌から、ポテトと呼ばれている。  おとなしくはったりが効かない性格であるが、推理力は抜群で、小説だけではなく現実の事件にも何度も関わってきた。  その一方、心優しいヒューマニストで、逮捕された犯罪者に対して思いやりを見せたり、本当の悪に対しては強い憤りを示したりしている。  また、彼の書く劇中小説がドラマとからんで、読者や編集者など小説外の人物をも巻き込むメタトリックを作り出すこともある。  中学以来の相棒である可能キリコとは高校時代からはっきりと恋人同士に発展し、その愛情は深く強固に...
  • 超特急燕号誘拐事件
    2001年5月 光文社 光文社文庫  ユーカリおばさんシリーズの完結編。  ただし、シリーズ最後の事件は1993年の「津軽海峡死景色(未)」であり、本作では亀谷ユーカリは物語冒頭ですでに他界しているので、内容的には中断していたシリーズの後日談になっている。  主な舞台は、関係者の回想で語られる、若き日のユーカリが遭遇した列車消失事件である。  ユーカリの死後、アトリエ「銀の鈴」の今後を考えながら清掃に来ていた三津木新哉(未)とくるみの夫妻は、ユーカリの旧友を名乗る四条杉彦・小百合夫妻の訪問を受ける。彼らの口から語られたのは、昭和10年に四条夫妻とユーカリが出会った特急燕号車中で起きた奇怪な事件の物語だった。  皇室の家系につながる華族だった杉彦は、当時浅草の踊り子だった小百合と恋に落ち、駆け落ちを決意して東海道本線の特急燕号に乗り込んだ。  し...
  • 可能キリコ
    牧薩次と中学以来のパートナーで、恋人関係を経て現在は牧夫人。 通称スーパー。実家がスーパーマーケットであったことと、入門書レベルの学習で武芸や特殊技術をマスターする驚異的な学習能力ゆえに、この通称がある。 家族に両親と実兄の克郎がいるが、その後両親はスーパーマーケットを閉店し地方で隠居している。 押しの強さと行動力は薩次を上回り、コンビの牽引役をつとめている。 百芸に秀でているものの、器用貧乏な面があり、ユノキプロにタレントとして所属しながら、ホステス、カメラマン助手、イラストレーターなどの仕事を転々としている。 陽気で強気だが、根は寂しがり屋で、結婚について態度を決めかねる薩次に対しては長年に渡って苛立ちを感じていた。 1997年の本格・結婚殺人事件(未)で、ようやく薩次との長い春にピリオドを打ち、各シリーズの探偵たちの祝福を受けてゴールインした。 これを機に、...
  • ソウル発殺人物語
    1988年4月 トクマノベルス  トラベルライター瓜生慎シリーズの新展開第1作であり、神保亜子シリーズの第4作でもある。  「北海で殺そう」で物語に一区切りをつけ、“産休”として神保亜子に主役を譲っていた瓜生夫妻が、長男・竜(未)を伴ってトクマノベルスに復帰した作品。  2つのシリーズのレギュラーが顔を揃えており、引き継ぎにふさわしいクロスオーバー作品になっている。  韓国で取材旅行中の瓜生慎は、ソウルで義父・三ツ江通弘の会社が関係する殺人事件に巻き込まれ、その一方で瓜生真由子と1歳の長男・竜は、ライター復帰のための取材旅行に向かう途中、味子こと神保亜子や空閑三九郎(未)と出会い、山口県でソウルの事件に関係している人物を追うことになる。  対馬海峡を隔てての二カ国を舞台にした国際犯罪に、竜をも交えた瓜生一家と、味子・三九郎コンビによる合同捜査が展開される。  トラベルミ...
