「さあ!この闘技場始まって以来の小さき勇者が今ここに舞い降りた!」

実況らしき人間が叫ぶ。

「そのわずか17!命知らずの挑戦者がココに参上!籠崎ィィィィィィ・・・・来夏ァァァァァ!!!」

実況とともに観客が騒ぐ。

目の前の門が開く。

耳を裂くような歓声と共に俺は迎えられた。

部屋の真ん中のリングに入ると上から壁とフェンスが

「形式はトーナメント!全五回戦に渡って行われる!」

「さあ、ゾンビは・・・おや?挑戦者が何か言っているぞ?」

「マイクをよこせ、言っておきたいことがある。」

「は、はあ・・・」

俺はマイクを手に取った。

「観客!俺に掛けときな、大儲けするぜ。」

俺は笑いながらマイクを投げ捨てると銃を構えた。

「これはかなりの自信だ!さて今回の相手は・・・・鉤爪ゾンビ5体だ!」

天井から檻が降りてくる。

俺の正面に下ろされると、中のゾンビが檻を叩いた。

「3,2,1、レディ・・・ゴー!」

実況の掛け声と共に檻が一斉に開き、鉤爪をつけたゾンビが一斉に襲い掛かってきた。

「フン、射程圏内だ・・・サウェッジ・・・!」

回し蹴りと共にゾンビが一斉に壁に叩きつけられた。

フェンスにへばりつくような形になったゾンビに俺は止めを刺す。

「ライナァァァァ!」

回し蹴りの終了体制からの踵落としと共に衝撃波が5本地面を走った。

海中から獲物を願う鮫の鰭のような形をしたそれはゾンビを直撃しフェンスを突き破った。

ゾンビは防弾ガラスに激突し、そのまま動かなくなった。

「き・・決まったァァァァァァ!!」

しばらくの沈黙の後、さっき以上の大歓声が沸き起こった。

「な、ななな何と、僅か2発の攻撃で5対のゾンビを粉砕だァァァッ!!」

「何だ、もう終わりか、トーナメントで良かった、これで終わりでは興醒めだったからな。」

次は二回戦だ、決勝が待ち遠しい。

いったいどんな相手が待っているのだろうか。

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最終更新:2011年04月12日 09:24