「校庭の方は片付いたか、では、我々も出発するとしよう。」
「あいあいさー♡」
オルトロスの面々が学校の中にいたゾンビをほとんど殲滅してくれたお陰で行動しやすくなっている、高校を奪還するなら今しかない。
校門の前にはゾンビが多い、だが・・・。
「ゲルトルート、片づけるぞ。」
「って、あれ?」
ゲルトルートが居ない。
「どこに行ったんだ?」
「ガアッ!」
後ろでゾンビの叫び声が聞こえた。
「!?」
「グアッ!!」
今度は右だ。
「ガッ!」
真後ろ。
「ゴアッ!」
左。
「一体何が起こっている?」
目を凝らすと何者かが殆ど視認不可能な速度で移動しているようだ。
「くっ・・・誰だ?」
見る見るうちにゾンビが倒れて行く。
「まあいい、とりあえず校門を閉めるとするか。」
重い扉をゆっくりと閉めて行く。
その間にも誰かがゾンビを倒しているようだ。
「誰だか知らんが・・・助かった。」
校門を完全に閉め終えるとため息をつく。
「これでゾンビは入ってこないだろう、これでガーランド達がゾンビを倒してくれれば・・・。」
「高校は奪還できる、ってことね。」
ゲルトルートが急に目の前に現れた。
それも奇妙な刀を持って。
「さっきまでゾンビを倒していたのは・・・もしかしてお前か?」
「ええ、そうよ、便利でしょ?私って。」
ゲルトルートが持っていた刀を見せた。
「「トゥルーデ」、これは武器の名前でもあり私の名前でもある、もう私の体の一部みたいなものね。」
「これは・・・刀のような・・・鋸のような・・・何だこれは?」
刀身のところに美容師が使うような櫛のように小さい刃が並んでいるいる。
「私も知らないわ、そういう武器らしいから。」
ゲルトルートは刀を鞘に入れた。
「さあ、理科室に戻りましょう、ちょっと見せたいものがあるのよ。」
「見せたい物?何なんだそれは?」
「ウフフ、帰ってからの、お・楽・し・み♡」
ゲルトルートは寒気のするウインクをした。
最終更新:2011年03月07日 14:56