☆英国式ブラスバンド(British brass band)とは?☆ 


 日本で「ブラスバンド」と言うと「吹奏楽」を指して言われることが多いですが、英国式ブラスバンドは金管楽器と打楽器のみで演奏されます。そのため「金管バンド」と呼ばれることもあります。ヨーロッパでは、ブラスバンドは(英国式)金管バンド、吹奏楽はウィンドバンド(ウィンドオーケストラ)と区別されて呼ばれています。
 英国式ブラスバンドは今から200年ほど前に救世軍が街角で募金を募るために小規模な楽隊を編成して演奏したことに始まっています。今の英国式ブラスバンドの演奏スタイルは19世紀後半にイギリスで確立されたため英国式と言われています。炭鉱労働者の慰労や自らの娯楽の目的で結成されたブラスバンドが各地に拡がり、現在の英国では一つの街に一つのブラスバンドがあるほど普及し地域に密着した存在となっています。
 近年では英国だけに留まらずヨーロッパ全土でその演奏技術や音楽性の向上の目的でコンテストが開催されています。(写真は英国のブラックダイクバンド)

 英国式ブラスバンドは日本ではなじみの薄い演奏形態ではありますが、ブラスバンドのオリジナル作品はたくさんあり、古くはエルガー、ヴォーン・ウィリアムズ、ホルストなどの大作曲家も作曲しています。フィリップ・スパーク作曲の「ドラゴンの年」や「祝典のための音楽」、あるいはヤン・ヴァン・デル・ローストの『カンタベリー・コラール』や『マーキュリー』などブラスバンドのために作曲された作品が吹奏楽用に編曲され、日本の吹奏楽界においても盛んに演奏されるようになってきています。

英国式ブラスバンドの特徴

 英国式ブラスバンドは、金管楽器と打楽器で構成されています。ここでの金管楽器はトロンボーンを除いては全てサクルソン属と呼ばれる金管楽器のみで構成されます。このため、英国式ブラスバンドにはトランペットやフレンチホルンは使用されません。サクソルン属の金管楽器の特徴は管が円錐形をしており吹き口からベルに向けて徐々に太くなっていることです。通常は28名の奏者で演奏を行い、1人1パートであるため全員がソロ楽器の奏者とも言えます。

 英国式ブラスバンドのサウンドは吹奏楽のそれに比べて丸く柔らかいのが特徴です。舞台上では奏者がコの字状に配置されており、ベルが客席に向いている楽器がほとんどなく、聴衆はステージ上でブレンドされた音を聞くことになります。サクルソン属の金管楽器のみで奏でられたハーモニーはパイプオルガンのような響きを醸し出します。
このような重厚なサウンドや甘く切ないサウンドだけでなく、弦楽器や木管楽器にも勝るとも劣らない超絶技巧やビブラート奏法も英国式ブラスバンドが奏でる音楽の見どころや聴きどころでもあります。

英国式ブラスバンドへのお誘い

学生時代に金管楽器を吹いていたけどまた演奏してみたいと思っている方...
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サクルソン属の金管楽器を吹いてみたいと思っている方...                                        ・・・ メンバー大募集中です。
弦楽器や木管楽器のような真っ黒な楽譜を吹きたいと思っている方...
最終更新:2017年04月17日 22:21