  • 贅沢シリーズ
    平凡なOL・麻生瑶子は、実は没落した名家の娘である。没落しても楽観的な父親や、過去の栄光を捨てきれない元執事など、愛すべき人々に囲まれつつも、瑶子は何故か次々と殺人事件に巻き込まれていく。劇中に挿入される様々な贅沢品への蘊蓄も見所である。 世にも贅沢な殺人 世にも香しい殺人 世にも達者な殺人 西伊豆昇天海岸
  • 鬼堂修一郎シリーズ
    元CHKディレクター鬼堂修一郎(未)を中心としたシリーズ。無頼派で女癖の悪いテレビマン鬼堂修一郎が、テレビ黎明期のエピソードを交えつつ、事件に関わっていく。元テレビマンである作者の体験が投影されたシリーズ。 なつかしの殺人の日々 くらやみの天使たち 電気紙芝居殺人事件(薩次&キリコシリーズも兼ねる)
  • ルパン
     迷犬ルパンシリーズの主人公。  朝日正義刑事の飼い犬で、人間の名探偵に匹敵する推理力を有する。もちろん、人語は話せないが、証拠品をくわえてきたり、手がかりに向かって吠えたりすることで、朝日刑事やその仲間たちに事件のヒントを与えている。その名探偵ぶりは、警視庁捜査一課の面々からも一目置かれているほどである。  チャウチャウと柴犬の雑種で、茶色い毛玉のような姿をしている。  出生不明の野良犬だったが、朝日が下宿する川澄家の飼い犬・サファイア(未)と出会ったことと、朝日が屋台で食べていたおでんをちょろまかしたことがきっかけで、そのまま川澄家に居着き、ユノキプロをめぐる連続殺人事件の解決に貢献したことで、正式に朝日の飼い犬となった。  すばしっこくいたずら好きで、食べ物や履き物をかっさらうことが趣味。朝日を日常的に翻弄する一方、自分に好意的な人間相手には素直に振る舞う要領のよさがあ...
  • 山辺
    フルネーム不詳。通称べーやん。 夕刊サンの記者で、可能克郎の同僚。克郎の相棒として共に事件を追い、調査や情報提供などの形で、探偵たちの捜査を影から支えた。 後に退職して北海道へ移り、道北通信社の記者になる。「仮題・中学殺人事件」以来、2008年の「宗谷・望郷殺人列車(未)」でも活躍している辻ミステリワールド最古参の脇役。 ※山辺記者のフルネームがどこかに記載されていたら、ご教示をお願いします。
  • 文英社
     牧薩次、瓜生慎ら、辻ミステリに登場する文筆業の面々の活躍の場になっている出版社。  週刊漫画誌「少年ウィークリー」、鉄道雑誌「鉄路」、推理小説誌「ざ・みすてり」など、幅広いジャンルの雑誌を出版している。しかし、企画する記事やイベントが殺人事件につながることも多い。  編集者の新谷知久、堂本昌(未)、佐貫(未)の三名は、仕事を越えて探偵たちとの親交が深く、しばしば事件に巻き込まれている。
  • 近江由布子
    「蟻巣」のママ。 『TVアニメ殺人事件』で、ユノキプロ所属の声優として登場。声と美貌を兼ね備えたスター声優で、中込攻と電撃結婚し周囲を驚かせた。 その後、『アリスの国の殺人(未)』からは、新宿ゴールデン街に「蟻巣」を開業し、辻作品の探偵たちにたまり場を提供することになる。 蟻巣のカウンターで探偵たちの聞き手を務める一方、自ら事件に巻き込まれたり探偵たちをアシストすることもあった。 90年代半ばに声優を引退し、その後は「蟻巣」の経営に専念していた。 その後、中込が病に倒れ介護が必要になったため、2016年に「蟻巣」を閉店し舞台から姿を消した。
  • コウちゃん
