どうやら私達が入ったのは「pinch&chance」と名づけられた質屋のようなものらしい。
「どうだ?いい物揃ってるだろう?」
店主が陽気に話しかけてきた。
「ふむ、こんな物まで扱ってるのか。」
どうやら他の店から盗んできた物を商品として売り出しているようだ。
食糧から弾薬、銃も売っている。
「毎度あり!」
ジョーカーは弾薬と少しの食糧を買ったようだ。
「よし、買い物は済んだ、ちょっと店の中で休むか。」
「ええ、そうしましょう。」
店の中に置いてあった椅子に座る。
ジョーカーは
テーブルの上に先ほど買ったと思われるケーキと飲み物を置いた。
「さて、聞かせてくれないか?何でここにいたのか。」
「あ、はい。」
私はまず飲み物を飲んだ。
「へえ、中々肝の据わったお嬢さんだ、でもゾンビはどうした?」
ジョーカーはケーキを楽しそうにほうばった。
「えっと・・・ゾンビを倒したのは私とこの子。」
魔女の方を指さす。
『馬鹿ね、コイツに見えてる訳無いでしょ?』
「へえ、お嬢さんとそこの魔女が?どうやったんだ?」
『え?こいつ・・・私の事見えてるの?』
ジョーカーは大笑いした。
「ハッハッハッ、俺の眼は特別でね、「見たくない物」も見えちまうのさ。」
「はあ・・・。」
「で、倒した方法についてだが・・・銃声がしたからな、音からしてガトリング砲だ、今どこにしまってあるんだ?」
「えっと、これ。」
ライターを差し出す。
「なるほど、これがガトリングになるのか・・・、「イフリート」か?」
ジョーカーが文字を指でなぞる。
「読めるの?この文字。」
「ああ、図案化されてて読めたもんじゃないけどな。」
「はあ・・・あ、そうじゃない、えっと・・・今度は私から質問していい?」
「ああ、構わんさ、散々質問したんだ、答えられる範囲で答えるよ。」
そういうとジョーカーは足を組んだ。
「えっと・・・何で地声で話さないの?何か理由がありそうだけど。」
「ちょっと人に言えない理由があってね、それは言えない。」
「そうか、後それと、ジョーカーというのは本名じゃないんだよね?」
「ああ、本名は今のところ秘密だ。」
ジョーカーは少し首をかしげた、どうやらウインクしたらしい。
「そうそう、ジョーカーは今までどうやって「アレ」を倒したの?」
ジョーカーは足を指さした。
「コレだよ、ずっとこれで闘ってきた。」
足に銃が付いている。
いや、縛り付けてある、といった方が正しいだろう。と¥
「これって拳銃?トリガーはどうやって引くの?」
「引く必要なんてないさ、銃の方から勝手に撃ってくれる。」
意思を持つ武器の話を聞いたことがあった、多分これもその類なんだろうと自分の中で納得する。
「さて、そろそろ出発するか。」
「ええ、そうしましょう、でもどこに行くの?」
ジョーカーは笑った。
「さあな、とにかく人の集まってる所だ。」
最終更新:2011年06月18日 15:11