あれからしばらく経っただろうか。
「オレンジ、私を「使える」人間っているのかしらね?」
ゲルトルートが唐突に聞いてきた。
「僕とハウンドドッグの隊長くらいだろうね、君は使いにくいというより人を選ぶから。」
帝国空軍第9航空師団ハウンドドッグ、総勢13人で1師団級の戦力として認められた精鋭部隊。
だがそれは表向きの顔でしかない。
「ハウンドドックって・・・アンタの作った部隊よね?」
「まあ、それに近いね、否定はできないよ。」
その実態は研究段階の人型生体兵器の実験部隊。
全員が普通の人間より身体能力と特殊能力の底上げをされており、僕の技術の軍事転用のために作られた。
「そういえば、アンタとあの子達の「約束」って何だっけ?」
「「私達を忘れないでほしい」さ、あの子たちは自分から進んで部隊に入ったんだ、それを忘れようとしても僕には無理だ。」
「約束・・・ねえ、今まで何人と約束したの?」
「僕が作りだした「兵器」は丁度150人、でも君で149人目さ。」
「あと一人ね、お疲れ様。」
「まだ終わっていないさ、君以外にもまだいるんだから。」
「それがあなたの償いなの?」
「行動には責任が伴う、それが僕の信条だからね、まだ続けるさ。」
最終更新:2011年03月10日 08:23