    「怪盗天空に消ゆ―幻説銀座八丁」に登場した青年。ミルクホールでアルバイトをしていた若き日の亀谷ユーカリの同僚である。少年時代の那珂一兵も交えたトリオで、銀座男爵事件を追った。後に渡米している。 【以下、ほぼネタバレ】  実は、探偵デビュー前の某名探偵である。  後に帰国し、1935年に短編「銀座某重大事件」で那珂一兵と再会し、共に事件を追った。そして、1937年に岡山で起きたある殺人事件で世間から認められ、伝説の名探偵としての道を歩むことになる。 (『銀座某重大事件』では、堂々と本名を名乗っております)
  • 新谷知久
     文英社の編集者で蟻巣の常連。  「TVアニメ殺人事件」でデビューした古参脇役の一人である。  作者のコメントによれば、元少年マガジン編集長の宮原照夫氏がモデル。  週刊漫画誌・少年ウィークリーの編集長として辣腕を振るい、現在では文英社の編集局長を務める。  蟻巣常連の探偵たちと行動を共にすることが多く、しばしば事件の最前線に身を置く。  那珂一兵とは若い頃から編集者と漫画家という立場を越えた深い親交があり、那珂の娘・めぐみを引き取って実の娘として育てた。
  • 神保亜子シリーズ
    トラベルライター瓜生慎シリーズが「北海で殺そう」で一区切りとなり、瓜生真由子の妊娠に伴う産休の扱いになっている間、トクマノベルスで刊行されたシリーズ。 女子大生グルメレポーターの味子こと神保亜子が、カメラマンの空閑三九郎(未)とともに取材先で殺人事件に巻き込まれるストーリー。 亜子の恋人で、下半身不随のために入院中の永坂進吾が、亜子からの電話を受けて安楽椅子探偵の役割を果たしている。 瓜生夫妻の復帰とともにシリーズは中断したが、後に朝日ソノラマから「緑青屋敷の惨劇 味子の怪奇探偵レポート」が刊行されている。 味子さん、殺人です 探偵さん、迷宮です 犯人さん、復讐です ソウル発殺人物語(第2期瓜生慎シリーズ第1作を兼ねる) 緑青屋敷の惨劇 味子の怪奇探偵レポート
  • 中込攻
     近江由布子の夫で、広告代理店・放洋社(未)のプロデューサー。  『TVアニメ殺人事件』でデビューしたときはすでに中年で、丸顔の鈍重そうな人物に描かれていた。離婚係争を抱えて妻子と別居中であったが、同時に由布子へのアプローチを続けていて、離婚成立を機に由布子と再婚した。  本業の面ではやり手で、TV番組やCMに数多く関わっており、その企画が事件に関係することも少なくない。  会社からの帰路、妻の経営する「蟻巣」で夕食をとることが多く、カウンターの中で手伝うこともある。そのため、探偵たちとも付き合いが深い。  晩年は病に倒れて第一線を退き、由布子の介護を受けつつ余生を過ごすことになる。
  • 蟻巣
     新宿ゴールデン街で近江由布子が経営するスナック。  「アリスの国の殺人(未)」で初登場した。  由布子が声優であり、その夫・中込攻が広告代理店勤務である縁で、漫画家、編集者、作家などマスコミ関係者が多く出入りする。そのため、辻真先作品の主立ったレギュラーのたまり場になっている。  劇中での競演が少ない牧薩次と瓜生慎が、この店ではよく同席していると語られる(『ユートピア計画殺人事件(未)』)ように、各シリーズ世界の接点の役割も果たしている。  小さな店で、探偵たちは主にカウンターで飲んでいるが、ささやかながらボックス席と中二階も存在する。落ち着いた雰囲気で、探偵同士のディスカッションが行われたり、事件の舞台になることもある。  店に住み着いてるチェシャ猫がマスコット代わりで、初代は死亡したが現在は二代目が住み着いている。  2016年、「残照 アリスの国の墓誌(未)」にお...
