朝日が昇ってしばらく経った頃だった。
「・・・。」
「どうしたマルセイユ?何かあったのか?」
「・・・ちょっと見てくれないか。」
マルセイユが望遠鏡を渡した。
「向こうの方だ、何か高速で動いている物がある。」
「何だアレは、あんな生物は見た事が無い。」
「生物?アレが人間大のデカさの生物の動きだって言うのか?」
「ああ、俺もまさかとは思ったがどうやらアレは生き物らしいな。」
「うわ、確かに生物だわ、体温がある。」
ハインツが別の望遠鏡で確認した。
「相変わらず便利ね、貴方のその眼。」
ヴォルフが悪態をつく。
「貴方の能力ほど便利じゃないわ、ただ温度が見えるだけ。」
「それを人は便利と言うんだよ。」
ルーデルが茶化した。
「俺なんか能力なしで生き残ったんだ、能力があるだけマシさ。」
「能力無しで30回以上撃墜されてるのに何でお前は生きてるんだよ。」
エーリヒが突っ込む。
「これといった秘訣は無いぞ?」
「それより「アレ」を何とかしないとマズいことになりそうだ、今のうちに体力をつけておかないとな。」
「という訳でヴォルフ、美味い朝飯を頼む。」
最終更新:2011年03月15日 14:02