  • 葉月麻子シリーズ
    概要 美人だが惚れっぽく要領の悪いユノキプロ所属のタレントの葉月麻子が、ゲスト男性への思慕をバネに意外な名探偵ぶりを発揮して事件を解決して行くパターン。当初はジョイノベルスでシリーズが開始され、「北斗星ロイヤル個室で誰が死ぬ」以降徳間文庫は「~誰が死ぬ」シリーズとして継続した。最後には麻子が恋をあきらめることになるのもシリーズのお約束で、彼女には失恋探偵の異名まである。だが、最後には彼女にも人生の転機が訪れてシリーズをしめくくっている。 作品リスト 殺しはレールに乗って 殺しは江戸のパフォーマンス 北斗星ロイヤル個室で誰が死ぬ 秘境西表島で誰が死ぬ 南九州噴煙の下で誰が死ぬ 南紀仙人風呂で誰が死ぬ 十和田湖畔に死体が踊る(未)(シリーズ最終作 夢瀬鬼人シリーズ第1作を兼ねる) 旅と恋と殺人と(引退後の麻子が再び殺人事件に巻き込まれる) 嵐の柩島で誰が死ぬ(未)(『探偵Xからの...
  • 神保亜子
     正義感の強い女子大生で、赤羽プロ所属のテレビレポーター。  アジの干物が好物であることから「味子」のニックネームがつき、その名から食通と誤解されてグルメ番組を多数担当することになる。実際には酒好きの味音痴である上、言動が率直なため、グルメレポーターとしては苦戦している。その反面、大食漢で普通に美味しいものは、素直に味わうことができる。  陽気で快活な女性であるが、恋人の永坂進吾が交通事故で下半身不随のまま入院しており、その事情は周囲のスタッフにも明かしていない。  取材先で良く事件に巻き込まれるが、その際には真吾から電話で様々な示唆を受け、探偵役を務めている。  トラベルライター瓜生慎シリーズ中断時の主役だったため、『ソウル発殺人物語』で瓜生一家に主役を返すような形で退場している。その後『緑青屋敷の惨劇』では、手術のために渡米中の進吾の手を借りず、単身で事件に挑...
  • 那珂一兵
     蟻巣常連の漫画家。  作者のコメントによれば、永島慎二をモデルに水木しげるの風貌を加味して創造した人物。  戦前、15歳で上京し、銀座のミルクホールで働きながら、東京を騒がせた犯罪事件に巻き込まれ探偵魂を見せた。(『怪盗天空に消ゆ』)  貸本時代の苦労を経て人気漫画家となり、『トコトンくん』のアニメ化によってブレイクした。(『TVアニメ殺人事件』)  多くの探偵たちと親交があり、自ら事件解決のために動くことも多い。  温厚な好人物で、可能克郎と萱庭智佐子の間を取り持とうと世話を焼いたり(『列車内での悲鳴はお静かに(未)』)、牧薩次と可能キリコの結婚を身内のように待ち望んでいたりしている。  新谷知久とは若い頃から深い親交があり、実の娘であるめぐみを諸事情から養女として託している。  穏やかではあるが、戦前戦中の体制に対しては深い憤りを感じており、人道を蔑ろにする...
  • 瓜生慎
     文英社の雑誌「鉄路(未)」を中心に活動するトラベルライター。  長いアゴと、その先の生えそろわない髭がトレードマーク。  穏やかで臆病ながら正義感と反骨心は強く、事件を追う際はプロの殺し屋とも自然体で向き合う度胸を発揮する。  1979年に「死体が私をおいかける(未)」でデビュー。取材旅行中に女子大生・三ツ江真由子が関係する連続殺人事件に巻き込まれ、それが縁で真由子と恋人同士となった。その後、「殺人者が日本海を行く(未)」で真由子と結婚し、「北海で殺そう」で、長男・竜(未)が誕生する。大企業経営者である舅・三ツ江通弘には、真由子と仲を何度も妨害された。真由子との結婚後も、価値観の相違から通弘と対立するが、竜の誕生後は関係が好転している。しかし、三ツ江グループの保護下に入ることは断固として拒み、筆一本で妻子と共に生活してきた。  取材中に事件に巻き込まれることが多く、ト...
  • 桂真佐喜
    「仮題・中学殺人事件」のもう一人の主人公。 中学生の少年推理作家で、長編デビュー作を執筆中。 乗り合わせた旅客機が自衛隊機と接触した事故のため、母親を失い両足の自由を失っている。奇跡の生存者として話題になったが、作家デビューは事故の前から決まっていた。 同じく事故で両親を失った加賀美清子は隣人で、足の不自由な真佐喜の面倒をよく見ているが、真佐喜から寄せられる恋心には気づいていないらしい。 事故の責任者である林一曹が謎の死を遂げたことについて、ある疑惑を抱いている。 真佐喜ルートの物語では、薩次やキリコの物語の作者となっている。 この桂真佐喜は、作者のもう一つのペンネームであり、自身の本の巻末解説を桂名義で行うこともある。
  • 幻影城で死にませう
    1991年9月 ソノラマノベルス 伝説の推理雑誌「幻影城」とは無関係。 古城を模したホテル、同じ設計の二つの建物、自動人形のコレクション、異様な雰囲気を持つ美青年探偵など、古典ミステリを意識したガジェットが満載。しかし、古典本格ものとは少し違い、おなじみの可能克郎が狂言回しとなることで現代の雰囲気が強調され、パロディ的な味を出している。 主人公の百目鬼優は、出自に曰くのある銀髪の美青年ということで、シリーズ化されてもおかしくないキャラクターだったが、本作のみの登場で終わっている。 海に面したホテル「幻影城」は、古城型別荘二棟を利用して十八年前に建てられ、自動人形をはじめとする様々なコレクションを有していた。取材に訪れた可能克郎は、客の一人が、自動人形に胸を射抜かれたことを皮切りとする奇怪な事件に巻き込まれる。しかも、ホテルに向かう橋が爆破され、古城の人々は孤立を強いら...
  • 迷犬ルパンの蒸発
    1985年2月 カッパノベルス 1989年1月 光文社文庫 (現在、各社電子文庫で入手可) 迷犬ルパンシリーズの第4作 東京近郊で発生した殺人を皮切りに、伊勢志摩から南紀一帯まで舞台を広げつつ起きる連続殺人事件を描くトラベルミステリ。 本作では、第一の殺人を捜査中に朝日刑事とルパンが喧嘩別れし、そのまま思わぬいきさつでルパンは南紀へ向かうことになり、珍しくコンビが別行動を取りながら事件を追うことになる。 ルパンとゲストヒロインが彷徨する南紀一帯の描写は詳細で、トラベルミステリの趣が強い。 次々に登場する登場人物が、一見偶然の糸に操られて巡り会っているように見えて、実は必然の出会いであったことが解き明かされていく展開は見事。 坂西弥太郎(未)・とね子(未)夫妻が登場し、朝日やルパンと出会って辻ミステリ世界の連携をまた一つ繋いでいるのが嬉しい。 事件関係者の1...
  • 萱庭カヤ
     可能智佐子の祖母。  克郎 智佐子シリーズ第1作の「ブーゲンビリアは死の香り」で、「故郷の福島に住む智佐子の祖母」としてすでに話題に出ていたが、「南の島のお熱い殺意(未)」での電話出演で初登場。その後、「自由の女神にないしょで殺人(未)」で、智佐子を追ってニューヨークに姿を現した。  かなりの高齢であるが元気な熟年女性で、薙刀の達人でもある。智佐子に武道を教えた他、警察に招かれて薙刀の指導を行ったこともあり、その縁で大関(未)警部からも一目置かれている。  また行動力もあり、東京へ家出してきたときには、高齢にもかかわらず近所の喫茶店の仕事を見つけて働いていた。  智佐子を大変可愛がっている。そのため、智佐子のためとなると新婚家庭へもためらわず乗り込み、克郎を婿殿と呼んで叱咤する。しかし、内心では克郎にも信頼を置き、孫を囲む蟻巣常連の探偵達を好ましく思っている。 ...
  • 可能智佐子
     旧姓は萱庭。  三良旅行社(未)のツアーコンダクターで、可能克郎の妻である。  「ブーゲンビリアは死の香り シンガポール3泊4日死体つき」でデビュー。  おっとりとした美女で、やや子どもっぽいところがあるが、高校時代は影の不良だったという前歴があり、修羅場では相手を威圧する迫力や危険に対する勘を見せる。また、祖母の萱庭カヤからは、合気道と薙刀を仕込まれており、いざというときは犯罪者との立ち回りをも辞さない度胸がある。カヤからは大変可愛がられており、それゆえにカヤが事件に介入してくることもある。  かつての恋人・井崎総三から別れ話を持ちかけられたとき、自分のプライドを保つために通りすがりの克郎に頼み込んで、新たな恋人の役を演じさせた。その直後、担当するツアーに克郎と井崎が偶然参加し、ツアーの中で起きた連続殺人で克郎に助けられたことから、克郎を本物の恋人として意識し始めた...
  • 知床岬に夏は死ぬ
    1990年9月 中央公論社 C-NOVELS  三津木新哉(未)と綾川くるみの仲が進展する中、新哉の学生時代の恋愛が発端となって起きた事件にくるみが巻き込まれていく。  いつものトリオが、くるみとユーカリ&新哉に分かれ、物語は作者お得意のトラベルミステリーとして、礼文島、稚内、網走、知床半島等、道北から道東へと幅広く展開していく。また、時刻表トリックやアリバイトリックもてんこ盛りである。  しかし、物語の主眼はそうしたミステリー要素ではなく、新哉の過ぎ去った青春時代の思い出と、それを垣間見て揺れるくるみの心、そして新哉に思いを寄せていた女性たちの悲しい運命など、恋愛ドラマとしての印象が強い。  地方巡業中の新哉の留守宅を主婦気取りで掃除していたくるみは、新哉の学生時代の恋人・イトウフミコを名乗る女性から自殺予告の電話を受け、単身北海道へ飛ぶ。そして、稚内で伊藤...
  • 迷犬ルパンシリーズ
    赤川次郎の「三毛猫ホームズ」を意識したシリーズで、朝日正義刑事に飼われた雑種犬ルパン(可能キリコや水上刑事はルパンの方が飼い主とコメントしている)が、人間の探偵顔負けの推理で事件を追う。 朝日の下宿する川澄家の長女で朝日の恋人の川澄ランと、彼女の弟・健も、ルパンと共に事件を追い、シリーズ途中からはそして健のGF・木暮美々子もレギュラーに加わる。 正伝のシリーズの他に、他作品のパロディをメインにした「迷犬ルパンスペシャル」シリーズも執筆され、「迷犬ルパンと三毛猫ホームズ」では三毛猫ホームズとも共演している。 「迷犬ルパンと里見八犬伝」を最後にシリーズは中断している。そして、2000年の「デッド・ディテクティブ(未)」でルパンのある秘密が明らかになったことを最後にシリーズが完結している旨を、作者がネット掲示板で述べている。  また、2013年の薩次 キリコシリーズ完結編「戯作・誕生殺人...
  • くらやみの天使たち
    1987年10月 双葉社 FUTABA NOVELS 1990年1月 双葉社 双葉文庫 2014年5月よりebookjapanで電子版配信中。 https //ebookjapan.yahoo.co.jp/books/235833/A000259708/  鬼堂修一郎(未)の弟・信二郎の一人称で語られる物語。  修一郎は脇役ながら重要なポイントで登場している。  終戦直後、時代が急変する中で、信二郎は多感な青春期を過ごしていた。  映画マニアの信二郎は、映画館で偶然であった少女・奈良井粧子にほのかな恋心を抱き、男女共学化で彼女と級友になれたにも関わらず、それ以上踏み出せずにいた。  そんな平凡な日々の中、信二郎が通う映画館の中で密室殺人事件が発生した。それを皮切りに、40年の時を越えて事件が続き、信二郎も粧子も友人たちも、運命の渦へと巻き込まれ...
  • 婿ドノのいのちが危ない 1LDKエアコンなし死体つき
    1989年5月 新潮文庫  克郎&智佐子シリーズの第6作。前作でついにゴールインした可能克郎と智佐子の新生活が舞台となるが、折からの狂乱地価で二人の新居探しは難航し、本作以降の二人は転居を繰り返しながら行く先々で事件に巻き込まれていくことになる。ここでシリーズはトラベルミステリーシリーズ改めホームミステリーとして続いていく。  克郎と智佐子が入居した古風な木賃アパートは、古本屋や銭湯に囲まれた住宅地にあり、当時狂乱地価のため姿を消しつつあった東京の下町の面影を残していた。  個性的な住人に囲まれた二人は、入居早々幽霊を目撃し、そして古本屋での奇妙な殺人事件に端を発した連続殺人に巻き込まれていく。  本作では、ほとんどアパート周辺が舞台になり、萱庭カヤと山辺記者以外の辻ミステリ関係者は姿を見せない。そのため、他のシリーズとは一線を画したホームドラマ的な印象が強くなってい...
  • 朝日正義
    「迷犬ルパンシリーズ」の副主人公。  警視庁捜査一課の若手刑事で、ルパンの飼い主。おでん屋の屋台で好物のゲソをルパンに奪われるという形で出会い、下宿先の川澄家が飼っているサファイア(未)といい仲になったルパンが、なし崩し的に川澄家に転がり込んできた。ルパンと協力して事件を追ううちに、事実上ルパンの保護者となっている。(朝日が登場しない『東海道本線殺人事件(未)』では、キリコに“ルパンに飼われている刑事さん”と言われている)  九州出身で、世間のイメージする“九州男児”を実体化させたようなキャラクターである。本来は長身の二枚目だが、ルパンにからかわれて三枚目を演じることも多い。写経が趣味という古風さで、質実剛健な性格だが、正義のためには後先を考えずに突っ走る癖があり、その真っ直ぐな行動が他者の目にはコミカルに映ることもある。そのため、「体力勝負の張り込みには向いているが、知恵の輪を...
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    Total - (from 2009/10/14) 今日 - 昨日 - はじめに 本ページのお約束 シリーズリスト 辻ワールドの主な名所 辻真先作品購入ガイド ネタバレコラム 新刊情報『たかが殺人じゃないか  昭和24年の推理小説』(東京創元社 2020/5/29) 最新長編小説。 昭和二四年、ミステリ作家を目指しているカツ丼こと風早勝利は、名古屋市内の新制高校三年生になり、初めての男女共学を経験する。勝利を含む推理小説研究会と映画研究会の男女5名の仲間は、顧問の勧めで卒業旅行代わりの合宿に出かけるが、そこで彼らは奇っ怪な密室殺人事件に遭遇する。さらに連続して起こる殺人事件に、少年達と那珂一兵が挑む。 戦後混乱期の激動の時代を背景にした青春ミステリー。 【祝!ミステリランキング3冠! 】 第1位『このミステリーがすごい! 2021年版』国...
  • 長編 異界活人事件
    2007年1月 宝島社 「バカミスじゃない!? 史上空前のバカミス・アンソロジー」に収録(書き下ろし) 2009年8月 宝島社 「奇想天外のミステリー」(宝島社文庫)に収録  年刊誌「このミステリーがすごい!」のバカミスコーナーを担当する小山正氏のプロデュースで、書き下ろしの“バカミス”を集めたアンソロジー。そのトップバッターとして登場するのが本作である。  冒頭でいきなり主人公が死に、辻ミステリ最重要人物の命が狙われるサスペンスが、冥界と現世を股にかけて展開される。  “バカミス”を銘打ちつつ、亀谷ユーカリや東西大学の再登場、死後の世界のルールをベースにしてそれなりにミステリーの筋を通した展開、「長編と銘打たれた短編」の謎など、辻ミステリの王道を凝縮した作品でもある。  東西大学文学部教授の河東太朗と、その学生で愛人でもある寿々木ハンナは、ホテルで密会の...
  • ユーカリおばさんシリーズ
    伊豆高原で人形アトリエ「銀の鈴」を開いている熟年女性・亀谷ユーカリ(ユーカリおばさん)が、孫娘の綾川くるみとその恋人・三津木新哉(未)の二人をワトスン役にして、事件に挑むシリーズ。1993年の「津軽海峡死景色」を最後にシリーズは中断していたが、2001年に光文社文庫から「超特急燕号誘拐事件」が出版され、これが事実上のシリーズ完結編になっている。 ●短編集 死ぬほど愛した… いつか虹を渡りたい 刺のある花園 ●長編 旅は道づれ死体づれ 殺したい子に旅させよ 旅の死体は殺し捨て 鬼ごっこだよ国立探偵 死体は走るよ国際列車 殺しもあるよ国境紛争 死体も歌え奥信濃 知床岬に夏は死ぬ 佐多岬北緯31度の墓標 伊豆恋岬殺しの眺望 津軽海峡死景色 超特急燕号誘拐事件 ●短編 長編 異界活人事件(『バカミスじゃない!? 史上空前のバカミス・アンソロジー』に収録)
  • 迷犬ルパンと殺人結婚
    1988年12月 カッパノベルス 1994年4月 光文社文庫 (現在、各社電子文庫で入手可) 迷犬ルパンシリーズの第11作  川澄健と木暮美々子が通う文成中学校(未)の文化祭準備に端を発し、連続殺人へとつながっていく一連の怪事件を、おなじみのルパンファミリーが追う。健と美々子がほとんど主役となって、朝日刑事とランはいつもより出番が少なくなっているが、影が薄いというほどではなく、レギュラーメンバーの軽妙な会話は健在。水上刑事をはじめとする警視庁捜査一課の出番も多い。  連続殺人の中での犯人消失等のトリックは魅せるものがある。しかし、本作の主題になるのは、健と美々子の友人・讓とみどりのそれぞれの親の過去の恋に始まる水面下の悲恋物語である。讓の父・東洋夫とみどりの母・住子に容疑がかかる中、二人の無実を信じ、復縁の後押しをするレギュラーメンバーの善意は、シリーズの王道であり大変...
  • 亀谷ユーカリ
     ユーカリおばさんシリーズの主人公。  初登場時74歳の熟女で、伊豆・城ヶ崎海岸近くの高原にアトリエ「銀の鈴」をかまえ、人形を作って暮らしている。 少女時代からリベラルな考えを持ち、モダンガールとして行動していた。  昭和初期に、銀座のミルクホールで給仕のアルバイトをしていた頃、少年時代の那珂一兵や、同僚の青年コウちゃんと組んで、東京を騒がせた犯罪事件に挑んだこともある。また、昭和10年には、特急燕号の消失事件にも関係していた。  恋人・結城龍巳が徴兵から逃れきれず城ヶ崎海岸で投身自殺をした後、結婚したがユーカリの自由奔放が夫から理解されることはなく、娘・さおり(未)が結婚し夫が死去してからは、龍巳が命を絶った場所の近くで人形作りに打ち込む日々を送っていた。  孫娘のくるみや、その恋人・三津木新哉(未)と行動するようになってからは、日本中を飛び回って犯罪を追う一方、二...
  • @wiki全体から「宇宙戦艦富嶽殺人事件」で調べる

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